すべてのおすすめ
子どもいるから夜中にロイホとかでお茶できないの
けっこう不自由だけど
まあいいよ
でもこうやって
たまに話せるといいね
シングルマザーだから
厳しいっすね正直
え、マジ知らなかったす ....
古い家財道具を片付けながら
スピーカーから音を鳴らす
若いあの人の声が、聞こえてきた
突然の、夏だ
憧れの、あの季節
可愛かったあの子、すらりとした脚
どこかへ、何かへ、気持ちだけが走り出 ....
ラジオから流れる
ピアノとポップスの音が
疲れ切って、疲れ切った体に
じんわり、じんわりと溶け合って
夕暮れと仲良し
きょうも1日
ごくろうさまでした
なんてね
区役所の、トイレを借りてため息
その場しのぎで生きてきました
それが何か
誰もが今日という日を精一杯
手持ちの力で生きている
最善を尽くしている
”一億総活躍”なんて、ヤンキー ....
わかっているのだ
燃えるゴミは火・木曜日
かんとビンは水曜日
古布と資源ゴミは土曜日
でも、間違えたのだ
自治会の方がやってきた
ゴミを突き返し、怒るのだ
間違えた、やってしまった
そ ....
遠い、遠いあの日
結婚式のときにいわれたな
サムシングブルー
何か青いもの
「青」とは
透き通る
悲しみと、誇らしさ
おお、結婚。
はて、それならば
離婚の色は
何 ....
かなしいことがあるのだ
だから黙っているのだ
言えないことがあるのだ
だから扱いづらいのだ
当然の怒りを、されど我慢しているのだ
きっと理解してもらえないのだから
どうにもなら ....
不幸だね。
混じりけのない、不幸だね。
純度100%の不幸だね。
もう誰も、あなたをとめられないほど不幸だね。
正真正銘、不幸だね。
今時珍しい天然モノの不幸だね。
遺伝子組み替えなんてし ....
耳を痛めたくないから
仕事以外で
ヘッドフォンは使っていなかったのに
偶然押したボタン
あまく、やさしい声が
右へ、左へ
流れては消えていく
切なさにとろけるような
魔法の声
....
1980年になったと
あの日、テレビはカラフルにうたっていた
パロディでも懐古趣味でもなく
アイドル歌手は真っ正面に
キラキラな服を着て歌い
その後に続いてニューミュージックがかかる
....
何か自分に
とても
くだらなく、
そして
やさしいことを
してあげたくて
3歳児が寝静まってから
缶ビールとスナック菓子を用意した
酒は苦手で飲めない
けれど
時給ベースの仕事で
....
ラジオから
音楽が流れている
朝の光が窓から差し込んで
世界がうんと美しく見える
女らしさや、男らしさが
ちりぢりばらばらに散らばって
混ざり合ったその向こうの
いや何にも混ざり ....
早く、早く
手を取って
走り出す
子どもたちを追いかけて
私も月日をさかのぼり
もう20数年もむかしに来た
ことしのサクラの色
いつもよりもずっと
白っぽいのは
冬が寒かったから ....
来るよ
音がするもの
ザクザク ザクザク
ザクザク隊の音
兵隊さんの靴の音
音楽室の真向かいの
ラグビー場は昔
兵隊さんの
中継地だったって
だから聞こえる
夜になる ....
苦しいけれど
色鮮やかだった
恋をしていた
11時でも、12時でも
遠くても、行けた
何度でも
傷つける、と
思った
だめだった
ため息をついて
明け方
始発 ....
だから結局
「来月からワーホリ行くから」
っていわれた時点で
ああ、もうだめなんだなと
これは、置いて行かれるんだと
私はいったん、絶望しちゃってて
なんでみんな
突然なんだよと ....
繰り返す波のように
朝になっては押し寄せる人
駅に向かい、新聞買って
人を押しのけ、上り電車
さきほど中央線で人身事故が発生し
東京―高尾間は運転見合わせ
もしや、知り合いではないかと ....
あたしは どうしょうもなく嘘つきで
他愛もない嘘をついちゃあ
信頼をなくしている
約束を守るのもできやしない
決めた時間に来たためしがない
社会人も失格だ
マニキュアを塗った指が好 ....
会社やめようかなと思うとき
まあ
あたしはダメな女だ、と
思う。
部長の嫌みとか
年下なのに先輩の女性の
キツイもの言いとか
立ち回りも取り急ぎも
不器用な自分のこととか
....
おとなになること
もう学校に行かずにすむこと
(学校のセンセイを除く)
お中元とお歳暮をもらったりあげたりすること
(バレンタインデーよりも重要になるかも)
おせち料理の黒豆やひ ....
いつも寄り道せずまっすぐ帰るあなたが
今日、突然に、隣駅で降りたのはなぜ?
缶コーヒー1杯分の小銭も節約するほどのあなたが
急に、ここでブレンドを頼んでいるのはなぜ?
いつも我慢強くあの人 ....
彼女が病院に運ばれたのは
もちろん、1度や2度ではなかった。
家族からの虐待や、いじめや、不和
あまりに多くの出来事が
幼かった彼女の神経細胞を傷つけ、
その後の日常生活を困難なものとし ....
五月
木々の葉は一様に緑なのではなく
光を透かしている組織の集合体
根元から吸い込んだ水分が
先端まで流れ
蒸発という形で、外部へ溢れ出す
風薫る季節
ようやく長袖を脱ぎ捨てた素 ....
電話できいたあの人の声は
限りなく藍色にちかい、
薄紫
遠くに見えるあの人の存在は
夕暮れと夜の境界みたいな
インディゴブルー
思い出せるのは
それだけ。
長い長い坂道を
あなたと手をつないで歩く
冬が終わりかけて
ぼんやりとした太陽が
あたしたちの後ろをついて来る
あたしはもう、終わりだと思ったし
あなたはまだ、何も始まってないと言 ....
急に雨が降り出して
道路を水玉模様が
バラバラ攻撃
背広をきたおじさんが
新聞を頭にのっけて
横断歩道を走って渡る
スーパーの店先では
従業員がマッハの勢いで
商品にビニールを ....
ある時、何にもしない時期が
けっこう長い間、続いてしまって
ヤバイ、金がなくなる、と思って
バイトすることにした
別に
不景気だったし
フリーターとかニートとか
いろいろ社会問題とか ....
はじめは数百人規模の集まりだったと思う
広い講堂の中に集められて
長い話を聞かされた私たちは
みんな、退屈で、飽き飽きしてしまい
好き勝手な話をしていた
いろんな人の噂話とか
週末の予 ....
頑丈なこころを
作っとこ
あの子から、待ちかねた連絡が来て
あんまりにも待ちかねていたもんだから
つい、嬉しそうな声、出した途端に
「ごめん忘れてた、やっぱダメだ」
それが、金曜の ....
早番であがった日
明日のこともわからず
夕暮れに、川の流れを見てる
社員さんの嫌味も聞き飽きたなと
すこし考えてみる
あたしなにやってんだろ。
お金を触るから、指が汚れる
手 ....