夜はくるのだろうか
何度目を覚ましても外は明るい



詩人は平易な言葉をならべて
わたしにわからないことをいうけれど
とくに支配したいとも思わないから
べつに、それでいいと思う

 ....
「 翼 」

ホー ホケキョー と 鳴く鳥も
カッコウ カッコウ と 泣く鳥も

何が 悲しくて
翼 広げて 飛(ゆ)くの

羽根を 広げたら
どんな明日が 見えて来るの

翼  ....
三角方眼定規で
下くちびるを切った
風が薫って
夏草が
指から
ほどけていった

立体裁断で
ドレスを裁つ
いつだって
晒されぬままの布に
踊り
今はおそらく
泣いている
 ....
 
 
家に帰ると
知らない人がいた

遠い親戚なのだと
母が教えてくれた

秋になれば
コオロギが
玄関で鳴いている

追い出さないで
耳をすまして聞いてい ....
バラ色にエンジンが燃える瞬間に奇声と歓声が同時にあがる
崩壊してく高速ビルのなかでする最後の咳き込み
粘膜がいてーよちきしょー
あんなにぴんとしてすでに完璧に完成してたのに
それをうわ ....
 
 
水で出来た線路の上を
指列車がやってくる
わたしは道路の言葉で話しかける
指列車は親指を振って応えてくれる

空から墜落しそうになっている空を
真夏の工場群が
かろうじて支え ....
 心の響き

落ち込みてゆく心に
とっぜん、ピアノの連弾
絵と壺とかけ時計を
見まわして

わが心何処に置くべき
表通りは人の影さえなし

雀が少なくなった
寂しい

二人で ....
 
 
朝めざめると
あなたは哀しい
人の形をしていた

毎朝きまって
そうなのだとしても
本当のことは
けっして言わなかった

言葉にできないことや
したくないことを
たく ....
 
 
三角定規が数ミリ単位でずれて
安アパートが崩れた
確かに昔、ぼくはその二階の
日当たりの悪い角部屋に住んでいたけれど
何度か前を通っても人の気配がなかったので
もしかしたらぼくが ....
{引用=辛い夜を過ごして
束の間
平穏な時間が流れるとき

あなたのそばに
神様がいることを
あなたにとっての神様を
感じることがある

それくらい
神様はひっそりといる
眩しい ....
{引用=
心のドアを叩き続けている音がする。とん、とん、とん、とん、とん、とん、とん、とん、とん、      とん、とん、とん、音の上に長い息。いまにも消えそうに。大きな爆弾が落ちて、人間がみんな死 ....
とうとう一度だって
私を嫌いだと
言ってくれなかった君に

私の一部はまぎれもなく
深く、君由来だという事実の
どうしようもない申し訳なさに

あの子が初潮を迎えたときに、
心の底か ....
 
 
「ね」から
「ね」をとると
なんにもなくなってしまうから
かみさまは
「こ」をあたえて
そのどうぶつを
「ねこ」となづけた

「ね」がなくても
「こ」がのこる

もと ....
 
 
梅雨の湿った風に吹かれいると
いつの間にかぼくと妻は
古ぼけた感じがする列車の
最後尾の座席に並んで腰掛けている
列車はカタンカタンと
紙のイメージの中を
ゆっくりとしたリズム ....
 その身を削いでゆく
 どこまでも
 いつまでも
 と、いうわけにはいかないのだ
 だれであっても
 どんなひとであっても

 あげくの果て
 使いものにならなくなった
 ....
ゆく道の車の窓に
雲を光らせ 幟旗を押し立てて
見知らぬ男たちが手を振る
起きぬけの笑顔で

すぼめて垂らした傘の先を
水たまりに映して
参議院選挙の投票に行く

昨日死んだ紺の背広 ....
開け放たれた窓からは
初夏の高台から望む
雨上がりの小さな街が一望出来る。

マッチ箱のような小さな家には
色とりどりの屋根が
張り絵のように
斜面にへばり付いている。

空は真っ青 ....
風が駅前の野原に吹いている。
野原に生えた野草の葉は
優しくうなずきながら
隣の葉にお辞儀をしている。

風が駅前に優しさを運び
優しさで満ちあふれた
空き地の前に僕は独り佇む

風 ....
娘たちは
もう眠ってしまった
何も書かれていない短冊がひとつ
テーブルに置かれている

なあ、父さんは
こってり疲れてしまっているから
願いごとなんて
ひとつも浮かばないんだ

静 ....
彼にその一件を報告すると、驚いて携帯をベッドの隙間に落としてしまった。
「どうしたの?」と隣で裸で寝そべる女は言った。
「女の娘?」と嘯く彼女を彼は無視しして、さっさと服を着ろといい、
これから ....
学校からの帰り道
ごみだらけの家に住む
ひげだらけの臭いおじさんが
居間で背を向けて
テレビを見ている

『ガガー……ピーッ……』

灰色の砂嵐が映るだけ
やかましくノイズが鳴り響く ....
ね、ういろうさん
あんたちょっと歩くの速いよ
引っ張らないでくれる?

「お手をするかわり、おやつくださいな」

ね、ういろうさん
あんたちょっと拾い食いはやめなさい
あと、たまには吠 ....
雨を聴くひと
土を嗅ぐひと

奏でられる調べには限りがある
奏でられない調べを夢にみすぎて
からだを置いてきた場所を
遠ざかってしまう

胸の奥には想像上の内臓があって
白いバラ線に ....
私は私の、古い影を。地面に落とし、新しい光をさがしに行く、きっと壊れた匂いが、地平線の辺りに溜まっている、すべてはそこに。向かっているのだ、と、創造上の世界で。想像上のあなたが、私にも言う。  
 
さんじゅうすぎて
こいをした
あさぎくにこに
どうきゅうせいは
にていた

つまにはいわない
むすこには
いつか
はなすかもしれない

プロポーズした
ゆめのなかの ....
あさ起きて、いつものように眼鏡をかけた
しかし何も写らない
眼鏡が写らないと何も見えない、
それは識別不能の抽象画の世界
超印象派な日常

ベッドサイドで頭を抱えていたら
妻が起こしに部 ....
窓枠は白く
午後のものうさの
界面に浮かんで

俯く薄紫のアガパンサス

灰色の雨の空を
半透明の船が
ゆっくりとよぎる

丘は遠くに緑の横貌を見せて

そのさらに遠く
おそ ....
飛べるわけでもないのに
いつの間にか
こんなに遠くになってしまった

遠ざかったのは彼らなのか
僕のほうなのか
教えてくれるはずのあなたは
昼寝をしてた椅子のように
そっけなく ....
{引用=憂鬱な目覚まし時計、日常へ旅立つ自転車のペダル、決曜日


ぽっかり空いた胸ポケットに立葵を活ける、華曜日


眠れる森に訪れたファーブルたちの欠伸、睡曜日


静かなく ....
{引用=頂点はさらに、高さを増す。塔の上に塔を
重ね、そのようにして時代はいつも、賑や
かに葬られていく。足元には、無数のメタ
セコイアが植えられ、手をのばして、空を
仰いでいる。道は、休むこ ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
よる- 因子自由詩410-7-18
*ツバサ- 藤鈴呼自由詩2*10-7-17
立体裁断- たちばな ...自由詩10*10-7-17
遠い親戚- 小川 葉自由詩410-7-17
デパス_アテント_一杯のスープ- モリマサ ...自由詩310-7-17
夏休み- たもつ自由詩910-7-16
心の響き- 生田 稔自由詩310-7-15
さよなら二十世紀- 小川 葉自由詩1710-7-14
独り言- たもつ自由詩210-7-13
「あなたのそばにいる神様」- ベンジャ ...自由詩2*10-7-13
それはガラスのような音がしているけれどもガラスではない- 渡邉建志自由詩6*10-7-13
もう会わないから言うけれど- 因子自由詩310-7-12
- 小川 葉自由詩3*10-7-12
嘘つき- たもつ自由詩810-7-12
おじさんはガンジス河のひと粒として- 石川敬大自由詩1710-7-12
参議院選挙へ_みんなと行く- オイタル自由詩9*10-7-11
この街- ……とあ ...自由詩12+*10-7-10
駅前再開発2- ……とあ ...自由詩12+*10-7-8
七夕- 佐野権太自由詩10*10-7-8
会話で起きたこと- プテラノ ...自由詩210-7-8
地デジ対応- 結城 希自由詩2*10-7-8
「ういろうさん」は犬の名前- トキハ  ...自由詩11+*10-7-7
真夏を待つ- 橘あまね自由詩1010-7-6
地平線- 小川 葉自由詩3*10-7-6
地デジ対応- 小川 葉自由詩6*10-7-6
地デジ対応- 木屋 亞 ...自由詩3*10-7-6
七月一日- 塔野夏子自由詩3*10-7-5
庭に胡瓜- AB(な ...自由詩610-7-5
七曜日_(即興七行詩)- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...30*10-7-5
トーキョー- 望月 ゆ ...自由詩32*10-7-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512