すべてのおすすめ
すがすがしい挨拶ばかり大陸棚
ベランダで行方不明になる半分
よく隠れ過ぎたあと泣きながら帰る
石を轢いても花を轢いても軌跡
ちちははの流れていった月経夜
....
六月の招待状にマルをつけ刈られて強く匂いたつ緑
噛みついた腕から甘い草いきれ雨も恵みにちがいなかった
二人だけの秘密だよってからまった翌朝 夏草ぐんぐん伸びる
....
遊歩道 風化の隅にももいろの雨が逝く午後 そっと手つなぐ
触れられるそばから羽化をした 二度と同じではない スプリング・イズ・ヒア
不燃ゴミです、と取り除かれた祖父のペースメーカーてのひらに、来る
解剖しても誰にも見つからない場所で君よ、一緒に暮らして、ください、
1という字のように立ち 一という字のように眠れ 孤独な無限
0なんて発見するからいつまでも君の不在が消えないままだ
ON/OFFのあいだに広がる宇宙にて親指は祈る メール、 ....
わたしを
引き寄せた、その腕は
力強く
ふるえて
泣いた
産まれたのだ
けたたましい、君の産声に包まれながら
手のひらによせてくる、鼓動
二重螺旋のかなしみが
わたしのからだ ....
私の右頬には
すぅっと一本の線があります
おさないころ
北海道でも有数の豪雪地帯に住んでいたころ
いつものように、母は
空とも陸ともつかない厄介な白と闘っていました、必須アイテムは
鉄 ....
指組みのように身体を絡めゆく 二人で今日の夜空をつくる
ひとつずつ舌でたどれば直列の熱に融かされてゆくビイドロ
「ねえ、君にアイスピック突き立てたらブラックホールができたの ....
奪われないので
今日もひとり分を生きた
果てのない風船の暗闇で
惑星の君が手をふっている
伸びる道は無限に存在し
いつでも繋がっていると同時に
いつでも一定の隔たりがあり
謎 ....
ひねったら水が出ます ひかっています で? 好き、に理由なんてないよ
踊り場の全員うえを向いている スカートの嬌声がひびく、午後
うす目あけて口をあけてぎゅっとにぎってゴムふうせん ....
あれから2週間が経ったっていうのに
なぜいまも頭が膨れ上がってるのか
理由は自分でもわかっていて
そのうちのひとつは、トーキョー 打ち上げの席でもと子さんが話してた電車話が
私の旅路にふりかか ....
英会話学校のパーティで知り合ったバーナードは
JICAの研修生として来日していた獣医のエリートで
扉という扉を開けてくれ
食事のときは女性の椅子を引く
印象的な紳士だった
街のカフ ....
書いては消し、
書いては、
消し、
夜 、
に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
見えない先から
ひさしぶりに糸を引かれ
私も
糸を引いて応える
紅い汗を流して彫刻のように削りだした核から伸びている、それは
時にたわみながらも千切れずに今も
在る、確かめ ....
穴の夜に可憐な花を引きちぎる 心の底から憎まれたくて
『やさしさ』という字はとても丸いのでやわらかなものと誤解していた
ワンピースに西のワインがふりかかる とれない染みに焦がれど、 ....
どんなに荒れ狂っても
静けさを壊すことはできない
どんな爆音も
静けさの中にあってこそ鳴り響くもの
指で耳をふさぐと
聴こえてくるものは なに
流れやまない肉体のせせら ....
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
むせかえる緑
森の深みで
一本の幹を背にすらりと立つ
わたしの頭の上にはもぎたての林檎
正面、幾重もの木々ごしに
とらえようとする鋭い矢尻が
抗う弓をキリキリと押しひらいてゆく、あな ....
{ルビ後=ご}にまわり我の影、という君がいて 君に見えざる影 我にあり
『君がため』 粘土で出来た{ルビ人形=ひとがた}は受け入れがたき奇形児となる
夕焼けに踏みだす我 ....
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、
着席する、石は、
水、ではなか ....
君は
よわくて
その選択は正しい
うまく隠れすぎて、呻く
君の声が聞こえたときには遅かったのだね、そして
そうさせたのはたぶん私だ
君は
わがままで
その選択は正しい
魔 ....
夕刻
街に初雪が舞いました、そして23時の空には
輝くオリオン
long time no see!
数年前
雪に覆われて色をうしなった冬の真ん中で
バスでのうたた寝が災いし
予 ....
爪痕がなんだというのだ 紅い染みがなんだというのだ 滅びゆく我
我を手厚く葬られたし 国道に擦りつけらるる畜生なれど
愛されたし 海の寝床をうしなって引き離さるる二日目の親子
....
とろとろに
燃えている、もう
ひとふき、あとひとふきで
したたる
ぜんぶしたた、る、
そこらじゅうが燃える、
燃える!
次のことを知っているのねそんなにも潔く燃えて、したた、る、 ....
本当の入り口はどこだったのか
わかったのは
いつだったろう
どこまで上昇しても
融点はなく
波はひきかえしてゆく
そうやって
のまれても、のまれても
打ち上げられるしか
なか ....
名、をつけて、指間からこぼれ落ちる、もの、そこまで愛せ、そこまで愛せ、よ、
彼はいろ我はひかりか 赤青黄おなじ要素で対極に立ち
半分の顔で笑みたるその闇が満ちて怯えん君温け ....
両腕でバランスをとりながら黒鍵を渡る。ちろちろとつま先から炎、揺らめくモディリアニ。白鍵
は床上浸水していて、溶けてしたたるたびにじゅう、って、しずくの結晶なんだ。映る、壁に体と
もうひと ....
あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指
満たさ ....
二ヶ月ぶりに会って
しばらく動けなくなるくらいのセックスをしたあと
夕方にゆっくりと起きだして
二人でシャワーをあびた
あなたのマンションのユニットバスは
浴槽がとても小さくて
ど ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
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