人の背中が街の青い空気に裂け目を入れている。人の一部は気化してその裂け目を出入りする。裂け目の奥では昼めいた祭壇が、硬い光に包み返されている。祭壇の上では討たれた臓器が、自らの内部をけわしく循環してい ....
笑顔は大事です
職場の花たれ
何かおかしいことがあったら
上司にすぐ伺いをたてましょう
あ、 蠅
課長、お家から連れてらっしゃったんですか?
ペット
学習は反復です
教育は ....
夜道を一人歩いていた
道の先に立つ街灯が
{ルビ辺=あた}りをほの白く照らしていた
街灯の細い柱に{ルビ凭=もた}れると
地面に伸びる
薄ら{ルビ哂=わら}いを浮かべた
私の影 ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
ふしぎなもので
空っぽに近いほど
人生は
重い
そんなことを遠くの風見鶏がいう。
高野五韻さんが今日現代詩フォーラムで、すばらしい散文を発表していた。(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=75981)以前ブログで発表していたので、読んだこ ....
自分くらいは
自分を好きでいて
いいよねって
そうすれば
ひとりぼっちじゃないからね
わたしはいつも
わたしといっしょ
あなたに
なんて渡さない
今夜 私には
逢いにゆく人がいない
孤独な夜の散歩者は
アスファルトに響く雨唄と
ビニール傘に滴る雨垂れの
二重奏に身を浸しながら
果て無い雨の夜道を{ルビ彷徨=さまよ}う ....
これ
おっぱいっていうんよ
ふるさとがぐっとちかよってくるようにおもう夕方
へええ
おっぱ?
ううん、おっぱい
おっぱい?
うんおっぱい
ふううん おっぱい ....
衝動買いしたあたらしい
さくら色のミュールは
今日もぽつねんとお留守番
靴箱で雨音を聞いている
いつものズックを取り出して
水たまりもひとっとび
バスぎりぎりまで朝寝坊
....
朝の空気の
光に濡れた
清々しい香気に、
私の五感はしとしとと沈み{ルビ水面=みなも}をみあげる重く熟した金属の愁い。
空間をよぎる
不透明な視線は、
無知な陽炎となってさえずり虚空を ....
空へと還る器官は
僕には無いようなので
灰になれたらエアーズロックにでも
ばら撒いてやってください
お兄ちゃんは一生しあわせになれません だって死ぬまできょうだいだもの
ぶさいくかかわいいかじゃなくお兄ちゃんと同じ苗字のこどもがほしい
法律よりあたしの羽をなめるとかそ ....
わたしのカラダ。
植物のツタのようにほそくねじれて、
せかいの天蓋にむけて、
のびていきます。
くるぶしまでのひたる水。
は さざなみのように、
わたしをすくめ。
日のひかりいっ ....
うちの紫陽花は
空に恋したスカイブルー
緑濃くなる毎日に
徐々に徐々に青ざめていく
雨にけぶる緑に
空が忘れないでと
呟いていくの
夜に、わたしは
はしたないほど口を開けますから
どうぞそこから私の中に
入っておいでなさい
内側から私を喰い尽くして
やがて空洞になった私の躰は
それでもまだぬるま湯ほ ....
あなたが僕の夢に現れなくなって
ひと時が経ちます
幾度あなたの御姿が
僕を切なくさせたでしょう
僕の思い描くあなたの像が
西から東へと傾き
照れたように笑っています
お母さん
....
*
朝起きて色を塗る
テーブルの上にある
野菜ジュースの中を
遠くまで行くことは
とても難しい
*
虹を壊し
虹に壊されながら
走る子どもたちの足音が
回覧板でまわ ....
空を飛ぶことを夢見て
ニワトリ、ペンギン、ダチョウたちは
スキージャンプに挑戦する
「スズメ達が見てきた景色と同じものを見られるだろうか」と
高く高く飛ぶ
陽気なオウム、九官鳥たちは
....
奇妙に融けあった
二つのクノップフが
二つの正方形の
触れあうかたちに浮かんでいる
金の枠にふちどられて
腰と背と後頭部を
翼に犯された天使が
無表情 ....
午後の熱に散乱する
私の欠片を
拾い集めているひとがいる
ポケットのなかの綿くずのような
灰色の球が
ふよふよと窓から入ってくる
これが夏だったろうか
こんなのが夏だったのだろう ....
キャー!
と悲鳴をあげる彼女は、
スクリーミング・クイーンです。
彼女はほんとにいろんなものが怖いのです。
ゴキブリが怖い。
ヘビが怖い。
ナイフが怖い。
電車に乗れば乗客の視線が怖 ....
わたし
夜に写真を撮ったわ
あなたの家の
木を
あの頃
毎晩見ていたわ
あなたのことを思いながら
わたし
夜の写真も撮ったわ
あなたを
夜のあなたを
それはもうないわ ....
雨が降って
窓にはかげろをがびっしり
もうすぐ おとうさんが
おとうさんが迎えにくるから
わたしは、河原にせりだしてつくられた
お店の椅子にこしかけて
2分おきにかげろの数をかぞえてる
わたしの女友達は
「わたしのどこが好き?」
と男性に聞いたとき
「顔」
って言ってもらうのが
一番安心するらしい
中身が好き
心根が好き
性格が好き
趣味が合う
センスがいい
....
あのころに比べたら変わったと思うけど
やっぱり君の前に立ったら
あのころのように僕は泣くだろうな
やっぱり・・・
始発を待つ 4月の風
今朝も小鳥が空に歌って
無理やり世界を明るくして ....
五月の あまりの美しさに
ことばを 失ない
その 緑 みどり…
透きとおる五月
優しさにみちて
息 と 声 は
とおくあおく 呼ぶ
....
たんぽぽ畑の真ん中で
わたしは
しろつめくさの冠を作る
わたしは王女様
けして王妃さまではなく
「まだ早い」
その瞬間 誰もが手を握りしめた
第2コーナー
その馬はこらえきれずに前へ出た
からだ中で訴える
もっと前へ
もっと先へ
場内アナウンスが聞こえる
「1,000m 58 ....
鈍色の雲に覆われた空は
湿り気よりも寒さを貼り付かせ
初夏のはずの陽気に楔を打ち込む
絶対、赤が足りない
蓄積されていくのは垢ばかり
くすぶっていく気分は盛り上がらず
爽やかな ....
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