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昔日の思想は僕の手に形をあたえる。指先を
くるむほとびた皮膜に沙漠のイマージュをな
がしこむと、僕の手指は草の葉をつまむこと
ができる。内臓の液化して ....
川縁の草いきれの中を
ひた走った記憶は
あるいは夢かもしれず
はじめは
ひとすじの流れにすぎなかった
けれど運命は
生まれる前から決められていた
旅を重ねるごとに
強さを身 ....
ドラッグストアーって
もっと危険な場所だとおもってた
アイーン
シュタイーン
漢検一級に出てくるような
難しい二字熟語にすることで
失われたものを詩にしたい
分裂しかけている腐りかけ ....
せっかくのスカートが、なんて
君は
ふくれた顔で
片手にサンダル
フナムシも
フジツボも知らない
君は
おびえた顔で
片手にサンダル
ここは
たまたまの国道沿い
....
はじめは数百人規模の集まりだったと思う
広い講堂の中に集められて
長い話を聞かされた私たちは
みんな、退屈で、飽き飽きしてしまい
好き勝手な話をしていた
いろんな人の噂話とか
週末の予 ....
「10月 」
少女だったころ
それは青空と同等で
わたしは生きる喜びを持っていた
埋もれていたものを
そのたび拾いあげても
掌から滑り落ちていく
昼間の悪魔は友人といい
夜中の ....
いま
星の下で
明日のために
今日の色を決める
走りぬける
全力疾走の快感
それが俺を
白い荒野の上に立たせている
時には多大な収穫を
時には多大な疲労を
もたらす荒野
その謎の ....
ふうせんのうちがわに
わたし とかいた
そとがわに
ゆめ とかいた
おおきくふくらませて
くちをしばると
そらへまいあがることも
じめんにおりることもできずに
ころころ
あたりを ....
みんなヤサシイ
わたしにヤサシイ
タイリョウノオクスリ飲む
飲まれるタイリョウノオクスリ
サヨナラ今日こそサヨナラ
元気が出るとリストカット
ご飯を食べれば
オネーサン指とオニーサン指が ....
誰かさんに怒られると
すぐに浮かぶのは言い訳ばかり
のどの奥に ぐっ と飲み込む
( 夏の窓辺には蝉のぬけがらが置かれていた )
ぼくの{ルビ至=いた}らなさで
誰かさんの表情を ....
自転車にまたがれば
ペダルにのせた足と
地面を蹴るかわりに
転がってゆくタイヤ
地球がまあるいのは
教科書でしか
知らないことだけど
その時生まれる風が
何処から吹いてくる ....
今
ひゅうるうるう
と
風がなった
うーともないた
マンションの中にいる少し苛立つ僕に
窓から
風は声に聞こえる
今日彼女を後ろに乗せて
あるいは
かわりばんこに
新 ....
喰いたくてそこに居るのなら
苦痛だけは残しておいてくれ
苦痛さえあれば
数億年後に詩はふたたび生まれるだろう
間延びした快楽 ....
夏祭りの夜へと
手を引かれた私の
耳たぶ、薄く
汗の艶、熱く
提灯のように
風に赤らむことを
しっとり許された
夏祭りの夜に
石段の高みへ
鼓動と鼓動の、 ....
頭の中
遠い野原
夏の粒子がさらさらと
光の加減でモザイクを並べる
都合の良い再生
無意識の補修が優しく波打つ
振り向いた少女のワンピースは
夏じ ....
しっとりと伏せられ、そのまま
こと切れたあとの、薄青い、薄暗い
目蓋のような擦り硝子を前に
決して、そこから
目蓋なんぞ連想しないと思い直す、おんなの
見下ろす、白百合の ....
「薬を飲み忘れたわ!帰らないと」
マンボウを見に
水族館へ行こうと
誘ったのは彼女の方だったのに
家を出てすぐ言った
「どこが悪いの?」
「知らないわ、生まれてからずっと飲んで ....
少女の頃の恋は夏とともに
終わってしまうものなの
その恋は
秋は嫌いなんだよって言った
彼の夏休みの一部であって
砂浜の足跡みたいなもん
それでも馬鹿みたいに
求めあった身体には
きっ ....
生きていこうと思った。とりあえず生きていこうと思った。
わたしの大事なおりこうさんは、まだ、パンクして寝ているし
わたしの大事な kiss も 届かない。
I love you と ....
やっぱりここは、後方3回転半ひねりだよな‥。
‥ふふっ。村主も美姫ティーも、敵じゃねーぜ。ってカンジ?
職安から帰る道のり
駅からの道を歩く
ぬるい風が襟元をかすめる
まだ6月なのに27度
北国仕様の体には
蒸し暑く感じる
むっとするアスファルトの匂い
駅へ向かう自転車の群れ
甘い花の香 ....
とてもかたい列車で
おもちゃみたいな街から出て行く
レールをわざと踏み外して
けたたましく列車はのぼる
神秘だねって笑う暇もなく
割れた空へと進んでいく
にわか雨が過ぎていくの ....
いつもの席でいつものように
始めましょうかと手を鳴らす先生の
その指先を見てる
思考は明日のその先を見てる
今日の考え事なんてとっくに終わった
私は明日もその先も生きてる
君だって生きてる ....
観測史上最大級の台風が上陸した日の夕方
未確認の大型生物の屍骸が
四国のとある漁村の浜辺に流れ着いた
地元漁協の連絡を受けて
ある大学の海洋生物学の調査チームが到着したのは
発見から14 ....
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた
同じころ
父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた
隣の部屋の夫 ....
詩を 描きました。
小さな詩を 書きました。
相変らずそらは 真っ暗だと言うのに
いきがって 小さな 詩を描きました。
トラさんや タツノオトシゴさんは、
もう ずっと ....
あなたのいない 空 白 を、日々うめる努力をしています。
もう、慣れました。 空が 白く 雪で染まってから随分たったので。
昨日は眠 ....
大きな空になって あの雲を掛けよう。
大きなとりになって あの空を翔けよう。
詰らない事は すてて 独りぼっち で
生きて見よう。
きっと あの空のイミガ わかるから。
まざりあっていく
せかいのなかで
しかいは
しだいにせんめいに
なり
ぼくらは
ひとりひとりになって
あるいてゆく
ことばを
ひからせながら
やまのあいだを
ぬけていくくるま ....
奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという
いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
....
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