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 さよなら。ひとりぼっちで家にいたら、クーラーが熱い風を噴出して、私はなにもかもいやんなった。さよなら。町中が重い海風で湿っている夜になにかを考えるのはよそう。セイレーン、私は叫んだりしない。もう、二 .... 月が話しかけてきそうな夜に君と森に行った
長袖のセーターの編み目から晩秋を感じ
ことさら淋しく侘しく森の音が響く夜
足元で君の足音どんなにか頼もしい
私が迷わなくてもいいように
君は歩く
 ....
鋼管通りで見上げた空は
なんとなく青くて
煙突を何本も飲み込んでいた
あんた女みたいだね
それに引き換え
あたしは日に焼けた肌と
にじんだ人生と
メンソールじゃない煙草
拾っていきやが ....
お台所で
平目は五枚に下ろすのよって
ちょっと得意げにしているわたしも
豆鯵は指でおろすの
ほら、こういうふうにって
えらのところに親指をねじ込んで
躊躇なく{ルビ腸=はらわた}をひねくり ....
昭和44年3月、神田駿河台の山の上ホテルの一室で父とふたり。曇った窓ガラスを掌でふくと、夕闇の学生街に純白の椿が空から無数に落ちてきた。近所の氷室さんちのおじいさんが丹精込めた庭に咲く八重の、あの白い .... 「ロビン・グッドフェローを探せ」


悪を憎む男
ロビン・グッドフェローを探せ
晩秋の森の奥深くに隠れている
弓の使い手を探せ
見えない未来とさかさまな世の中
逆転の力学を背負って迷っ ....
山崎くんは六年生
いつもサッカーボール蹴っていた
放課後鉄棒見ないふり
スカート回りで前回りくるりと回ると
山崎くんもくるり

仰げば尊し三色菫
手渡せず見送った

山崎くんはセンタ ....
子供の頃からその駅前には大きな百貨店があって、今は再開発かなんかで、まわりの高いビルに埋もれるようになってしまったけれど、私にとってその百貨店は世界で一番すばらしいところだった。百貨店の正面玄関のすぐ .... 言ってはいけないことに
なりつつある言葉があって
もしくは
彼らには意味を理解できない言葉であると
言いなおしたほうがいいかもしれないが
その言葉について
僕は、毎日、考えている、と
 ....
 昔、横堀さんというおじいさんとお話しするのが好きだった。横堀さんは南極にいったことがあるみたいで、オーロラの話とか、地吹雪の話とか、それから私をお膝に乗っけて「娘さん よく聞けよ 山男にゃ 惚れるな .... あたしのストローは
ほろ苦いジュースで
あたしを苦しめたり
悦ばせたりする
でも大好きだから
あたしはいっつも
ストローお口に含んで
運ばれてくる液体は
全部のみほしちゃう
たまに、 ....
わたしのキャンディーボックスは閉鎖的な雰囲気
零れ落ちるわたしの手のひらにはフェイク
あくまでアップルフレイバー
でも一粒舐めると甘い夢を遡上する
わたしの原始的回顧
エヴァは、何故、林檎を ....
台風が行き過ぎた
西南西へ
6号の進路とは逆に
青空は底なしのように突き抜けて
まっすぐ入道雲へ
ラジオからエルトン・ジョン
切ないじゃないか
そんなに簡単に手渡さないで
ハンドルを握 ....
その美意識の中では美しいとされているのか
目のない魚たちは見たことのない光など求めない
もしかしたら、その静寂は、ほんのひとかけらで
そのかけらさえ理解できない未来は過去になっていく
このまま ....
高校二年生の冬、谷川岳で幼馴染が遭難した。きっと、眠っちゃいけないと眠っちゃいけないと思っていただろう。その日の朝刊で捜索が打ち切られたことを知った。

初恋の人は学校を辞めて谷川岳に彼を探しに行 ....
わたしの身体は三日月の野原です
このなだらかなカーブは
どのみち受け入れるための
情報を得る手段であり
触角のようなものです
屹立と振動が描く
幾重にも連なる波状のはしっこを
数千億もあ ....
「10月 」


少女だったころ
それは青空と同等で
わたしは生きる喜びを持っていた
埋もれていたものを
そのたび拾いあげても
掌から滑り落ちていく
昼間の悪魔は友人といい
夜中の ....
みんなヤサシイ
わたしにヤサシイ
タイリョウノオクスリ飲む
飲まれるタイリョウノオクスリ
サヨナラ今日こそサヨナラ
元気が出るとリストカット
ご飯を食べれば
オネーサン指とオニーサン指が ....
少女の頃の恋は夏とともに
終わってしまうものなの
その恋は
秋は嫌いなんだよって言った
彼の夏休みの一部であって
砂浜の足跡みたいなもん
それでも馬鹿みたいに
求めあった身体には
きっ ....
昔の知り合いから電話があって
ちょっと帰ってこないかって
ナンデって聞いたら
亀ちゃんが死んだよって

久しぶりに海に下りた
なんにでもなれるような気がして
なんにもなれないジレンマ感じ ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
あおばさんの芳賀梨花子さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨季- 芳賀梨花 ...自由詩4*09-5-31
愛犬- 芳賀梨花 ...自由詩1*09-5-29
Dutchman's_pipe_cactus.- 芳賀梨花 ...自由詩3*09-5-25
さかな- 芳賀梨花 ...自由詩8*07-4-6
美しい朝についての記述- 芳賀梨花 ...自由詩5*07-4-4
Nobember_Tales.- 芳賀梨花 ...自由詩10*07-1-21
山崎くん- 芳賀梨花 ...自由詩4*07-1-19
R- 芳賀梨花 ...自由詩3*07-1-11
アレン・ギンズバークとクリスマス、そして僕のこと- 芳賀梨花 ...自由詩3*06-12-31
昔、横堀さんというおじいさんと- 芳賀梨花 ...自由詩7*06-12-30
ストロー- 芳賀梨花 ...自由詩5*06-9-2
根源的な私的リビドーとアップルフレイバーのキャンディー- 芳賀梨花 ...自由詩8*05-9-13
午後、西南西へ- 芳賀梨花 ...自由詩6*05-9-8
深海魚- 芳賀梨花 ...自由詩8*05-9-1
早春歌- 芳賀梨花 ...自由詩11*05-8-30
女体についてのオマージュ- 芳賀梨花 ...自由詩19*05-8-29
小詩篇_「砂浜」- 芳賀梨花 ...自由詩10*05-8-27
感謝- 芳賀梨花 ...自由詩9*05-8-27
鵠沼橋- 芳賀梨花 ...自由詩4*05-8-26
ウミガメ- 芳賀梨花 ...自由詩13*05-8-24
Saudade.- 芳賀梨花 ...自由詩14*05-8-22

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