2005年1月に札幌に帰省して感じたこと、「人間が優しい」
そっちの人には当然で、なんでそんなこと書くのか、と感じられるかも知れませんが、こっちの人間からすれば小さなショックでした。
....
温もりの中にいた
みんな微笑んでいた
すべて輝いていた
時が経った
胸に冷たいナイフがささっていた
みんな嘆いていた
灰色の光景だった
また時が経った
....
にゃああとないた
ことばでないた。
確かにないた。
きみは猫だった
どうしようもなくおぼろげな記憶で君をインプットしている
見上げた目にやられちまったんだい 此の世で信頼 ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない
秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月
家 ....
空の瓶が
割れない、音
そして
割れる、音
そして
割れた、音
さ、ゆう、
往復の波で揺れるのは
左右の、
暗い曲線の、
たったふたつの、耳
....
変動を予見する者微熱持ちひとはひそかに囁き交わす
自爆テロ現場に残る指先の紅あざやかに風を掴みぬ
メッセージカードいちまい落ちている楽屋にランプシェードの黄色
柔弱でありつづけるこ ....
何ともやっかいな詩人を採り上げてしまったものである。しかし、一度決めたからには、筆を先に進めなければならない。
入沢康夫は難解な詩人である。とても一筋縄ではいかない。僕のような素人が立ち向かうな ....
ネジを食べる
硬い
ネジ、硬いね
君も食べる
時々軟らかいのがある
不良品なので捨てる
そろそろご両親に挨拶に行きたいのだけど
言いそびれていた話を切り出す
君が嬉しそうに微笑む
....
幾千幾万の人波は終わりを告げない
すれ違う一つ一つの顔を
忘れる代わりに
白の背中が
鮮烈に映える
本当は
黒であり
青であり
赤であるかも知れないが
白で良い ....
しっとり、これは
濡れるために、素足
群れる草の土に冷たく踏み入り
行き場を失くしたことのない、
何処にも行かない、素足でした、濡れるために
こっそり、あれは ....
適度に日焼けした少年は
いつになく饒舌
ヒット2本
2打数2安打
1四球
おー
左中間
あれは2塁打
だったのになー
ワンヒットワンエラー
あれなー
けっこ
や ....
今日はついに選挙の日。
いまテレビは、選挙速報と当選者インタビューにいそがしい。
出始めている結果。
これが、民意。
いまわかった。
私はあのおじさんが嫌いなんだ。
....
「水」という字を見ると不安な気持ちになるので
女は薄目を開けて電話帳をめくる
おかげで大好きな「花」という字もぼんやりとかすんでしまう
今日はついてない
最後までめくり終えると印をつけ ....
ベンチに腰を下ろしたら
まるで恋人みたいな気分になって
不思議
人の通りの薄い時刻
けれども人がいない訳ではなくて
噴水を挟んだ向こうのベンチには
しっかりと
恋人た ....
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている
夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している
午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
....
となり街にある
パン屋のお兄さんはいつも笑っている
入り口の貼り紙には
「冷めないうちに食べてください」と書いてあって
お店のショーケースにもところどころに
「冷めないうちに食べ ....
水槽に知らない虫が湧いているそれはそれとして夏は過ぎゆく
六甲のおいしい水を買い占めてもうすぐ君は火星に帰る
部屋中の精密機器は引き出しへ理工学部の多田君が来る
雨上がり気付かず傘を ....
京都へは
西大寺から各停で行くのがいい
KYOTOステーションは
洛中と洛外を隔てる
無意識で巨大な土壁
だからこそなおさら
裏口からこ ....
ごらん あれは
眠りの間際の窓辺たち
ごらん あれは
烏賊を釣る船の漁り火
人々の暮らしは在り続けていてくれる
汗をにじませながら
涙をうるませながら
人々の暮らしは在り続けていてく ....
そらをみているとね
何にも
いらなくなるよ
何にもほしくなく
さえする
ひとは いっぱい
ほしいものが あるけれど
空は それを 忘れさせて ....
あの日を境に
世界は明らかに下り坂に入ったんだ
たとえばさ
えらい人が逮捕される時ってあるでしょう?
あれね
時代劇の捕り物みたいに、突然いっせいに取り囲むってことは
実は ....
手のひらを
じっとみる
樹木
にキス
傷つけている
怪しい空
魔法じかけの空
手のひらの中の空
伸びる空に
手首に傷
手首にキス
闇を空に
病みを空に
目がつかまえた ....
みきすけとまきすけは似ていて、区別がつきにくいと感じてる人もいるかもしれないので、ここでその真相を書き表そうと思います。
実はみきすけこと私は統合失調症と言う病気にかかっていて、療養していました ....
目を閉じてひゃく数えるあいだの
静けさがこわかった
(いーち にーい さーん)
ぼくはずるだと言われるのがいやだったから
はんぶん泣きそうになりながらゆっくりと
(しーい ごーお ....
なにもないところから
無造作に とりだされる
刺されたひとは
いかなる傷もなく
こともなげに死ぬ
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら
寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる
うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
....
ケーダンレンのオクダをブッ殺せ!
大企業だけボロ儲け
中小下請け奴隷化し
親会社様の言うことだ
いつまでどこにどれだけの
部品を納めに持って来い
必ず来いよさもなけりゃ
二度と取引してや ....
ごらん、
イルカが橋を飛び越えて行くよ。
台風が行き過ぎた
西南西へ
6号の進路とは逆に
青空は底なしのように突き抜けて
まっすぐ入道雲へ
ラジオからエルトン・ジョン
切ないじゃないか
そんなに簡単に手渡さないで
ハンドルを握 ....
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