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あれが孤高の星だ
ちらり ちらり
銀河から随分離れ
淋しいところではあるけれど
暗がりにこうこうと輝いているではないか
僕は屋根の上に寝転んで
呼吸をする
....
君について知りたいことは山ほどある
君とはもう別れてしまったものだから
僕は飛行船に乗って旅に出る
美味しい水も持ってね
お母さんと7うまく行ってる?
体調はどう?
薬は飲んでる?
....
あの人は
私の幸いをただ祈ると言った
けれどもし
私が彼女を不幸にしたまま
幸せになったなら
あの人は私を憎むだろう
あの人が幸せになれるだけ
私は不幸でも構わない
....
あなたと
ニ色の絵の具のように混ざり合って
小さな夜が更けていくと
奇妙なことに
今朝ふるさとを発つ時に見た
一群れのツユクサを思い出しました
あなたを穢したくないのに
穢してしまっ ....
湧き水の底から
三日月が現れて
私に問うた
空の寿命はいかほど?
さあ
太陽にも相談しませんと
何とも言えません
太陽は山の端に隠れる最中で
やさしく
月と太陽がかき ....
みかさをください
クロレヨの上から
こっそり手わたしで
安らかな生活ができますように
みかさは
いつかつかさになってもよい
二人のものにしましょう
ひそやかに
大きなまちに
....
雨粒に濡れる蜘蛛の巣
行き交う車のワイパーは
静かに動いている
食べ残しのとうもろこしを卓に見
私は夏の訪れにについて
思いを巡らす
齢を重ねても
全く同じ夏は来ない
ただその ....
あなたが僕の夢に現れなくなって
ひと時が経ちます
幾度あなたの御姿が
僕を切なくさせたでしょう
僕の思い描くあなたの像が
西から東へと傾き
照れたように笑っています
お母さん
....
知恵を運ぶ美少年が
いつしか薬漬けの老青年と化し
やっぱりそうかと言われそうなことに
人生の階段を転げ落ち
崖っぷちです
誰か助けてください
神様が私をひょいっと盆の上に乗せ
へ ....
三つの茶碗が二つになり
よそおう手も男の手になり
食膳に向かって
私は父と向き合って
鍋をつつく
鍋の中から菩薩様が出てきて
食卓にこぼれた汁を布巾で拭ってくれた
父と私は一瞬黙 ....
小春日の
短い夕まずめの頃
風を追いかけて橋を渡っていくと
軒下に
うり小僧
てへっ と笑ってはにかむあいつ
ずんぐりでっかい目玉を
ぎょろぎょろさせて
うりのような顔つき
月が ....
木の葉が水面に舞い
遠い街の音楽隊が通りを行く時
私の想いはそこはかとなく乱れ
思わずイギリスの賛美歌を口ずさむ
耳を凝らし密かに求める主の言葉
祈りの後に祈りを重ね
右であろうか 左 ....
ランブルのデミタスを
すするように飲むと
僕の舌先に
震えるような秋が来た
ドミ二クチノの蒼い絵が
氷のように冷たく見え
飲み干して
しばらく歓談していても
僕の胸のうちの秋は
....
新幹線のぞみ22号で
トンネルも
山も
街も
風景をシャッフルだ
ああ
僕は恋人に逢いに行く
携帯のメールも
僕のはやる心も
空に弾けて
砕けそう
銀緑の光線が
四 ....
風吹き渡る窓辺で
天使の梯子を見た
低く垂れ込めた雲間から
地へと向かう光の筋を
私は決して清い人ではないけれど
神様は幾度でも許してくださる
清い光が近づくと
怯えてしまう僕は罪び ....
か細いわらの詩人が
明るい月の下
カバと話した
「僕の詩を読んでくれよ。
これが僕の他愛ないけれど、
たった一度の人生なんだ」
カバは当惑しながら読もうとするのだけれど
ちんぷん ....