5 空

風がやけに激しい
気になって
窓を開けてみたけれど
陽射しはおだやかだ
柿の葉が時々かさかさ揺れる
以外に
なにも聞こえない
 ....
天女様の羽衣は
潤んだような
緋色でないといけんのですよ

『{ルビ緋竹=ひちく}の王妃』―羽衣―

其の天女の人形が気に入ったですって?
はあ
お客さん
お目が高い
珍しいんでご ....
少し大きな動物が
足元に横たわってる
景色にあるどの線にも
斜めになって
昨日からの続きのように
滑らかな呼吸をしている
その鼻先から
しばらく行ったところを
とうがらし売りの少女が
 ....
たいしたことじゃない
季節の変わり目に強がって
いつも風邪をひいてしまう
そんなもの
僕が消えた夜は
あの人はなんて優しかったんだろう
なんて泣き屋は呼ばなくてもいい
きりぎりす
 ....
現在という塊の中から
わたしの輪郭だけを残して、わたしが
蒸発していく
夕暮れの空は赤く発光し、届かない高さで
じっとして居る
いったい、わたしは何に忘れられたのだろう



浮遊す ....
ループを拡げて拡げ切ったその先にあったのは……
白く輝く 暖かい光の大きな河だった
 昨夜の「ぽえとりー劇場」のオープニングは、京
都の若き詩人・choriさんの詩を読んだ。最近
現代詩フォーラムで彼の素晴らしい詩を読んだので、
「ぽえとりー劇場」の幕開けにもふさわしい詩の内
 ....
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070919/135317/

http://business.nikkeibp.co.jp/fb/ ....
雨の名残は道の脇だけ
夏の名残は枯れた茎だけ
出した手紙の返信気にして
閉じたまぶたに弱気が群れる


携帯電話をいじくっていると
未整理のアドレスで肩が凝る
慣れた名前を ....
ひとつふたつと
どんぐりの実を数えながら
息子は
年の数をおぼえた

ぼく みっつ

小さな指で
小さな生き物のような木の実をつまんで
みっつの命をならべていたが

あっというま ....
受容のその一言を得るがため 苦渋の部屋の
戸を開き 語意の裏の裏を読むに勤しむ 部
屋とは即ち余地に他ならぬのか 心を配ると
は誰の安息のためか 心を働かすとは 何の
ための機知なのか 「見え ....
                        4 涙

あたしの名前を告げた
相手は
品のない言葉を何度も何度も
うれしそうに並べ立て
思い出したように奇妙な息遣いで笑い
かと思うとと ....
この時代、未熟な力が求められている。いまだ生まれえない、いつ
までも成長することのない力。たとえば秋のにおいのする草原に行
けば、妹という名の下にそれはごろごろと転がっている。妹のやわ
らかさを ....
さみだれてゆく花びらのかたちをした石たちが
ころころとうまれたてのこどもの涙のようにながれていって
さんさんと光をはんしゃしてはわれわれのあけた穴をうめもどしてゆく
かいつぶりたちのおばねが風に ....
電車の窓の向こう側の、外の風景のその先
右から左へと過ぎ去っていった心象の中に
少年の頃の自分が口をパクパクさせて泳いでいる
僕は餌なんか持っていない、それなのに
少年の頃の自分が口をパクパク ....
全てを飲み込んで許し
傷つけ吐き出す


片足がほろんでいる男の
肘にぶら下がる女

際限なくせばまり風にうずまく砂は
常に何かを形作ろうとし瞬間
走るように崩れ去り
うめきすら ....
産まれて来なきゃ よかったと
なんども なんども
いのちを呪った

だれかの死刑のニュースが流れるたびに
うらやましいと思う日々

だけどいま

子どもを産みたい
子 ....
本当の入り口はどこだったのか
わかったのは
いつだったろう

どこまで上昇しても
融点はなく
波はひきかえしてゆく
そうやって
のまれても、のまれても
打ち上げられるしか
なか ....
{引用=
それは久しぶりに口を開けたのでケーキをつっこんだら美味しそうに食べた
長年口だと思っていたが呼吸もしないし食事もしないので不安だったのだが
こうなれば他に食べるものも調べたいと思ってた ....
晩夏の草むらに足を踏み入れると
かわいた空気がひび割れて
よれた、真っ白いシーツが敷かれ
見たことのない男が横たわっている
あばらの上には、何本もの{ルビ径=みち}があり
そのどれもが、わた ....
夜な夜な

開けてみる

夜な夜な

取り出してみては

様々なシチュエーションを想像しては

あるいは

過去の思い出に浸ってみては


   ほくそ笑み

ついに ....
 出会ったのは夏のこと。それから、秋になるまで歩きつづけた。何も持たずに僕らは歩いた。夕暮れから夜になるまで。砂を踏む足音はやがて、乾いた枯葉色に染まっていった。 

 荷物を持たずに歩く僕ら。足 ....
もうダメなのかもしれませんが…
とりあえずみなさん、これ読んでください。
『詩学』バックナンバーのぼくのお薦めは、伝説の「西脇セミナー」と
いうのがあって、西脇順三郎さんと詩人が集まって、『Am ....
わたしがまだずっと若くて
恋を信じていた頃のこと
大好きな恋人に
捨てられて
それでもしつこくして
嫌われて
あんなに好きだって言ってくれた人が
変わってしまったのが
どうしても信じら ....
いらないものがおおすぎるんだ
ねえ私たちは


両手でそらをはかろうとする
出来ないよ
できないよできないよ
わかってるのに希望をすてない
あしをとられて倒れこむ
砂地 ....
ドガは悩んでいた
 俺も詩ぃ書いてみたいんやけど
 なんかこう、湧いてけえへん
 インスピレーションっちゅうのかな、ようわかれへん
と、マラルメに相談した

マラルメはなめらかに答えた
 ....
舗道
天象儀
展開
コロイド
眩暈

砂時計
遡及
吊り橋

覚醒
シグナル

郵便船
記号
万華鏡
平行線
庭園

シナプス
散乱
フェンス
溶解

 ....
夕焼けなんてなくなってしまえばいいとおもう。昼と夜
をへだてるものをなんとなくつないでしまう、そんなち
ゅうとはんぱな橋は、星からやってきたぬすっとにくれ
てやるか、三日月のくらいぶぶんになげこ ....
北東の風が、強い。
雲は千切れ、崩れていく。
思ったより遠く、ずっと遠くまで、
走っていた。

(誰もいないグラウンドに立ち、空の箱を投げる。誰もいない。投げられた衝撃で箱が開
き、そこか ....
夕刻の鉄道駅では
通勤客の
ポーカー
フェイス達が
ごった返していて

自動改札機に
ようやっと
迎えられ
財布から
定期券を
ジョーカーを
引くように
取り出し

鉄道 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- アンテ未詩・独白507-10-24
緋竹の王妃- 蒸発王自由詩2*07-10-24
少し大きな動物- たもつ自由詩907-10-23
冬になれば野たれ死ぬだけのキリギリス- AB(な ...自由詩307-10-22
輪郭、その曖昧な、- 望月 ゆ ...自由詩33*07-10-22
ループ- 長谷川智 ...自由詩3*07-10-22
詩人・一期一会〜chori氏「賛歌」に見る_幸せの在り処_に ...- 服部 剛散文(批評 ...4*07-10-22
農家切り捨て論のウソ、の嘘- はらだま ...散文(批評 ...16*07-10-21
ごらんよ、呆れかえるぐらいあざやかな朝じゃないか- ホロウ・ ...自由詩16*07-10-20
どんぐり- yo-yo自由詩8*07-10-19
焦れる- clef未詩・独白1*07-10-19
- アンテ未詩・独白207-10-19
妹のはじまり- 岡部淳太 ...自由詩6*07-10-18
(無題)- キキ未詩・独白307-10-18
レールの上- 結城 森 ...自由詩4*07-10-18
砂丘- ふるる自由詩21*07-10-18
新しいいのち- 池中茉莉 ...自由詩1*07-10-17
- 石畑由紀 ...自由詩1207-10-17
それに関するいくつかの事象- ピッピ自由詩607-10-17
径(みち)- 望月 ゆ ...自由詩20*07-10-17
宝石箱- 北村 守 ...自由詩2+07-10-15
無題(出会ったのは夏のこと〜)- カワグチ ...自由詩507-10-14
詩学社を救え!- 角田寿星おすすめリ ...28*07-10-14
幸せの土壌- チアーヌ自由詩507-10-14
少女たちと海について- アオゾラ ...自由詩8*07-10-14
ドガガガガ- 楢山孝介自由詩2*07-10-14
メモランダム- 塔野夏子自由詩6*07-10-13
かんかく- 岡部淳太 ...自由詩5*07-10-12
中空- 月見里司自由詩307-10-12
足あとⅠ—鉄道駅を降りてから—- りゅうの ...自由詩5*07-10-12

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