木蓮の花は
{ルビ宇宙=そら}を見上げる



『木蓮の咲く丘で』



花木好きの彼は
木蓮の花が一番好きで
白く甘い芳香が
中途半端にひらいた花びらから立ち上るのを
まる ....
身近なものに世界という名前を与える
だから私たちは世界を知っている
世界という名前を与えた私たちは
神である







おのおのが良いと思う形で祈り
 ....
あ。あ。ある。どこか。海の上、
茫漠の船中。穢れを知らない姫
ひとり。口から汚物を出す姫の
歌声の波間。いななき、いなな
き、否、泣くのは最後にしてお
く、真珠いろの涙。沖を包むパ
ラフィ ....
 
デパートに難破船が漂着する
甲板をいじくり
あなたは指の先を切った
立体駐車場から汗など
生活、の匂いがする
立体であることはいつも淋しい
家具売り場でかくれんぼをしている間に
誰 ....
安らかに眠っていた牛が
Mooッと一声高らかに鳴いた

月には一文字足りないけれど
無知蒙昧で顔をまんまるに膨らませ
危険を回避する為に電化していく家の隣で
しれぇっと天然ガスを汲み上 ....
The world owes me nothing. I didn't ask for beauty and I wasn't expecting it. But there it .... 夏の朝
とうもろこし畑の中に溶けてみた
一直線に並んだ黄緑の
甘い匂いが夏だった
気づけば夏の中に溶けていた
黄色の穂先から見上げる青空は
水を見ているようだった
土から湧き出る水蒸気が ....
流れていくのは
いつも昔のもので
西でギラリと
湾を満たすものは
せめて夕日に
清らかに染まろうとする
 
夜の寒さなど
思うこともなくながめていた
港を出て行く
貨物船の短いマス ....
最近どうにも足が疲れて疲れて仕方が無いので病院に行くと
一応疲れていますねと診断された
一応と言う言葉にむっとしたが
いやそれは最初から分かっているのですが
原因が分からんから調べて欲しいので ....
夢を見ていて悲しいことがあると
純粋に悲しい感情だけが高まって
夢の中で
押しつぶされそうになってしまう
そんなとき
胸の上の猫を払い落とせば
急に楽になれる
目を覚ますと
猫のいない ....
呪文を となえれば
砂の虹が くずれる
言葉の なきがらを
なきながら ふんで
風の道に とどまる
鱗が一枚一枚
剥がれ落ちるように
今はまた
別な種類の魚になって
あなたを飼うことに
とても忙しい

引き出しを開けると
テーブルと水草がないので
ホームセンターへ買いに行く ....
夏も近づく梅雨の晴れ間 
老人ホームのお風呂場に 
次から次へと送り込まれる 
体の動かぬお年寄り 
丸い背中をごしごし磨く 

自分の姿を鏡を見ると
いつのまに 
ずぶ濡れのTシャツ ....
{画像=070629164751.jpg}


我が家にもドラえもんがやって来ました。
否、唐突に未来からやって来たのは、ドラミちゃんのほうでした。
未来というよりもそれは、空きチャンネル色 ....
あの時
「ごめんなさい」と言えなくて
けれどもその後
勇気を出して言いにいったけど
君はもう帰ってしまった

あの時
「ありがとう」と言えなくて
けれどもその後
がんばって言おうとし ....
ごみ捨て場に
ものさしが捨ててある
とても使いこなされた
古い単位のものさし
やはり捨てないことにしたよ
と父が来て
拾いながら横目で
お前のものさしはいいな
と言った
二人にはまだ ....
 ニフティのF文学(文学フォーラム)には、『いまのは倶楽部』という短歌・俳句の会議室があり、私はそこで読み書きをしていました。
 私が参加しはじめたころは、発言数は一日四つか五つくらいだったでしょう ....
コップに水を満たす


ごくり
夜のなかにひろがる
水域


遠い水を飲みこんでは吐き出す
夢のそとへ
背泳ぎで渡る


水が満ちる
遠くまで水が満ちる
とう ....
虹がミドリで怖い
茶色がミドリで怖い
喉の奥がミドリで怖い
目を瞑るとミドリで怖い
近所の肉屋がミドリで怖い
ドアを開けるとミドリで怖い
黒塗りのベンツがミドリで怖い
彼女の浮気の言訳が ....
恋をするなら
声の素敵な子猫を飼って
恋しい 恋しいと啼かせます
一人の夜に膝に抱いて
小さな頭をやさしく撫でて


恋をするなら
おろしたての靴を履き
街をあてもなく歩いてみます
 ....


昔、三人の男が互いに足の速さを競っていた。最年長の男はやがて体力が落ちてきて競争から脱落した。だが彼は、健康のためにいつも歩き続けることを自分に課した。凡庸な男はやがて自分の才能に見限りをつ ....
てのひらから青い地球がころりとこぼれ落ち
てしまったので、園児たちはみなぽかんと口
をあけて空の穴を眺めていた。外は真昼で季
節外れの台風のように雨が降っている。降っ
ているのに空は晴れている ....
こんなときだから
あなたのこと
思い出してみる

洗いざらしのティーシャツ
良く似合ってた

防波堤にふたり
たたずみ
いつまでも夕陽を眺めてた

はにかみ屋さんで
口下手で
 ....
スイッチを入れて
ゆっくりとまわり出す
瞬間が恋だとしたら
スイッチを切るまで止まらない
換気扇はいったい
どれだけのため息を
換気しなければならないだろう
と、扇風機が
首をふりなが ....
隣の家の畑から
一輪の花が
「おはようございます」
挨拶をした

それは隣の家の
おばあちゃんの声に
そっくりで

腰は少し曲がっている
お辞儀草みたい
ちょん、と触ると
にこ ....
すべてが逆転するという学説もあったんだそうだ
時間さえ逆行するとも言われていた

じゃあぼくたちの親が
冷凍棺桶から起きてきて
またぼくたちを叱ったりするのかな
そしてぼくたちはまた小さく ....
こんなことがあってね
あんなことがあってね
生活がどうにもならなくてね
愛した人と別れてね

こんなことができなくてね
あんなことが叶わなくて
考えに来たんだ ....
JAROって何じゃろ?
これは切実な問題だ

すこぶる切実な問題だ

私はこのしょーもないシャレと30年間格闘してきた
JAROって何じゃろ?
答えはわかっている わかりきっている
問 ....
結局ここまで21人の女の子と付き合い同じだけ別れた
俺は気にいった赤ワインを何本か手にしていた
皆、個性的でチャーミングだった
どの子も自分の人生を目一杯に楽しんでいるように見えた
残念 ....
ガタン、ゴトン
朝の満員電車の中で
整然と並んだ大人の人たちが
揺られています

吊り革につかまっている人たちが
各々の吊り革を
舐め回すようにじっくりと
見ています
 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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1家に1台ぜひ...。- 散文(批評 ...5*07-6-29
もう君はいない- ぽえむ君自由詩25*07-6-29
ものさし- 小川 葉自由詩1107-6-29
パソコン通信の思い出_3- 渦巻二三 ...散文(批評 ...1207-6-29
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