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悪戯がからだに忍び込む
その悪戯がうるさいのだよ

うるさいのは…なんというか
空を満たす透き通った布切れだとか
電気の波だとか
話し声
それらに押し流される私の意思
意思なんかカケラ ....
夜になったらねむくなるのはすてきだ
きもちいいだるい感じなんだ

もしイライラして空気がビリビリしているなら
そのささくれがしおれるのを待つことだ

ただそのささくれが治まらないなら
そ ....
毎日をさかのぼる

一瞬があらわれない
そう出て来ない

さかのぼるから
には、そこにみなもとがある

けれど
ららら
ちょっと歌っていたら
買い物を忘れた
買い物も買われるも ....
山のあなたの空遠く
はっきりはっきり目が覚める
布団を押し上げて
燃えてしまっている
あなたが幸いではなく
きがかりだ
何の関係もなくきがかりだ
そう
そういうこと
きがかりだ
み ....
コーヒーカップの横に、本がある。
『「待つ」ということ』 そう本がささやいている。
私の心に問われた。私は何を待っているのか?
コーヒーをかきまぜてみる。
耳が頭がカラダがざわざわしている。
 ....
気になる
気にする

木になる
木にする

おなじ「キ」なのに、「木にする」はおかしい
何を木にするのだろう
あの人を木にすると魔法使い
ぼくが木になるとお友だち
知らない ....
 高野五韻さんが今日現代詩フォーラムで、すばらしい散文を発表していた。(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=75981)以前ブログで発表していたので、読んだこ .... わざわざ心に波を立てて詩を書くのはどうか
どうか

波は不思議な力で打ち寄せるもので
波がない時は、ない
海を見るものはもっとよく知っているだろう
ぼくの目の前には、海は現にない
ぼくの ....
「悩んでいます」という場所の
奇妙な安定感 
むさぼる後ろ向きの安逸
それらに苛立つ
しかしそれははじまり
冷たい風がふく
ゆっくり歩いている
スタンバイする
内観する
飛行へ

 ....
歩く すきまだらけのからだに
すぐさま
圧倒的に
言葉の貝がらが入ってきて
それは ひとのにおいがして
たいそう悲しい春先の光となる

光だけだと寒いから
あなたは空と ....
車いすを押して歩いた
そんな日があった
Oくんはひざかけをして
「石川さん、こんにちは」と云った

「こんどな お父さんと…奈良いくねん」
寒い道だ
空が透明な血のかたまり
 ....
いのちの外れをふらついて
月が見える窓にもたれる

二月の終わり

ねむいは深い深い深い

ベッド
指先がまくらの影をつきさして
おきあがれない
おきあがれない

芽が ....
よろよろと海岸線を歩いていると
月が見えた
タバコの煙が風に乗って流れた
ああ俺は
照らす光におびえながら立っている

それから海に向かって眼をやった
錆びた商店街が背中にあった
波は ....
夜になると
考え事が増えて
朝も考えているけど
いつでも
今から
考えることができる
たくさんの雪の
物憂げなテレビニュースに押されて
僕は
やらなくちゃいけないことを
考える
 ....
夕暮れ
曇っている
電車
走る
わいざつな銀河の中を
見えない草をかきわけて
走る
その中で
すれちがう
スレチガッテイク
わたし
わたしたち

生まれる手前から
死んだ後 ....
朝だからね
力入らないけど
別れ話したのだ
昨日から


私小説に近い
ほんまに
なのにちがう

本当に色々
話したんだ
すわって
ねて
パン食べて
いってらっし ....
傷ついた
というより
どうしようもなかった
話がある

洗濯物をたたんでいく
パンツ
シャツ
ヨーロッパ


僕の無器用さは消えない
どうしても嫌なことは嫌といってしまう
言 ....
兆し
まだ何のためか
なんであるか
わからないまま
僕は
昼間泳いでいる

つかんだ波
はなさないために
好きでいられるように
とつとつと
祈る

笑うひと
奪う波
死に ....
闇雲にかいてたら
白い雲に襲われて
遅くなって
白けた
知らない雲
クモ
おんな
走り去って
死んだわたしは
弾かれた
世界から
ひとりのおんなが
席をたって
わたしを避けた ....
水の中にいると
からだが少しだけ重くて
しぶきが鮮やかで
とても冷静で
水から顔を上げて
ゴーグルから水がこぼれて
いつまでつづくかわからないけど
いつまでも
いつまでも
少し苦 ....
*私の読んだ「ハルキ文庫」は三部構成になっている。
?頭脳の塔
?航海日誌
?草書で書かれた、川
*これらは直接詩集タイトルではない。

◎印象

「現代詩」という先入観を破ってくれた ....
朝日新聞が降りそそいでくる夕べに
お茶をのもうとして
ぼくは
お茶がないことに
気づいて
原稿をおいて
タバコすった
今日は
出かけなかったんだ
朝から

そうして弱火で ....
ひとつ
数えている間
雨の中を子どもが走って
ひとつ
明かりがともると
夕餉をかこむ

その間取調室で
自白がひとつ
強要されている
息をしない人の形が凍え ....
うつくしい
よるのきよ
わたしはしななければならない
あのこのために

ほんとうに
しずかなよる
さわぐ
がさついたじょうねつ
どうへんじしたら
いいか
わからないでしょう

 ....
きぼうをすてたら
おわりがこない
かなしみもこない
いきだけのこるから
いきをする
だいちにくちづける
でんぱのてがみをまつ
まちつづける
こない

きぼうをすてたらいけない
せ ....
はてることのない
くらしやかなしみに
のまれながら
わたしとあなたは
いる

うつくしくなんかない
ぼくだけのひめごと
あなたのことば
かいだんをのぼるように
そのうえに
うっす ....
にんげんを神の家畜だと思った人がいる
あるいはそうかもしれない

そんなのおかしいよと誰かはいうだろう
あるいはそうかもしれない

じゃあほんとの家畜はどうなるんだと
ニュースキ ....
誰かわたしを飼ってください
朝 かろうじて
そう わたしの耳がささやいたとき
ひとが姿を現しはじめた

かつて わたしがどんぞこで
まだ 形をとりもどしていない頃だった
 ....
与えられた運命のがっちりつなぎあわせられた糸
ほどこうともがくぼくは

一匹の昆虫としてもぞもぞと眠るだけ

何かしなきゃってわかってる
信じようとしている運命を
それが正しい道 ....
驚くべきことに土佐日記はおとこがおんなになっておとこのことばを使うしか日常の文学が書けなかったという困難を表している。日本語を使うときそんな歴史があったことを考えるといろんなことがみえてきそうだ。おと ....
あおばさんの石川和広さんおすすめリスト(61)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さがしつづけてしまう- 石川和広自由詩4*09-1-21
ささくれがしおれるまで- 石川和広自由詩6*09-1-21
ねがい- 石川和広自由詩14*08-6-22
マテリアル- 石川和広自由詩8*08-5-3
昼下がりのテーブル- 石川和広自由詩12*06-12-18
ふたつのキ- 石川和広自由詩11*06-6-13
つれづれに思う詩の世界- 石川和広散文(批評 ...11*06-5-26
潮目- 石川和広自由詩7*06-5-3
飛行- 石川和広自由詩8*06-3-29
三月- 石川和広自由詩9*06-3-6
それぞれの時間- 石川和広自由詩5*06-2-27
手のひら- 石川和広自由詩8*06-2-24
静かな海- 石川和広自由詩9*06-1-19
冬空- 石川和広自由詩6*06-1-13
生誕- 石川和広自由詩5*05-12-29
現実と奇妙にねじれた空間- 石川和広自由詩4*05-12-19
暮れ方- 石川和広自由詩14*05-12-10
通り道- 石川和広自由詩9*05-12-8
- 石川和広自由詩3*05-12-5
平日昼間のスポーツクラブ- 石川和広自由詩3*05-12-2
◎吉増剛造覚書—ハルキ文庫版「吉増剛造詩集」感想_- 石川和広散文(批評 ...6*05-11-28
出かけなかったんだ- 石川和広自由詩5*05-11-16
かぞえうた- 石川和広自由詩10*05-11-11
げんき- 石川和広自由詩5*05-11-9
まえをむく- 石川和広自由詩6*05-11-3
こきゅう- 石川和広自由詩7*05-10-28
ニュース- 石川和広自由詩4*05-10-26
ハウス- 石川和広自由詩8*05-10-26
恋虫- 石川和広自由詩11*05-10-24
土佐日記からおんなへ- 石川和広散文(批評 ...11*05-10-17

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