空はどこまで
ってきく君の
求めている答えは
わかっていた
あのとき
君の肩は細くて
花びらを
青い水に散らして
一文字ずつ撹拌する
結実してしまうものが
何もないように
....
世界を捉え直すために
空を飛ぶ
風を感じる先に開けた風景は
僕を何処に導こうとするのか
星が綺麗だ
どこまでも視線を遠く投げて
どこまでも行くことができる気になっている
なく ....
朝露の滴る草むらに横たわり
私の身体はがらんどうなのに
脈を打っていた
温もりもわからず
コロンカラン コロンカラン
流した涙は
冷たい石のような音を立てて
深い井戸に落ちた
....
ないのに 夕焼けで会ったことなど
どうしてか思い出す 燃えゆく空の淡い茜
いつまでも
あの空のようには交われない
炎と 水とは 触れたその時に 離れている
優しさは きっ ....
「カタクチイワシを一言で言い表すのは難しい」
爺さんがそんなことを縁側で呟いていたので
爺さんに聞こえるよう
「ニシン」
と呟いて宿題をするために部屋に戻った
部屋の勉強机は窓の手前 ....
夕暮れ
みんな家路に帰ろうと
一人ぐずぐず
オニのまま
悔しいままで
夕日を睨み
そのまま暮れて薄暗く
ぽつりぽつりと街灯が
道をぼんやり照らす頃
オニも泣き顔拭かぬまま
....
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる
その帰 ....
ふと鏡にうつる
その男を
街にやってきた頃
わたしは見ていた気がする
街に来た母と
ある居酒屋で飲みながら
いつか海外旅行に連れてってやると
豪語した
そのカウンターの ....
うちから少し歩いたところに住宅街があった
大通りから出る七本の細い道で構成されており
それぞれの道には一号通りから七号通りまで
安直な名前が付けられていた
小学校に上がって通い始めた書 ....
{引用=
窓辺で
ゆれる雲南萩の花
の木陰で金玉をほこらしげに見せている狸
の金玉の下
にアリが巣を作っている
さぞや痒かろ
と なにやらくるしげにみえてきた狸 ....
これは たまらないね。
とふりかえると
そこに君がいない
そんな間違いとか
勘違いとか
ずるいことなんか
を教えてくれる小説が
本棚に詰まってゆく
ねぇ
Мさんなんか ....
左手くすりゆび
おじいさんとおばあさん
とれない なんごう
思い出をかたる
いいこにしてるのに
いやなことばっかり
かみさまは宅録に夢中
ビートルズのカバーに夢中
....
昌平橋から万世橋へ
川面に揺れる提灯の
その先にある柳橋
ゆらりゆらゆら秋の宵
ガード下には赤提灯
ほろ酔い加減のカラスが数羽
家に帰らず蜷局(くだ)を巻き
その先にある止まり木に
....
まな板から
はみだしたしっぽの
先を掴みながら
開いてみた体からは
血は一滴も見つからなかった
変わりに
エーテルを失って
散りばめられることのなくなった
星達の塊の袋が
だらん ....
どれだけ
つまらぬ嘘を聞いたら
あなたを嫌いになれますか
さびしがり屋の
つよがりをみせに やってくる
そんなあなたを
待ちくたびれ
生きていれば
いいこともあるさって
一緒 ....
体に毒を持つということは
他のものを寄せ付けない
そういう事になるのだろう
忌み嫌われる形ということは
周りから孤立する
そういう事になるのだろう
墓場に育ち
葉も無く
血を吐 ....
部屋にハンカチが落ちていた
ふとした拍子、の形のままに
それから
洗面所で好んでよくうがいをし
何本かの正確ではない平行線を引き
人が衰えていく様子を眺め
時に貧しい正義を振り ....
あることも
ないことも
ぜんぶある
あのひとは
ほんとうは
ぞうなのだ
そのひとたちには
みえている
りんごをつかむ
ながいはなも
むしをおいはらう
ほそ ....
生まれたばかりのきみは
ぽやぽやとした輪郭でふわふわとした軽さで
赤ん坊の手のひらにもおさまるほどの大きさで
あたためられてすくすく育つ
産毛はだんだん寄せ集められて太くなり
気付け ....
海原を望める楼閣から
富士を眺めていたその人は
貴人の家宰だった。
相模の山中の湯屋で
騙し討ちにあって
死んでしまった。
楼閣から海原を眺め
歌でも詠んでは酒を飲み
富士を望んで ....
「僕は生まれるまえから窓のない部屋に住みたかった。
落日の骨は終わらない記号のなかに消えてしまった光の海へとかえってしまう。」
君は自分を求めない問いが何番目にあるのかを知っていたの ....
JR秋葉原駅の構内の一角に
それはあった
構内といっても
線路の外側のはずれの空き地
駅員も踏み込まない
忘れられた場所
三十年前
ボクは上京したての新入社員
飛び込み営業の話をす ....
果たして、このままで良いのか悪いのか?
いつまでも携帯メールをメモ帳代わりに使ってられる筈がない
いつか絶対に壊れてしまう
それまでの記憶が消滅してしまうかも知れない
パソコンよりも寿命が短い
明日、 ....
地下鉄は地上よりは涼しかった
青信号を手を挙げて渡る小学生を見て
まだまだ捨てたもんじゃないと一人で頷いた
混ざらない綺麗な夢を見たいな
明らかに時間切れだけど
必死でし ....
嗚呼、俺も5000万位貯めてセカンドライフを過ごしてえ
だけど、んなの夢のまた夢
正義が負ける そんな味気ないこの時代
借金、借家、釈然としない
灼熱のどん底の闇の中で
悪魔に魂を売って何ボ ....
髪にふれる
みしらぬ風の 秋
始まりは、いつものたおやかに
あるかなしかの ボレロのよう
音符さえもなぞれぬ 穏やかな
休止符だらけの
ゆるやかに ながれくる空
....
泉屋のクッキー缶の中に
アルバムに入れていない古い写真が一枚
モノクロームの色あせた写真には
小さな自分と親父が写っている。
庭の小さな葡萄棚の下
ふざけているのか本気なのか
親父に髪 ....
ブルーレットおくだけが落とす
ブルーレットみたいな色の汚れが
必死にこびりついている
待っている次の人が
お母さんも含まれている列
お父さんも含まれている列
お母さんにたく ....
もしも下北沢が下北であり続けてたら
あの頃の思い出も残ってたと思う
ひしめき合う狭い街並みの中ザワザワと
鎖ジャラジャラ安全ピンチャラチャラと昼夜問わずプロアマ問わず
カラス達がカーカー鳴きながら
....
車のドアを開けて
アスファルトに降り立ち
ゆっくりと
夕焼けを踏む
夕焼けについて書こうと思う
古びて傾いた夕焼けについて
それは人通りのなくなった街道の
傍らに立つ廃屋の壁に
擦 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511