いつの間にか
私たちは忘れてしまった
追いかけっこに
夢中になっていて
周りを見れば
誰もいなかった
ただひたすらに
走っていたから

疲れ果てて
たくさんの時間が過ぎた
数の計 ....
ちいさな電車だった
いくつも風景をやり過ごした

乗客はいつも決まっている
新聞のにおいのする父と
たまねぎのにおいがする母
シャンプーくさい妹と
無臭のぼく

電車ごっこの紐は
 ....
うつぶせに寝る 
一週間分疲れたからだを 
ほねつぎの先生は 
大きい手の親指で 

 ぐぃっ ぐぃっ 

とのばしてくれる 

「 マッサージしてもらい 
  すじがのびると 
 ....
 
 
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された ....
青い空 白い雲
緑の森とオレンジのガム

赤い花 黄色い靴
銀のペダルと金の太陽

We live in the colorful world
飛び出したなら止まらない
小 ....
僕の
頭の上で

機嫌を損ねた
灰色の空が

意地悪そうに
雨を降らせる瞬間を
見計らっている

僕は
被った帽子を
顔の半分まで引き下ろして
小さく
舌打ちをしたけれど
 ....
2006年8月26日

旅の話


そういえばカプセルホテルに泊まったというのも初めてで
なんだか蜂の巣みたいな感じを想像していて
まあ似たりよったりの感じで
にゃー、カプセルだー、ご ....
ひとりで
回転寿司に行きますと
何周もしている
モンゴイカにふと
周回遅れのじぶんじしんを重ねて
真向かいの
ホスト風の男が
うにいくらと注文しているのを
同じ色の皿ばかり積む私は
 ....
駅へ向かう道すがら
はいいろをした四本足の生き物が
とぼとぼと歩いていた

(   )駅では
列車が遅れていることをみんな知っていて
でも
みんな口をつぐんでいた

恋人たちは
別 ....
ぼう、と
汽笛が低く鳴いて
遊覧船が桟橋を発つ

湖の真ん中
ボートにたたずむ私たちを
避けるように右へと進み
エンジン音が湖畔に響く

よかったね
あのまま
まっすぐ来たならオ ....
凍った夜にキラキラと光る
もう空は融けかけた銀の花
凍った頬に揺らめく色は
闇に見えず咲く薔薇の花

倒れそうで倒れることの無い
たくましくも辛き牛車の旅
星が美しき涙を流していた
だ ....
 散歩が好きだ。ゆっくりと、目的地を決めずに歩く。春や秋の、それぞれの季節の風物を感じながら、ひとり歩を進める。そんな感覚が好きだ。そして、歌をうたう。そうすると、人からおかしな奴だと思われる。人は陽 .... 灰色のコンクリートには
ない、ない
としか書かれていなくて

薄紫色の夕暮れには
さあ、さあ
としか書かれていなくて

茶色の地面には
まあ、まあ
としか書かれていなくて

青 ....
 
「じかにふれてみればわかる」

 男は女の手を握り
 宮殿内を歩き回った
 久しぶりの休日だった
 彼女は大理石の花瓶の中で
 プリマのように くるくると
 まわってみせた
 も ....
椅子の並んだ暗い部屋
映写機の背後に立つ人が 
かちっとスイッチを入れる 

 闇をつらぬくひかりの筒 

スクリーンに映し出す 
交差点を行き交う 
無数の人々の足 

試写室の ....
{ルビ呑気=のんき}な仮面を被っていても 
ほんとうは 
わたしもあなたとおんなじように 
ひとつの大きい影を背負って 
流浪の旅路を歩いています 

木造校舎の開いた窓に 
手を振って ....
シャボン玉に
うつした顔が
空を舞い上がる
はじけると
わたしは幼く
母の布団の中にいる
目覚めると
またシャボン玉が
空を舞っている
水でも風でもあるものの声
川の流れの先へと映り
海鳥の狩りに溶けこんでゆく


夕暮れも鉄もざわめいている
うすくのびた
草と道の汗
姿のない揺れと声


野の錆が鳴 ....
歩いている
ふつうの
新聞見てる難しい顔で
ふつうの
真っ黒いおっさんや白いおっさん、
ハゲのおっさん、白髪交じりの、足の悪いおっさん、
画面を皆で見る、
自転車は走る、 ....
底なしの真っ黒な空に
銀色の鳩が
ゆっくりと堕ちてゆくよ

小さな子どもたちは
遠くに旅立つ準備を済ませ
みんなで手をつないで
風に向かって立っている

大人たちは
かすれた口笛を ....
心から重荷を取り除けない 
無気力な秋の日 
よい本を探しに本屋へ歩く 

背後の空から 
何者かが舞い降り 
わたしの髪にのったので 
{ルビ咄嗟=とっさ}に手を出し振り払う 

 ....
「待っててね」
って、そう言われたあたしは

・・・待ってるわ
心の中でそう答えながら
じっと長いこと此処で佇んでいた

何処から現れたのか
黒猫がね
足元に擦り擦りしながら
あた ....
レモン油にうたれ
泳ぎぬける頬白鮫
少年とケンカした後のように
胸の痛みを背で弾く

時には表情をくずせばいい
恥ずかしい格好で
私が下から足でこづいてあげる

知らない 
    ....
茅ヶ崎の海を憶えていない
浜見平保育園も
それから後の二宮の
梅花保育園のことも
みんな憶えていない

母にきけばあの頃
ひとりで保育園をぬけ出し
街中をさまよっていた
こともあった ....
わたしは怠け者であるゆえに 
連休前に風邪をひき 
おまけの休みの時間のなかで 
らんぷ一つの寝台によこたわり 
両手に持った本を開いて 
在りし日の 
詩人の哀しみを読む 


  ....
そこはいつも
清潔な湿度と
せつないじゅうりょくの
香りにみちている

身ごもったおんなたち
髪を横に束ね
しずかにもたれている
雑誌をうつくしく取りだし
うつくしくめくる
とろと ....
ヤだよ。

俺の心に開いてるのはピアスホール程度の小さい穴じゃ無い。
なら心ごと噛み千切ってくれ。
俺を傷つけて良いのはお前だけだぜ。
らんぷ一つのテーブルに 
湯飲みはひとり 
ねじれた影をのばして立っている  

窓の外から聞こえる 
鐘の音や鈴虫の唄
歪んだ唇を開いた{ルビ縁=ふち}からすいこみ 
器の形のままに入 ....
 
 
あまりに静かなので
どうしたものか
耳を澄ますと自分が
階段になっていることがわかる
踊り場には
温かい春の光が落ちて
多分そのあたりに
思い出はあるのかもしれない
遠くで ....
湿ったソファーに沈みこんだ
少女の
くちびるからもれる
母音の
やさしいかたちを
泡にして
水槽のふちに
浮かべている

*

贈られた模型を
にこやかに受け取り
持ち帰って ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ただ走って- いまじん自由詩7*07-10-12
電車ごっこ- yo-yo自由詩8*07-10-12
「_ほねつぎ_」にて_- 服部 剛自由詩7*07-10-11
拝啓、君は元気ですか- たもつ自由詩36*07-10-11
ポスターカラー- 1486 106自由詩3*07-10-10
気ままな散歩- Porter自由詩2007-10-9
葦間さんの旅日記その4- mizu K未詩・独白307-10-9
おひとりさま- ふぁんバ ...自由詩22*07-10-8
again- ふるる自由詩16*07-10-8
メドゥーサ- umineko自由詩3*07-10-8
牛車の旅- Souko自由詩207-10-8
季節の散歩術- 岡部淳太 ...散文(批評 ...507-10-7
人生ノート- 小原あき自由詩24*07-10-7
[:Holiday- プテラノ ...自由詩1*07-10-7
空の映写機_- 服部 剛自由詩607-10-7
山下_清_- 服部 剛自由詩7*07-10-7
スナップショットで写した空- 小川 葉自由詩5*07-10-6
波応響軌- 木立 悟自由詩507-10-5
ふつうのおっさん- ヨルノテ ...自由詩6*07-10-5
おやすみ- 大覚アキ ...自由詩5*07-10-5
虫の信号__- 服部 剛自由詩207-10-5
—時間の扉—- 九鬼ゑ女自由詩107-10-5
海の少女_Here_she_comes- 木葉 揺自由詩6*07-10-4
迷子(幼年篇)- 岡部淳太 ...自由詩9*07-10-4
風の顔_- 服部 剛自由詩707-10-4
にんぷ専用車両- 佐野権太自由詩14*07-10-4
ピアスホール- 榊 慧自由詩4*07-10-3
湯飲の影_- 服部 剛自由詩507-10-3
返事- たもつ自由詩28*07-10-3
大人の遊びかた- 佐野権太自由詩10*07-10-3

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