すべてのおすすめ
嫉妬という言葉を
あなたは教えてくれた
無防備に眠る
あなたが憎らしい
そっと首に
両手をかける
胸の奥で
ちろちろと燃える炎
このまま力をいれたら
あなた ....
行き先は上海
360度、海が見渡せる場所に行けるから
船旅が好き
地球が丸いってことを
実際にこの目で見て
感じることが出来るから
地球の丸みのてっぺんで
デッキの風を感じ ....
小さなアヒルに
似ているね
数字の2
かわいいね
*
事故にあった君が
包帯ぐるぐるのベッドの上で
私を見つけたとたん
Vサインをしてみせた
ふたつの指 ....
真夜中の洗面台で
ぶくぶく石鹸を泡立てる
洗っても洗っても
落ちないのです
どんなにすすいでも
臭うのです
手をよく拭いて
今度こそと本を手に取る
やはり開かな ....
放課後、屋上に呼び出され
どこにいるのかと見渡したら
彼女はコンクリートにうつ伏せていた
近づくと、目を閉じた横顔のまま
私の輪郭を引いてくれないか、と
きっぱりと言った
よく解ら ....
通り過ぎるだけの存在の
あなたはいつも横顔
視線を見られる心配はないけれど
ノートの落書き
横顔ばかりが上手くなる
消しゴムで消すことができず
消しゴムを乗せてとっさに隠す
春に眠れ ....
逆チョコは
製菓企業の
陰謀です
ああどうか
あのひと
騙されて!
電車が
夜になると光るのは
恋をしているからよ
夜の街を
急ぐように駆け抜ける列車の
まっすぐな光の筋
あのカタブツが
淡く夜光するさまは
なんともいじらしい
だから ....
それは
砂糖一袋分の時間だという
いったい何のことだか
あなたの言うことは
時々なぞなぞみたいで
私にはよくわからなかった
息が苦しい
100対3で、塩の負け
なんの勝負だ ....
私たちには
自由がないから
私たちはそれぞれ
素敵なものを提出しあい
小さな箱庭を
作った
透き通る石や
カラフルな千代紙や
マフラーからほどけた
大好きな色の毛糸や
私 ....
悲しみから抜け出せない時は
逆に明るくポップな曲を作ることにしている
あぐらをかいて床に座り
ギターを膝に抱き
最初の指は決してマイナーを押さえないよう
歌いながら
少しずつ構築さ ....
粒を
クリックすると、水滴
水滴を
クリックすると、水溜り
水溜りを
クリックすると、海
海を
クリックすると、海にいた魚
魚を
クリックすると、鱗
鱗を
....
氷の中では
時間も止められるし
欲しい物はいつでも
手に入れられるという
人類の傲慢だと
私は子宮で考える
若く清らかなうちに
冷凍保存が義務化されて
いつでも安全かつ確実に再生さ ....
目が覚めればキッチン
冷たい床に背を着けて
仰向けの天井を見ていた
天井でゆれる光、あれは
水面
キッチンを満たす液体
懐かしく吸い込んで
天井に(水面に
浮かぶ(ゆれる
花びら ....
oooo ooo oo o
視界が濁る
雨が降っているらしい
でもこれ以上濡れる心配はない
目を閉じる
眠ったふりをする
内側までずぶ濡れの私は
人魚だった頃 ....
ルール
受付にて、鍵を受け取る
駅までの交通費はお客様負担
駅のコインロッカーを開け、自由に閲覧してよい
それを取り出し、手に取ってもよい
取り出した場合は、一駅のみ移動してもよい
(その ....
夕べ
拾った羽根の先を斜めに切り
インク瓶に浸し
短く日記をしたためた
羽根で記録する行為に満足し
すぐに日記を閉じたものだから
翌日分のページに
生乾きの文字列が写ってしまっていた ....
私には
雨の日にしか現れない庭がある
窓を開ければ
雨音がこちらまで反響する
そこにあるすべて
落ちている小石、葉の連なり
紫陽花の花のひとつひとつ
存在という音が聞こえる
天から ....
教室の窓から
くもりぞら見上げて
君はつぶやいた
「雨のにおいがする」
君の予言を受けて
ほどなく雨は降り始めた
放課後
よくわかったね、と言いたかった君の
姿はもう、教室になく
....
秘密基地を確保したくて
テキトーな名前を書いて申請を出した
球技かなんかと勘違いしたのか
あっさりと申請は通った
かくして我々
「ビスケットボール同好会」は
授業の合間や放課後の
憩 ....
小説家になりたいなんて
この一年、一行も書いていない癖に
新しい新人を呪う
時代のせいにする
居酒屋に行くときにも
ジーンズのポケットに太宰を捩じ込む
カバーを外した新潮文庫が粋か ....
初夏の雨にけむり
辻褄の合わぬ体温が
濡れたシャツから匂い立つ
傘を持たない二人が
軒下で身を寄せ合い
普段なら持ち合わせない
自意識を
濃くしてしまう
今日みたいな雨を
六月の盲目 ....
それは私にも心当たりのあった感情だ
若かった頃の話だ
私が何気なく褒めた曲を
疑いもせずに聞き続ける君の
ヘッドホン
無邪気に私の本当の声を
拒絶してはいないかい
....
針葉樹林が白くなる季節
男は私を森から連れ出し
街で半そでのブラウスを買い与えてくれたので
私は夏まで生き延びねばならないと思った
男は私をバニラと名づけ
おまえはアイスク ....
05/08(木)
携帯メールが大好きなあの娘は親指姫
05/09(金)
そのかたまりが人間とは知らずに乗る
05/15(木)
わたしの中の海が波打 ....
私の心臓は
金属で出来ているから
感情なんて持っちゃないと
君は思っているのだろう
ステンレスの指先を握られて
公園の木陰へ導かれる時
胸のこぶし大の金属は
かすか ....
あたまのなか
きみがしめる
わりあいは
ちきゅうなら
りくちくらい
かな
ときに
おおつなみ
りくはしずむ
ときに
だいかんばつ
うみはひあがる
なみはあっ ....
わたしは
るすです
よばないで
へやに
とじこもり
じっとしている
ほんとうの
わたしは
たびにでました
じぶんのことを
さがす
たびです
こころだけ
たびに ....
こうふくを
くださると
いうから
れつにならび
こうして
まっているの
せんとうは
はるかかなた
うしろもおなじ
すこしあきて
ふとみると
れつからひとり
....
いたいけな経験値が
ちくちくと目玉を刺す夕暮れ
(そっちにいってはいけないよ)
(あっちにいってもいけないよ)
泣くことも忘れて
瞬きばかりをして今を耐える
手を引かれ ....
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