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雨は世界のかなしみなのだと
あなたは言った

何処かの誰かの何かがこぼれ
気化したあとに上昇し

消化しようと昇華する

雨は世界のかなしみなのだと
あなたは言った

晴れて ....
 
下を向いて歩いていたら
電柱にぶつかった

下を向いていたのだから、あたりまえだ

ぶつかったところを触ったら
赤い血が指先についた
ひどくぶつかったのだから

血が出ても、あ ....
 単純なことほど難しく
 複雑なことは解らない


無器用なことを言い訳にしながら
いま退屈が僕を殺そうとする


出来ることと出来ないことの境目には
いつも壁があるから
仕方なく ....
種をまこう

名前も知らない種でいい
名前や理由なんてあとでいい

木を植えよう

太く立派になるかなんて
植えるまえから考えもせずに

今すぐにでも
今だからこそ

きっと ....
ありがとうと
一日に一度は言いたい

ありがとうと
誰かに言ってもらうためでなく

ありがとうと
自然に言える自分でいたい


   ※


きみがいつもと違う顔で教室にきた ....
大学合格の連絡をうけて
「おめでとう」くらいしか言えない僕です

嬉しさのかたわらで
ひっそりとたたずむ淋しさを
どうしても感じずにはいられない

卒業式は三月

けれど何かを卒 ....
「おかあさん あの人 飽和してるよ」と
小学生くらいの子が僕を見ている

「大人になると 何人かは ああなるのよ」と
お母さんが僕のほうを見て子供に説明している

    ※

胸の奥 ....
よくなくきみがなかなくなった

あえば「だいきらい」っていってたきみが
ほんきでみらいをみつめようとしてから
ぼくのめをみてはなしてくれる

よくなくきみがなかなくなった

くちもとが ....
砂漠に蒔かれた種たちは
けして芽吹くことはないと
それは誰にもわからない

渇ききった大地に
足りないものはなんだろうか

水だろうか
水を与える人なのだろうか
雨を降らせる雲なのだ ....
昨日のわたしを丁寧に埋葬する
それはやはりひとつの儀式として

今のわたしの内側には
そうやって埋葬されたいくつもの棺が
記憶と名付けられて並べられているのだ

さようなら、昨日や、あの ....
ある夜の夢の中
ぼくは一つの素晴らしい言葉を吹いた

それは宝石にたとえるならダイアモンドのようで
気分にたとえるならすがすがしい朝の目覚めで
まだ眠ってるどこかが新しく生まれたようだった
 ....
「探さないでください」

そんな手紙を残して
君がいなくなってしまったから

僕はちまなこになって探したんだ

押入れ、風呂場、トイレ
良く行くレストラン、レンタルビデオ屋

何処 ....
わたしをゆるしてください

そうやって
かつてわたしのかたちをしていた
うろこをはいでゆく

ときにはたてのようにして
じぶんをまもるためにまとっていた
うろこをはいでゆく

そん ....
三月ですから
春の匂いをただよわせる風も吹き
草木の色も何となく鮮やかに見えるのです

あなたは
うまくふくこともできない口笛で
僕が知らないメロディーを
そんなものたちに聴かせるように ....
子猫を抱き上げるような眼差しで
この街を歩く人は少ない

真剣に生きようとする人の眼光は鋭く
何かを諦めたような人の眼は暗い

そんな視線が複雑に交差しているのを
私の視線は知らずに追い ....
夜の匂い

風にのって運ばれてくる秋の気配
近づいてくるものがあるとき
遠ざかるものがあることを
忘れないでいたい

街灯の下に積まれた
夏虫の死骸をよけて歩く

漂う ....
ミンミンと鳴くこともなく
たまたま出会ったセミは
コンクリートの駐車場に
ただ しがみついていた
生きているのか死んでいるのか
さわったら ジ っと鳴いた
逃げることもしないので
ひどく ....
{引用=辛い夜を過ごして
束の間
平穏な時間が流れるとき

あなたのそばに
神様がいることを
あなたにとっての神様を
感じることがある

それくらい
神様はひっそりといる
眩しい ....
真っ白だったところに
思い出はときおり順番もなく
まるで誰かの落書きのように在る
それはたしかに自分が経験したことや
自分が学んだものであるはずなのに
忘れてしまいたいことほど鮮明で
忘れ ....
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ

じめっとした空気の中で
さらっとした表情で
陽だまりの
あたたかい記憶を抱いて

梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ

小さく動く前あしで
水のない空 ....
あなたの瞳にうつるものが
どんなにあなたを悲しくしているか
どれほど考えてもわかりません

あなたの背中がいったいなにを
どれだけ背負ってそんなにも
淋しく見えるのかわかりません

け ....
ひとつひとつ
家の窓にあかりがともりはじめて
空がかたちをなくしてしまうと
淋しさみたいな感情が
行き場を探す

そんなときは目を閉じて
くっきりと晴れた日の
空を思い出すんだ  ....
レンズの先
逆光が眩しかった
それ以上に、ああそうだ
季節の躍動感が眩しかった
シャッターをきるようにして
日々がめくられてゆくなら
その少しの変化を刻んで
残してゆこう

刹那は
 ....
{引用=雨の日、その一日が悲しいのは気のせい

誰かが言っていました
「雨は世界の涙です」
それは違うと思います

僕には僕の世界があって
本当に世界と言ったら
それは途方 ....
{引用=おまえ
なまえなんていうんだ?

わんわんしかこたえられないんなら
いぬっころでいいか?

べつにばかにしているわけじゃないんだ
ポチとかじゃありふれてるから
いがいせいをねら ....
あまりの暑さに立ち止まろうとしたら
影が自分よりも先を歩いていることに気づいた

慌てて追いかけてたどり着いた交差点

道路にはみ出した自分の影が
通り過ぎてゆく車にひかれている

何 ....
「大丈夫だよ」と
いつも笑顔で言ってくれる

あなたの後ろ姿が
本当はいつも悲しい

それは
あなたの言葉を悲しく思うわたしと
あなたが抱えている悲しみのせいだと

わたしは本当に ....
ある夕方

妻が台所でエリンギを持って立っていた
しげしげとエリンギを眺めている
じっくりと観察しているようにも見える

よりによってエリンギだったので
エリンギを握っている妻 ....
生きるほどに
すり減ってゆくとしても
僕は原石のままでありたい

たとえ自分の中に
トパアズやエメラルドみたいな
そんなきれいなものが隠れていても
僕は原石でありたい

たとえいびつ ....
言葉にならないものたちを
白いスケッチブックに描いていた

ふくらんではじけそうな花のつぼみ
ゆるやかな風にふれる木の枝

言葉にならないものたちを
白いスケッチブックに描きたかった
 ....
あおばさんのベンジャミンさんおすすめリスト(201)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『レイン』- ベンジャ ...自由詩5+*16-5-18
「あたりまえの、その先に」- ベンジャ ...自由詩8*14-4-4
「退屈が僕を殺す」- ベンジャ ...自由詩9*13-3-13
「この渇いた大地に」- ベンジャ ...自由詩5*13-2-21
「朝おきて鏡の前でつぶやくこと」- ベンジャ ...自由詩11*13-2-5
「卒業する」- ベンジャ ...自由詩412-9-13
「飽和する」- ベンジャ ...自由詩4*12-9-9
「こおりがとけるまで」- ベンジャ ...自由詩412-9-6
「砂漠に蒔かれた種たちは」- ベンジャ ...自由詩312-6-4
「埋葬」- ベンジャ ...自由詩812-5-29
「夢落ち」- ベンジャ ...自由詩712-5-21
グラタンと君と- ベンジャ ...自由詩811-4-23
「うろこ」- ベンジャ ...自由詩5*11-3-22
雨模様- ベンジャ ...自由詩6*11-3-1
「視線」- ベンジャ ...自由詩4*10-12-27
「遠ざかる季節に向かって、さよならを言うまえに」- ベンジャ ...自由詩3*10-8-15
セミ- ベンジャ ...自由詩9*10-7-31
「あなたのそばにいる神様」- ベンジャ ...自由詩2*10-7-13
めまい- ベンジャ ...自由詩5*10-6-21
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ- ベンジャ ...自由詩6*10-6-20
「湿度」- ベンジャ ...自由詩17*10-6-11
空のかたち- ベンジャ ...自由詩1*10-6-2
木漏れ日カメラ- ベンジャ ...自由詩2*10-5-26
「雨の日、その一日が悲しいのは気のせい」- ベンジャ ...自由詩6*10-4-16
「いぬっころ」- ベンジャ ...自由詩8*09-7-16
「影と歩く、夏」- ベンジャ ...自由詩10*09-7-13
「いつも少し悲しい」- ベンジャ ...自由詩4*09-7-9
「エリンギ」- ベンジャ ...自由詩3*09-7-1
「原石」- ベンジャ ...自由詩6*09-6-20
「六月のスケッチ」- ベンジャ ...自由詩7*09-6-8

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