とても遠いところに
家族がいる
つまり今は
一人で暮らしている

自分以外にしない
呼吸の音を
耳をそばだてて
一人聞いている

父も母も
兄弟も姉妹も
そして友さえも

 ....
ぬばたまの闇の髪持てる乙女よ
汝が思ひ出の道をたどれ
我が元に来たれ我が元に戻れ
汝に相応しき唯一つの生を求めよ

漆黒の夜の瞳持てる乙女よ
我が娘らと楽しき鳥屋に宿れ
我が娘らと唄ひ踊 ....
機関車が吐いた雲が
今日はめずらしく
空になっている

そのはるか上層部で
空はやわらかく
諧調をなして
やがて海が広がっている

海は黙ったまま
何も言わずに
ただ海であろうと ....
{ルビ後=ご}にまわり我の影、という君がいて 君に見えざる影 我にあり


『君がため』 粘土で出来た{ルビ人形=ひとがた}は受け入れがたき奇形児となる





夕焼けに踏みだす我 ....
妻との空


コーヒーハウス
霜月の昼
コロッケ・ピラフ
翻る女さざめく
雰囲気になじむ

美術館
妻と二人
平山郁夫語りあい
笑い声
あれは女だ

アサヒスーパ ....
復想園          批評人
  (1)
 
悪魔の子は或る夜、スラム街の一室に泊まった。父の悪魔がなした永年の悪の業を見て廻った後、有名なそのスラム街のそれも最もひどい宿を撰ん ....
                        11 血

いってきます
の合図に
ドロップの缶を三回振る
テーブルに置くと
それは部屋の一部分にもどる
吐いた息も
まばたきも
 ....
いつもなら
真横から朝日を浴びる時間に
ライトを点灯させた車が
飛抹をあげて通り過ぎていく
ふいに
まだ夢が続いているような
不安にかられる

クレーンを折り曲げた重機が
ごうごうと ....
母は
今も悔やんでいる
父が逝き
毎日
毎日
こんなにも悲しいのに

泣けないのはなぜだろう、


私もそうだ
父の
いるべきそのあたり

ふすまを背にした
低い食卓
 ....
 街角には、白い柱が一本立てられている。象牙の色のなめらかな小さな突起に覆われ、大人が手を回しても少し届かない程度に太く、もたれるのにちょうどいいへこみがいくつもあった。 手を触れると、人によっては柱 .... てぶくろ。モッズコート。
猫色の毛。革製品。
なんでもいい。あったかいもの。
骨の芯がやわらぐように、ラベンダー、ローズ、花梨、スーッとする匂い。甘く拡がる匂い。
アロマ。揺らぐほのお。
静 ....
スローモーションで放たれる
微細なスプレーのように
思念の粒子を空中に固定して
一粒づつていねいに色を投射してゆく
集中力を切らさないように
点と面のそれぞれに
力を加えるバランスを意識し ....
ああ
そこの
ここからそこの
すみずみまで
感じている生命よ

あなたのそこの
感覚鋭く
ときには鈍い
生命よ

わたしは悲しい
青い鳥
空は命に溢れても
この地上の
 ....
雪が降る
その国に
女が積もる

という字の形をして
組み合わさって
結晶を構築して
やがて
細い
細い
洞穴となる
思春期のこと
その奥の奥
たどり着いた先に
赤ん坊が ....
乾電池が足りない
と昨夜寝言を言ったあなたは
夢の中で久しぶりに
何を作っていたのだろう

今日は朝から雪が降ってる
あなたの故郷のように
たくさんではないけれど

もう誰も
あな ....
灰色
のカスがらせんにおりてくる
と同時にカラスがゴミ箱から食う物をうばい
尖った爪にマックの包みがひっかかり上がっていく
誰もいない閑散としたアーケードに音がすいこまれて
何も無 ....
「トイレはどこですか?」 

細い目をぱちりと開き 
丁寧に差し出す手のひらで 
トイレの場所を教えてくれた 
美術館のスーツを着た女の子 

チャックをしめて 
トイレから出ていくと ....
どーっちだ
これ
これと


どっちかなー
これ
これ


えっとー
んー


えーっと
も!
これ!


どっちかなー
これ
一月前に倒産した
詩学の社長の寺西さんが
事務所の布団に横たわったまま 
十日前にこの世を去った 

様態急変による 
脳内出血であったという 

三年前の「青の日」で 
互いの詩を ....
私が泣いている
私が死んでしまったので
あんなに手塩にかけて育ててやったのに
小さな頃はあんなに可愛かったのに
どうしてこうもあっけない
未来がぱちんとはじけてしまう
私のいないこれからを ....
 
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、


着席する、石は、
水、ではなか ....
元気ですか
そういってメールを打つと

少し
微妙な間隔で

クタクタ
風邪 ひいたみたい 
って

そんなこと
聞きたいわけじゃない



元気ですか
もう君もわか ....
幾度も、なんども
夢から覚めると右手にアクセルの感覚と
四天王寺から日本橋へ車線変更
遠く、象の鳴き声を聞くのです
松屋町筋へ曲がるという
思い出のような物語はいりません
ビル風に吹かれて ....
浸された水は
つめたく
ねがえりもできないほどに
なぜか凍みたまま
あの人ごとをさらって
いって

かなしい
のふちにいるあの人
たしかにいかされ、芽生え
一つの
さむさの中にい ....
図書室のソファーで 
隣に座る青年が手にした 
テスト勉強のノートを
ちらっと覗く 

問6 

「(第九)という代表曲を作曲した 
  音楽家は、次の内誰か答えよ。 」 

   ....
深夜の路上に
空き缶がひとつ
ぽつりと立てて置いてあった
こおん
とけっとばしてみると
そこいらじゅうから
わああああ
と逃げてゆく子供らの声がして
にわかに恐ろしくなったものの
わ ....
背中でみず色をうたっている
こんなにも乾いているから
詩のたましいを“ふたあつ”もつ子の
みずのうた

誰もいない広場に
けやきやいちょうが積もっている
小さなひざをミルフィーユに沈める ....
どこまでも伸びていく高層ビル
の死体が落ちていた
凶器の不完全な空が
垂直に突き刺さっていた

その空は途切れ途切れに
けれど果てしなく広がっている
という噂話を
人々はこよなく愛 ....
 
  

あそこで
庭木の手入れをしているのが父です
もう随分彼は
そこから動かないので
毎日
朝夕の水遣りをするのが
私の日課です

週に一度
伸びすぎた腕や増えすぎた首の ....
切なくなるなら、その名前を呼ばなければいい。
悲しくなるなら、振り向かなければいい。

ハルシオン飲んで寝なきゃ。
ネルボン飲んで寝なきゃ。
ロヒプノール飲んで寝なきゃ。
テグレトール ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
家族- 小川 葉自由詩207-12-15
キシキルリルラケが乙女に唄ふ唄- 佐々宝砂自由詩307-12-15
機関車とくじら- 小川 葉自由詩207-12-14
マグマ- 石畑由紀 ...短歌507-12-14
「妻との空」- 生田 稔自由詩407-12-14
「復想園」__- 生田 稔散文(批評 ...1*07-12-14
- アンテ未詩・独白407-12-14
雨の街、雪の橋- 佐野権太自由詩15*07-12-13
日時計- umineko自由詩9*07-12-13
なにかの柱- リーフレ ...自由詩307-12-13
And_concept.- かのこ未詩・独白307-12-13
虹をつくる- 大覚アキ ...自由詩207-12-11
生命よ- 小川 葉自由詩307-12-11
スノードーム- 小川 葉自由詩207-12-11
スノードーム- たもつ自由詩1307-12-10
ヒカリ- モリマサ ...自由詩8+07-12-9
牛乳の糸_- 服部 剛自由詩4*07-12-9
にさいのぽえむ- フクロネ ...自由詩2+*07-12-9
密葬の夜_〜青の日〜- 服部 剛自由詩607-12-9
私が死んでしまったので- 若原光彦自由詩407-12-9
- 石畑由紀 ...自由詩13*07-12-9
星座の街- umineko自由詩7*07-12-9
RZ250、時刻は夜明けの2時間前- たりぽん ...自由詩7*07-12-9
siberia- しもつき ...自由詩3907-12-8
宇宙のうた_- 服部 剛自由詩607-12-8
かんけり- 吉田ぐん ...自由詩1407-12-8
みずのうた- たちばな ...自由詩8*07-12-7
証拠- たもつ自由詩1207-12-7
乾いた池の畔- 川口 掌自由詩11*07-12-6
リアルライフ・スーパーノヴァ。- 菊池ナン ...自由詩4*07-12-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512