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弁慶が大口開けて鍋の中
曇天月隠す湯気あんこうの鍋
煮凝りやぷるんとする皿皮の裏
舌鼓おやじに高笑いでも無く福笑い

角の老舗の佇まい
ガラス戸を開けると顔を出す
ぬっと顔出す親父の顔は ....
その男
生まれたときは貧相で、猿にも似た面立ちで
決して可愛い泣き方もせず、

その男
幼児となって生意気に
おさがりは嫌だと駄々をこね

その男
友も作らず師も知らず
世話を ....
心弾む春の息吹を感じられる今
街中にぽつりぽつりと桜色が見える。

昨年
駅から病院へのだらだらとした並木道
物言わぬ君に逢うため、毎日歩く桜並木
春はもう来ていて、桜は花弁を散らして ....
黒猫

サッシ窓の外の白い雨
買い主のベッドの上
端正な座り方をしたまま
黒猫は夜の雨を眺めている
飼い主が死んで一年
じっと外を見ている

黒い瞳に映っているのは
寒い線なのか
 ....
嬉しいとき

悲しいとき

歌がある
一緒に過ごす歌がある

寂しいとき

楽しいとき

歌がある
一緒に寄り添う歌がある

歌が失われるほどの
深い心 ....
すみません!!
僕、ぐうたらなんです。
ぐうたらなんですから
ほっておいてください。

何か偉い人とは違いますから
偉そうな人はそこかしこにいますが。

ところで、
空があることは知 ....
根の堅州(かたす)まで逃げ果(おお)せるか

その先黄泉(よみ)の暗い道順(みちゆき)

荒神谷の奥深く 
人影も無く、道も無く
鬱蒼(うっそう)とした下草と
室(むろ)を作る地(じ)  ....
キャンバスにぶちまけられた
黒い染みは
ロールシャッハテストの染みではなく
怒りの沸点を超えた悪意の染み出たものです

俯瞰して眺める自分の視点は
この惑星の遙か三萬キロ上空にある
季節 ....
古墳群に立つ

前方後円墳の周り

鴉と古木

楠の古木が一本だけ屹立する

人と古木

楠の古木も敵わない

古木といったところで七〇〇年

その倍の歳月をこの小山はやり ....
世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋の風 ....
ぢゆうばこの隅のみ知りたるつまやうじ

ぢゆうばこと歯ぐそのとものやうじかな

ぢゆうばこの隅を突いて腹八分
およそ文芸である以上読者がいて、
個人的な人生あるいは社会的になんらかの影響力をもつもの、
あるいは芸術としての愉悦を読者に与えるものでなければならない。
なんてね!

詩として

C4 ....
夏の暑い日差しの中に佇む古いビル群
道路の照り返すビルの窓硝子の中
子供たちの笑い声が蝉の音とともに響き渡る
外には溶けかかったコンクリートの街並み
蝉の音を抱え込んだ街路樹
呟きが聞こえる ....
音楽とは何か?
えっ

君は歌っているか
君は本当に歌っているのか
君達の中に音楽は鳴っているのか?

君は奏でているか
君は本当に奏でているのか
君達の中に音楽は放たれているのか? ....
溯れない川の流れに似た
時間に浸りながら
自分の座る椅子を捜し回っていた
私の片割れの具象化した腫瘍は
いつまで経っても不定形の
気味の悪い生物で
恐ろしい程脆い
その割りにはしぶとく
 ....
牛飼いが一人佇む天の河 梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
夕方の地下鉄
小学生を連れた母親
吊り革にぶら下がろうとする悪がき
それを止める自称かぁさん

ボリュームのつまみの無い小悪魔どもは
あっちへ行ったりこっちへ行ったり
結局、母親もスマホ ....

良い夢を見ようと
集中していたら眠れなくなった



仕方がないので
起きようとしたが
眼が裏返っていて
何も世間が見えない

暗転した中、手探りで
部屋の灯りのスィッチを ....
おはよう



僕のベットの隣に君がいる
肉と皮を蒸発させた君がいる
地上に置いていった骨だけの君がいる

ろうそくの炎が揺らめいている
数本の線香のか細い煙が揺らめいている
僕の ....
君の右側がどんどん物化してゆく

歩くこともままならない
食事することもままならない
まして字を書くことはままならない。
自分の署名すら出来ない。
君は苛々する。

もうだめかも知れな ....
突然ブガチャガ窓の外
ブガチャガ悪い缶蹴りが
ブガチャガドリブル人を避け
ゴールに向かって一直線

どんなに悲しいブガチャガに
どんなに苦しいブガチャガに

今日は繕い(つくろい)知ら ....
朝靄の中
白い影が一歩また一歩
呟く声の方向は
白い視界の中の山脈
吹雪いている心の中の
一線の黒い帯赤い線

ほんの三ヶ月前には
仄かな暖かさのため
身を寄せ合って生きてきた
そ ....
およそ文芸である以上読者がいて、個人的な人生あるいは社会的になんらかの影響力をもつもの、あるいは芸術としての愉悦を読者に与えるものでなければならない。

詩として

C42 サンフランシスコブ ....
桜並木の木の下には
死体と狂気が
埋まっています。

今年も桜の木の下で
散りゆく花弁ひらひらと

桜並木の真ん中を
足早にすぎる風一陣

見上げる花は真っ盛り
目も眩むばかりの ....
コンパスは嫌いだ
三角定規も嫌いだ
三〇センチの定規も嫌いだ

でも
雲形定規はどう使うの?
何故四角定規はないの?

何かを描くために必要なものか?
とくと教えて欲しい


 ....
言葉に表せない思いは
ため息で足元に落とせばよい
言葉に表しても伝わらない思いは
自分で口を開けて呑み込めばよい

いつも思いを言葉で包み込もうとした
言葉に包まれた思いは変色してしまい
 ....
薄明かりの中
今日の一日がはじまる
何のことはない
いつも通りだ
いつも通り目が覚め
いつも通りトイレに行き
いつも通り猫と挨拶をして
いつも通り顔を洗い
いつも通り歯を磨き
いつも ....
三年前の揺れに閉じ込められた我々は
今こちら側の歪んだ空間からあちら側を眺めている。

閉じ込められたものは善意
解き放たれたものは相手の知れない戦意と
得体の知れない悪意

鏡や水たま ....
今まで歩いて来た道の途中に
弱くなってきた自分がいる
山が過ぎてしまえば忘れてしまうはずなのに
心の中に悔いが積もり積もってしまい
泣けてくるのはなぜだろう。

音のない木霊が聞こえる
 ....
あおばさんの……とある蛙さんおすすめリスト(234)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あんこう鍋- ……とあ ...自由詩7*16-12-8
その男_どの男- ……とあ ...自由詩716-6-22
桜並木- ……とあ ...自由詩216-4-7
白い雨- ……とあ ...自由詩9*16-4-1
歌があるということ- ……とあ ...自由詩415-11-10
ぐうたら- ……とあ ...自由詩715-10-20
バラッドのはじまり- ……とあ ...自由詩5*15-10-14
老人の悪意- ……とあ ...自由詩6*15-10-7
さきたま古墳群- ……とあ ...自由詩5*15-10-1
異空間- ……とあ ...自由詩6*15-9-30
爪楊枝- ……とあ ...川柳2*15-9-28
嘔吐しない現代詩人について- ……とあ ...自由詩9*15-9-9
たそがれどき- ……とあ ...自由詩6*15-8-17
音楽によって- ……とあ ...自由詩5*15-7-28
長椅子- ……とあ ...自由詩10*15-7-14
七夕- ……とあ ...俳句5*15-7-8
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
地下鉄に乗って- ……とあ ...自由詩8+*15-6-17
- ……とあ ...自由詩6*15-6-8
平成27年5月13日早朝- ……とあ ...自由詩16*15-5-25
物化- ……とあ ...自由詩16*15-5-14
ぶがじゃが- ……とあ ...自由詩5*15-5-8
狐夫婦- ……とあ ...自由詩11*15-4-21
自称詩人- ……とあ ...自由詩9*15-4-13
桜並木の下で- ……とあ ...自由詩6*15-3-30
出会い- ……とあ ...自由詩11*14-12-6
言葉と思い- ……とあ ...自由詩8*14-10-4
あさ- ……とあ ...自由詩10*14-10-1
現状認識- ……とあ ...自由詩8*14-9-25
木霊- ……とあ ...自由詩7*14-9-15

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