薔薇に鶯 このはなさくやひめ
ぽっぴアートの色合いが
なんだか てらてら 西方浄土
ふわっと浮遊 の フレンチボッサ
薔薇に鶯 このはなさくや
新春 色彩 ぽっぴが伝統
飾り羽子板 ....
空間のほとばしり
陽射しは くね くねっと のたうち
ホ・ト・バ・シ・ル
春だったりする日
肉体は軟らかく 伸びきって
太陽を握りつぶしてみたり
口の中のキャンディーだったり
ア ....
お父さんはね
お母さんを口説いたとき
自分の故郷には
おはなばたけという駅が
あるよと言ったって
夏に嫁いできた母は
駅前に花畑があると
おもってたと
文句を言ったらしい
お父さ ....
鳥として生まれ
鳥として逝く
その間にいくつかの
鳥ではないものがある
車の通り過ぎていく音を
人の小さな話し声を
洗濯物が風に揺れて触れ合う姿を
幸せと同等のものが包み ....
水道から
気配が流れている
ドドドドド、
どどどどど、
ドノドノドノ、
どのふねの、
私は乗る
その笛に
湯舟、に注がれる
湯布院
ああ、何故
ユフイン、
ナノ ....
夕方僕は、今月末で閉店するとかいう寂れたデパートの店内で
母親と一緒に買い物カートを押す女子中学生を見た。
彼女は母親がよそ見をしている隙に、カゴの中へ商品をほうり込んだ。
母親はそれに気づか ....
僕の街は遺跡だった。 「たった一つ遺跡がある」なんてちゃっちいもんじゃあない。有史以来一度の地震もハリケーンにもあっていない安定した谷間で、街全体が遺跡の上に遺跡が重ねられた複合遺跡だ。僕の家も20 ....
詩を読むときにね、詩人 じゃなくて 人 と思うほうがいいかなと
この頃思います。
「詩人」なんていなくてね。
「人」がいる。
元旦の空は
いつも真っ白い
何故だろうと見上げていると
西の方から
青い鳥が群れを成してやって来て
ばたばたばたっ
と次々空に貼りついた
瞬く間に青空が出来上がった
鳥たちはかちか ....
蒼い影を映して続く冬の森には
透き通った何かが隠れている
凛と張りつめた空気の中で
何かが動き始めている
それは凍りついた木々の向こうに
広がるはるかな世界
白いやさしい{ルビ時間=とき} ....
足を拾いに行きました
海の匂いのする街でしたが
この街に海はありませんでした
足を拾いに行きました
この街にも海があればいいと
子供の頃から思っていました
父に海をねだったこともありました ....
夜になると
鳥は空を飛ぶことを諦め
自らの隙間を飛ぶ
高い建物の立ち並ぶ様子が
都会、と呼ばれるように
鳥は鳥の言葉で
空を埋めていってしまう
知らないことは罪ではな ....
何を考えているのか
さっぱりわからなかったので
別れたはずなのに
なぜか毎年
年賀状だけが
律儀にやってきた
母は
それを見るたびに
面白がって笑い
わたしは
ちょっと渋い ....
さみしさのようにあり続け
やさしさのように消えてしまう
鳥はいつも
そんな隙間に巣をつくる
おだやかな空のもと
揺れる木陰の向こうには
静止したままの朝
さえずりはまだ
誰に気づか ....
無数の昨日を数えながら
この部屋はまた心を殺すのでしょう
抗えないものがあることを知った
見飽きた静寂の彼方に
戸惑いの群集の群れ
その対岸に向けてのクロール
悪魔に尻尾を掴まれたまま ....
やさしくされるたびに
真冬の鯉になってみせた
一番深い底のあたりで
ひげだけ動かして
じらしてみたりした
春になり
浅いところに出ると
やさしい人は
もういなかった
かわりにたく ....
芽が出ている
ちいさなちいさな芽が出ている
この真冬の空き地に
まるで荒野のようだった空き地に
風が吹き抜けたからだ
女神に愛された風が吹き抜け
この地にも雨が降った
雨は芽 ....
おめでとうサンドイッチマン
おめでとうコブクロ
おめでとう白組
おめでとう
きっと
ことしの
あた し
その扉は
鍵がなくても開くのです
もちろん
鍵を持っていても開きますが
鍵の存在を知る人は少ないのです
鍵がなくても開く扉の
鍵のありかはいずこと
おたずねになりますか?
虹の ....
しずかな曲線を描いて
落ちていく
最後の一日が
地平線のあたりで
手を握り合う
もう二度と
離れてしまわないように
やがて朝がくる
信じるよりもあきらかに
疑うよりもたやす ....
海賊が泣いていた
アスファルトの水たまりを見て
海を思い出していたのだろう
海の歌を歌ってほしいと言うので
何曲か歌った
関係ない歌もいくつかあったけれど
気づかれることは ....
受話器を逆さまにして
あの世と交信する
話すように聞き
聞くように話す
すると私は
あの世の人になる
受話器を置く
置き去りにされた
声とか相槌とか
もう思い出せない
....
いつか
目の前の少女が
いなくなる
そんな未来のことを
考えていた
少女は僕に
やさしく微笑んで
お似合いの白い帽子を
空高く飛ばした
落ちていく帽子を
目で追いながら
....
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
情緒に問題あり、と
言われた、三者面談で
帰り道、お母さんが
泣いていた、自転車の
荷台で、情緒の意味を
分かりかねていた
テンイヤーズオールド
西日のまぶしさだけ
息が詰まっ ....
薄着して
地下のパイプ椅子に座っています
怖すぎて
あのひとからの四日前のメールがひらけないマジで振られる五秒前なむさんだ
薄着して
横断歩道では冗談のように雪です
きっと風邪をひいて ....
壁打ちテニスが流行っていた
とある場所がある
心に描いたネットの向う側へと
誰もがひたすらにラケットを振った
放物線を描き跳ね返ってきた球を
時が経つのも忘れ打ち返した
街灯の明りを背 ....
むせかえる緑
森の深みで
一本の幹を背にすらりと立つ
わたしの頭の上にはもぎたての林檎
正面、幾重もの木々ごしに
とらえようとする鋭い矢尻が
抗う弓をキリキリと押しひらいてゆく、あな ....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる
そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
街の中央にあるパリサイ広場にて
毎週水曜日の夜に
聞く者を癒してくれたり昂奮させたり
時には恋をさせるような歌を歌う女がいると
狭い我が家に住み着いている居候が言うので
気晴らしに見に行くこ ....
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