少女は生まれつき目が見えなかった。そのかわりに耳がとてもよく、例えば村中の猫たちの鳴き声を聞き分けることもできた。

毎年春先になると村には薔薇鳥がやって来たといううわさが飛び交い、若者たちはそ ....
半蔵門って何処だ
紫の帯の地下鉄が開通したとき
まず思ったのはそのことだった

銀座/丸の内/日比谷/東西/千代田/有楽町

方角を示す東西以外の路線名は
東京近郊で産まれ育った僕でも
 ....
 
ヒトのかたちを持たない
友だちが
殖えている

わたしのマイミクシィは
ついに五十をこえた

文字で言葉を話すから
人間なのだろう
とは限らないけど

ふと思う
彼らはた ....
私の頬から飛び出して
パソコンの光でキラキラと輝いている膿を指し
あなたは「うつくしい」と言った

プログラミングをまちがえてしまった
キラキラしたものがぜんぶうつくしくみえるあなたは
と ....
日比谷線のホームに
きみと立つのは初めて
一人で会いにきたよって言って
褒めて欲しかったんだよ
大好きだから名前を呼ばない
そんないじわるだって流して欲しかったんだよ

流線型の街が私と ....
この街でいちばん美味いという
来々軒のラーメンを食べていたら
いつまですすっても麺が途切れない

適当なところで喰い千切ると
あなたはひどい人だ
という声がした
たぶんメンマが言った ....
あれは 炎と 誰かが言ったが
つかむものはいなかった
祖父は 過去へ向かい
一閃に 死体を 乗せていく

それらに 名がつく事はあっても
私の 怒りは 極めて 加工される
抑揚を知らない ....
命をわけたシャボンが
あまねく広がる田の空を
おもむろに這いのぼる

シャボン、シャボン
あなたを見上げて
遠く咆哮を響かせます
置いていくなと、低く
低く唸るのです

大地を ....
三日月のポーズで夜を待つ
指先から足先まで
血のめぐる音が聞こえる
無音の闇に呑み込まれぬよう
しなやかに たおやかに


三日月のポーズで夜を集める
U字磁石みたいに
N極とS極が ....
ひき肉を買った
何だか退屈な日常を少し変えたくて
冬のわりには暖かく
スーパーは少し込んでいる時間帯で
特売ってわけでもなかったけれど

料理レシピのサイトでふいに思い立ち
ひき肉 
 ....
ねえ、ごめん、
なさい目の痛みがないのは、
まっすぐ見た、見て、いる、はずなのに。

ある、ひ、かり、に、
踊るように広がって、白く、
飛んでいる、魔法、に、なって、
触れたもの全部 ....
夏の午後 影は濃く
姿勢の正しいあなた
まっすぐにねむる
貝殻のボタン
ひとつ失ったまま

くんと伸ばしたつま先から
夏が逃げてゆく
砂がはらりと落ちる
そして落ち続ける

傾い ....
野良猫たちよ、死ぬ前に教えて欲しい。
お前たちが、何処で死ぬつもりなのか。

住宅地の陰から黒猫が姿を現す。多分、
その旅の、途中ではない。びっくりして逃げ出したから。ーあまりの僕の不幸さに。 ....
あなたがそばにいるだけで
まわりが海に変わる
ほんの少しだけ夜のような
ほんの少しだけミステリアスな海
このまま小さな魚になって
あなたのまわりを漂っていたい


あなたは私の梢を揺ら ....
電車の座席に揺られると
素知らぬ顔で睡魔が襲ってくる
この瞬間も手が止まって意識が飛ぶ

気が付くと携帯電話のバックライトが消えて
真っ黒の画面が虚しく光る
(この機種はどうしてこんなに早 ....
口語の時代はさむいがその寒さの中に               ※2
自分の裸をさらすほかない時代
ひとつの恐ろしい美が生まれた                  ※3
三角さん、錯覚しなければ ....
東京タワーに陽が刺さる時分に煌々と輝く
窓から漏れる明かり 色とりどりの街灯 魅惑のネオン
徹底的に破壊的に光の砲撃は闇に報復する
茜色の夕雲はつかの間の闇の扉であった
それは遠い遠い昔話
 ....
あなたとはもう何回も
っていう気がするから
しない
例えば三年前
あなた会社の後輩だったわ
あんまり可愛かったからつい
五年前のときは
友達の結婚式の二次会で
あなた新郎の友達だったで ....
どうも。俺、今度高校進学することが先日の6日に決定致しました。

…だからといって皆々様には精々「ふぅん」「へーあっそー」くらいにしか思えないでしょう。「だから何?」ってね。でも公開自慰( ....
モラトリアム、
という響きの甘甘しさ

ポストに届いた
夕刊には
今日一日のこまごまとした出来事が
刷り上がっています

口にふくんだドロップが
とけてしまわないよう
息をとめまし ....
「冬だからね」

ああ 冬だからね
花が咲くには寒すぎるから
フラワー団の悪事もめっきり少なくなった

怪人水仙男との対決はすませたばかりだし
先日は駅前で一般人に果実を根こそぎもがれて ....
眠っているうちにどこかで何かが季節のトリガーに指をそえ
明確な透明さでもって入れかわっていく空気 大気
凍てついた日々はよくしたもので
人々には何かと集う理由があり
入り組んでいる関係と熱気が ....
忙しい日々から逃れ 
疲れた体を暖めようと 
平日の{ルビ人気=ひとけ}少ない温泉で 
頭の上にタオルをのせて 
露天風呂に沈んでいた 

ゆげの立ち昇る 
水面に 
現れては消えてゆ ....
信号待ちの車の中

ふいに
シチューの匂いが

忍び込んでくる

こんなに濃厚なシチューを作る
幸せな家はどんな家だろう
と思うけれど

走り出した車の中
すべては押し流され
 ....
 
しあわせだけでは足りなくて
ふしあわせなら
もっと足りない
ものたちが
ホームから
改札口へ流れ込み
潮の匂いだけのこして
ぼくときみは立ち尽くしていた

立 ....
 
今はもう なにもわからぬ存在の 少女が吐いた 蛤の泡

なつこという 名のある少女がいたけれど あるいはふゆこ だったかもしれぬ

窓のそと 誰もいない景色あれば 虫、花、草、すべて  ....
音が鳴る
冗談のように
私の首回りの
皮膚を引きながら

前に出す
つもりの両脚が
追い付かない
傾斜に

音に倒される
風と呼吸を合わせられず
ブルゾンに手を入れたまま
顔 ....
斑鳩の飛ばぬ夕べがあり
甍の高いこの寺は崩れる
僧どもは眼病に侵され
いまだ訪れぬ仏達を信じ得ぬ

在り得ぬ時代の熱い聖地で
禁断は男や女の喜ぶ寝床
夜は過去の阿闍梨を招くのだ
彼の行 ....
ハンドルを回して
開けたり閉めたりを繰り返す、水門の鉄扉の前で、
僕らは迫りくる波に何度も呑み込まれ、鼻につく臭いはともかく
時間は麻痺していた。真夏の昼間、水辺で遊ぶ僕らを
釣り人たちは河童 ....
僕はいろいろな時間を考えて書いていく。
時間を使うといろいろな話ができる。
いろいろな勉強をするといろいろな話を言う。
漫画を読むと時間の使い方がわかる。
面白いストーリーで街を作りたくなる。 ....
あおばさんのおすすめリスト(15345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薔薇鳥- ふるる散文(批評 ...6*09-2-20
半蔵門線- kauz ...自由詩8*09-2-20
ロボット- 小川 葉自由詩4*09-2-20
ロボット- 因子自由詩4*09-2-19
蛍光ペンで白地図に線を引く- アオゾラ ...自由詩8*09-2-19
写真- 壮佑自由詩16*09-2-19
祖父へ- 奥津 強自由詩4+09-2-19
シャボン玉- ほしのみ ...自由詩5*09-2-19
三日月のポーズで- ことこ自由詩2*09-2-18
ひき肉- かんな自由詩17*09-2-18
フレア- れつら自由詩3*09-2-18
貝殻のボタン- ふるる自由詩27*09-2-18
ノラ猫- プテラノ ...自由詩209-2-17
イマジネーション- 未有花自由詩25*09-2-17
電車に揺られて(その2)- kauz ...自由詩4*09-2-17
満足厳禁- 大村 浩 ...自由詩28*09-2-16
light_the_light- 紫音自由詩5*09-2-16
あなたとはもう何回も- チアーヌ自由詩609-2-16
桜のつぼみもふくらみ、- 榊 慧散文(批評 ...6*09-2-15
透明宣言- ことこ自由詩1*09-2-15
忍冬の紅い花(臥薪嘗胆!Mr.チャボ)- 角田寿星自由詩309-2-15
夜明け氷- フミタケ自由詩6*09-2-15
泡の鏡_- 服部 剛自由詩1009-2-14
仄かな光- kauz ...自由詩6*09-2-14
足りなくて、見つめ合えば- 小川 葉自由詩4*09-2-14
ごむまり- 小川 葉短歌1*09-2-14
住宅街- 木葉 揺自由詩3*09-2-13
斑鳩- 音阿弥花 ...自由詩2*09-2-13
水門- プテラノ ...自由詩209-2-12
本屋で戦う。- 寝る話。自由詩209-2-12

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