オイカワとは鯉科の淡水魚で、産卵期の雄は虹色に輝く。それはあたかもペットショップの水槽で泳ぐ熱帯魚のようである。主に河川の中流や湖に生息している。
 私が初めてその実物を目にしたのは、富士五湖の最 ....
子守唄のおかげで眠ったばかりの男が、
夢の中でも子守唄を要求している―

部屋の中をさまよっては壁にぶつかり
青白い火花を散らすブリキのこうもり。
それと一緒に地下室にしまわれていた、
未 ....
昨夜の飲み会で終電を逃し
駅前のネットカフェに泊まり仮眠を取った

リクライニングの個室で夜明け前に目が覚めて
出勤時間よりも一時間早く職場に着いたので
シャワーを浴びた後
休憩室の畳の上 ....
青い空

空と大地の狭間に風が舞い
生まれた言葉たちが
透き通った身体で浮遊する
指の先で感情と水蒸気のバランスを測り
言葉の記録簿に記していく

黒い雲

心の急激な気圧変化に
 ....
僕の隣に
見えない女が座っている

11月に入って床は冷たい

僕がひざを抱えて座っていると
隣で女もひざを抱えている

見えない女

たぶん
見えない鳥だと思う
A!ワイフェンバッハの暗示がアル!亜湿度のアシッドネオンの廻天ト!

*leunon(草花ニ)
瞑想プディッシュに活ケル(ト音の)ピアニ花-駆るジュー夢、Ar
浴槽でのSuiな迷走譜 独唱ト ....
ベランダは東向きだから
朝はとても眩しいよ

  彼ね
  厳しい審査の結果
  高得点で合格しないと見せないよ
  足の親指を齧ったあとの
  くりん、とキャット半回転

  もう ....
僕が以前働いていた特養で十三年生活していた
身寄りのない K {ルビ婆=ばあ}ちゃんの告別式が老人ホームで行われた日の夜
他施設との懇親会が行われ、
僕は「はじめまして」とテーブルについて
「 ....
不在となったおれの胸の空(くう)に
ひとつの透明な実が生った

痛んだ言葉の残骸の中で
実は紅くなろうとすればするほど
その身を透かし
艶やかな肌を揺らしている

もう じっとしていろ ....
子供が
消えて
雲と、雲以外のものの境界が
曖昧になってゆく
遠い飛行機の轟音と、鼓膜とが
混同されてゆく
昼なのか、それとも
冬なのか
子供は
過ぎる為に走るのだっ ....
#71

 ジョン、あなたに会いたかったです。



#72

 にんげんだもの
 わけもなく
 ピー
 ってさけびたくなる
 そんなときって
 あるよね

 ねぇよ
 ....
初めて君の部屋に行く約束をした日
深夜 セブンイレブンの前で待っていると
千鳥足の君がぷらぷら手を振りながら現れた
知り合いの家でワインととびきり新鮮な金目鯛の刺身を頂いたそうで
アルコールの ....
太陽が落ちていく頃に みんなは何をしているんだろう

元気な子供たちは 家に帰り 夕飯をたのしみにしている

恋人達は 今からが楽しい時間

僕は あの人を 想い切なくなる

鼻歌の一 ....
つまずいてばかりの日々にうつむいて
ちぢんだ心を{ルビ潤=うるお}す
水の湧き出る場所を探し歩いた

立ち止まり シャベルで穴を掘り続け
気がつくと
静まり返った暗い穴底にひとり

小 ....
たった一つの君は
風のように吹いているが
たとえば
コートのフードを躍らせたり
トマトの表面にとどまる水滴に光を与えるとき
微かな掌の温もりに似た質感を残していくのだ
そう 僕らは ....
雲ひとつなく秋晴れの空

父の運転で越えていた峠も
いまならば
自分の運転で越えられる

アクセルの踏み加減でスピードを調節
ブレーキなんか踏まない
でも
思いの外カーブは厳しい ....
月を見ています

あなたは今夜
月を見ていますか?

それは
鉄塔の上に見える月ですか?

それは
杉の大木のてっぺんに見える月ですか?

それは
電線の間から見える月ですか? ....
朝日新聞が降りそそいでくる夕べに
お茶をのもうとして
ぼくは
お茶がないことに
気づいて
原稿をおいて
タバコすった
今日は
出かけなかったんだ
朝から

そうして弱火で ....
信じるものは
必ず裏切る
その
摂理を許しながら
壊れたものは
壊れたまま流される

暗闇が
暗闇のまま発光するように
欠けたものは
その空虚を慈しむ
欠落は甘い
それを知るも ....
まっすぐな姿勢で、書きなさい。

こんな忠告とともに、身体の歪みを矯正して
くれる機械があったら、私はそれに従うだろ
うか。椅子の背もたれの部分に備えつけられ
たセンサーが、座っている者を背 ....
シャンプーハットをかぶる男の髪が、
全部抜け落ちてしまえばいいのに―と、
ドリスは星に願った。次の日、その男が
頭を掻くと髪がごっそり抜け落ちた。
ドリスは彼が風邪をひかないように
毛糸の帽 ....
その公園にはたくさんの小僧がいる。
「ハナタレ小僧」に「ヨダレ小僧」
「お漏らし小僧」に「汗かき小僧」のせいで
地面はビッショビショ!
芝生が枯れるわ臭いわで、たちの悪い動物園みたい。
人足 ....
僕の魂は丸いサイコロのよう―
生まれた時は四角だったが、
成長するにつれ丸くなっていった。
そしていよいよ丸くなったサイコロは
「何歩進め」などと伝えることなく転がり続ける。
きっと砕け散る ....
浮遊するのは 短い 手である
切り取られている それらは
いなくなった 僧侶であり
僧侶の 泥の数珠である

浮かび上がるのは 指先である
アスファルトの 教義に
道徳の 邪 ....
 
 幼き頃
 大事なおもちゃは全部弟に取り上げられた
 母に話してもお兄ちゃんだからがまんしなさいと言われた
 よく妹をいじめて遊んだ
 そのころの楽しい思い出が僕には全然ない
 家庭の ....
「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」
「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」「るる。」
「るる。」「るる。」「るる。」「 ....
老人ホームの廊下にぽつんと置かれた
老婆の横たわるリクライニング

動かない首をギブスで固定され
閉じた瞳を{ルビ顰=しか}め
入浴の順番を待つ

「{ルビ今日=こんにち}は」

 ....
見つめ合ってみたの
なんの得にもならないって
わかってはいたけれど
亀のお尻はかわいいねって
言いたかっただけ
夕暮れ時に
かち合ったのが
運のつきね
家屋は言葉のように
優しく朽ち果てていた
時間があればそこかしこで
両親は笑顔を絶やさなかった
幸せな玄関ホール
その壁には今でも
兄と私の指紋が残されていて
静かに機械の匂いが ....
羽のついたボールが
キャッ、キャッ
といいながら落ちてきた

「ほらね僕にだって飛べるんだ
鳥になったんだよ」



「あのね、それは飛んでるんじゃなくて
落ちてるのよ。 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
オイカワ- MOJO散文(批評 ...3*05-11-19
子守唄- プテラノ ...自由詩2*05-11-19
へろへろランナー_〜_いつかの僕との伴走_〜- 服部 剛自由詩10*05-11-18
「手のひらで風呑む人」- shu自由詩405-11-18
見えない鳥- チアーヌ自由詩305-11-18
LANA#6- 六崎杏介自由詩2*05-11-18
猫の結婚記念日- 銀猫自由詩11*05-11-18
白い花に囲まれた寝顔_〜_K_婆ちゃんに捧ぐ_〜- 服部 剛自由詩11+*05-11-17
「鬼の実を喰らう」- shu自由詩105-11-17
設問ごっこ- A道化自由詩13*05-11-17
フラグメンツ_#71〜80- 大覚アキ ...自由詩14*05-11-17
「晩夏」- shu自由詩205-11-17
夕暮れ- renchu自由詩3*05-11-17
「井戸の底」- 服部 剛自由詩13+*05-11-17
ブラックボックス- たもつ自由詩10+05-11-16
天高く- 千波 一 ...自由詩20*05-11-16
あなたの月- チアーヌ自由詩205-11-16
出かけなかったんだ- 石川和広自由詩5*05-11-16
墜落- いとう未詩・独白8*05-11-16
優しい機械- 岡部淳太 ...自由詩10*05-11-15
『ドリス、優しくて』- プテラノ ...自由詩2*05-11-15
「公園」- プテラノ ...自由詩2*05-11-15
丸い、サイコロ- プテラノ ...自由詩1*05-11-15
浮遊した土葬- 奥津強自由詩9*05-11-15
半生記- 炭本 樹 ...未詩・独白5*05-11-15
るる。- ふるる自由詩5*05-11-14
茨の冠- 服部 剛自由詩9+*05-11-14
梟と猫- チアーヌ自由詩205-11-14
優しい機械- たもつ自由詩3105-11-14
なんでもできるはずだけど- 初代ドリ ...自由詩6*05-11-14

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