いっぱい 散らかしたビー玉
転がしてはじいて 
赤いのひとつ なくしちゃった
甘い甘いハート形のチョコレートは真白なお皿に安置済み

また 転がして はじいて
青いのが そこに 
 ....
砂浜からおーいと呼ぶけれど

友だちはもうみんな遠くへ行ってしまった

かもめかと思っていたら

船だったので

白い帆はどんどん小さくなって

水平線の向こう側へ

目的地が ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように

僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから

ほら

こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
やるせないとは

どんな気持ちだ

胸の高さまでの柵から

少し乗り出して

空を仰いでいるのか


柵の欄干あたりで

透明度の高い水が

溢れそうに張りつめながら
 ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない

パソコンの電源落として
机のまわ ....
少女は紙を丁寧に折り
いびつな筒を作りあげた
彼女はそれを器だと言う
満足げに頷いて
人差し指に口づけた

指で器の底を擦っては
また人差し指に接吻
水が漏れないように
続いてゆくた ....
砂を
体中の空いてる
穴に詰めていく
埋め立てた人工の砂浜の
ほつれたぬいぐるみが
さみしそうに息をしている
「あなたのコドモを産むよ」
と笑い
雨上がりの
草いきれで肺一杯にして
 ....
庭先にすずめたちがいて
すずめのてっぽうが生えていて
猫は砂利の上に寝転がって
ぎい、と蛙の声
ベルギー流の燗つけビールを飲もうか
中国流の人肌ビールを飲もうか
いや今日は
常温の日本酒 ....
氷の中では
時間も止められるし
欲しい物はいつでも
手に入れられるという
人類の傲慢だと
私は子宮で考える

若く清らかなうちに
冷凍保存が義務化されて
いつでも安全かつ確実に再生さ ....
どうしてこう
脈絡がついてしまうのだろうか
昨日みた夢は
いまはもうない実家の建物が舞台で
ベランダに猫が三匹いた
うわあおぎゃあうわああああ
この家の主人は病気かいと訊ねれば
うわあお ....
むっとするような草の匂いをかぎながら
僕は雨を待っているんだ

こんなふうに湿った空気の朝は
何だか楽しくてしょうがない

もういいかい
まあだだよ

ほら向こうで呼んでる声がする
 ....
 
 
水を降りていく
やましいことなど
何ひとつない

深夜、もういない父の
容態が急変した気がして
親戚を探しに出かける

栞のように
水槽が鳴ってる
 
 
{画像=080805022047.jpg}

掴まり立ちする息子を支え、
私に振り向く妻の肩先に思い出す情景がある。

思い出すとあの日私は
父親の傲慢な仕打ちに猛然と腹が立ち、
押し入 ....
太陽の光の届かない海底で暮らすのはどんな気分だろう。昼と夜の区別のない世界で暮らすのは。
「おはよう」と、彼女が言う。おはようと僕も答える。彼女がベッドの上で軽く伸びをすると、乾いた音が小さな僕の部 ....
ピンク色の海が束になって襲いかかる。
週末に、自転車で見た
青空のうしろで、まだら模様になっていた。
緑の岸壁が、コブのような波を受け止めて、
ピンクをばらばらにしていた。
濱にはサメが打ち ....
膝に水をためた
母は手術で水を
抜いてもらった

肺に水をためた
父も手術で水を
抜いてもらった

誰にでも
水がたまる
時がある

人は誰もが
抜いてしまいたい
水を持っ ....
「少しだけ泣いてもいいですか?」

あなたは細い声でささやく
そしてやっぱり止めようと
小さく肩をふるわせている

「きょうはずいぶんと湿った空です」

たしかに昼間吸い込んだ蒸気を
 ....
 
水のために
夜は流れるので
その最下流
海が見えるあたりにはきっと
朝がある

朝のために
水は流れるので
その最上流
泉が湧くあたりにはきっと
命がある

そうして
 ....
おにーさん おにーさん どうしたんですか?
失恋でもなさったんですか?

世界中の不幸を背負ってるような しけた面してますねぇ
そんな顔して黄昏れてたって モテないままですよ

「 海パン ....
本屋へ行った帰り道
公園に入った

ぐるっと公園を囲んだ木が
濃い影を作っていて
意外に温度が低い
真夏の午後二時で
誰もいない
セミがやかましい

水飲み場のあたりは水びたしで
 ....
あさ
台所に行くと
涼やかな甘い匂いがする
桃の季節だ
ダンボールの中で
熟した実が醗酵している。
触ると
産毛が密かに暖かい

桃を手にした私に
おかあさんが声をかける。
―― ....
蜂の巣が近いらしい
家の裏山の方へ行くと
飛んでいる蜂と ぶつかりそうになり
私も蜂もあわててよける

洗濯棒の近くの花の中で
仕事中の蜂も時折いるけれど
そっと ぱたぱた 洗濯物をかけ ....
ら ら ら という文字が 
いつのまに薄れゆく 
都会の空です 

と ほ ほ という文字が 
滲んだ墨汁の雨雲となり 
黒いにわか雨の降りそそぐ 
21世紀のTokyoです 

黒 ....
真っ直ぐに
うつむいてしまえる時はいいのです
泣き出しそうな顔を見られずにすみますから
だけど
斜め下を向くしかない時
これは哀しくて切なくて
切なくて 仕方がありません


あなた ....
最近妻がビヨンドになってきている

40過ぎだというのに
髪をピンピカリンの金髪にして
耳は穴だらけ
いくつもピアスをつけて
じゃらじゃらと音をたてている

夏だというのに
わざわざ ....
ぼくのまんざらでもないと思える人は、
ロッキー山脈にすんでいて、とてもふべんだ。

行き帰り帰りに歩いて来るが、とてもつらい。

だから自炊をするが、とてもふべんだ。

山脈にはけしきが ....
満ち足りた水盆から
たっぷりと
手のひらのうつわに水を汲み
満足しても つかの間
した した と
水は指のすき間から逃げてゆく

目の前を行き過ぎる
季節もまた
水盆から汲み上げた水 ....
今夜の献立

・夕焼けと向日葵の背中の煮物

・虹のフライ

・蝉と夏休みの子供の声の和え物

・打水のおつゆ




ごちそうさまでした、と
流しに綺麗な皿が
水に浸さ ....
夏の影の一番濃い部分が
凝り固まったくらまとんぼを
幼子が追う
たやすくつまめる
その黒い羽


ねえあなた
一度手にして
満足したなら
はやいとこ
はなしておやりなさいな
で ....
ガラス張りの冷蔵庫から
ぼんやり眺める街並みは
いつか見た夢のように
とても希薄で

行き過ぎる人影は
照りつける陽射しに
丁寧に舐め回された揚句
溶けかけている

薄いアイス ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
縁日に眠る(改)- 凛々椿自由詩508-8-7
友だちと夏- さだあい ...自由詩908-8-7
「優しい雨」- ベンジャ ...自由詩18*08-8-7
柵と距離- 水町綜助自由詩1208-8-6
働くひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*08-8-6
夜のための水- 木屋 亞 ...自由詩3*08-8-6
水のための夜- モリマサ ...自由詩3708-8-5
冷やを一献- 佐々宝砂自由詩7*08-8-5
妊婦のロボ子さん- RT自由詩3*08-8-5
風のつくりかた- 佐々宝砂自由詩508-8-5
かえる- 未有花自由詩19*08-8-5
水のための夜- たもつ自由詩15*08-8-5
因循と輪廻と繋がる想い- beebee自由詩18*08-8-5
今夜月明かりに虹を見る_Ⅱ- rabbitfighte ...散文(批評 ...508-8-5
あの時の海は- パラソル自由詩3*08-8-5
水のための夜- 木屋 亞 ...自由詩4*08-8-5
「水のための夜」- ベンジャ ...自由詩6*08-8-4
水のための夜- 小川 葉自由詩4*08-8-4
幸せの青い鳥- 北大路京 ...自由詩19+*08-8-4
公園- ふるる自由詩9*08-8-4
- 亜樹自由詩208-8-3
誰でもよかった- 砂木自由詩26*08-8-3
「_ら_ら_ら_の人々_」- 服部 剛自由詩4*08-8-3
無邪気- 明楽自由詩808-8-3
ビヨンド- そらの  ...自由詩16*08-8-3
ロッキー山脈- パラソル自由詩1*08-8-2
流行- 明楽自由詩408-8-2
夏のゆうげ- 小原あき自由詩30*08-8-1
夏の影- 亜樹自由詩3*08-8-1
快適- nonya自由詩5*08-8-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512