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欠けて往く、
桃からみどりの昏さへと
消失している中で
君は誰にもいえない、と云った
ぼくにさへ
膚から、更々と
かわいた芳い香りが
鈍化する烈しさで埋められてゆく
その透間に眠りがあ ....
お休み、白い夢
あまい音楽のなかで
呼び出しのベルがどこまでも続いている
ぼくは、ねざめの黒い籠に
人びとが起きていくのを聴く
沈み込む星の胎と
平衡にあなたがほほえんでくれる
光の進む ....
一面に垂れこめる月から
頬笑んだ顔が落ちてきて
ここには
僕をつなぎとめるものなんかない
つぎの船を渡って
みんなみんな行ってしまうよ
指をからませながら
だけど母さん
僕に世界をくれ ....
去年の8月
私に弟は居なくて
見なれない背中の同じ制服と
小さなヒイラギに似ていた
温かな水面に脈動する夜のはじめを
昂る夏がその都度握り潰し
ていくような予行

あなたが代わるがわる ....
少年だから
膝に母性をはばたく
せっかくの行進なんだから

兄ちゃん
どうして内側にしか
壁はうまれないだろう
か って
なにで
できているか解からない

からだ
折れてしまっ ....
大きな音楽のくぼみに
海洋の裸体は何故有るのだろう、
ぼくといる
光る種は、美しいとは以前に
何て億劫で
すかすかに目詰まりした頭髪が
金星の毛玉を噛み込む、
これを着ては
もう外を  ....
ひとりで育ったホルトの花
透明な花粉にむせて
おとうさんは毎日
緩く息を止めた
時々家に来たトロバスに
一緒に旅立ちを(そっとして置く事を
決めた親友も、乗り続けている
ぼくはなぜ何人も ....
近頃は青い 空 ばかりで
手を取り
空気を呑みすぎるから
溶媒の温度がいやに 甘い、
見知らぬ思い出のした
初めて恋した少女が肩へはらりと落ちる
けれどその天体が
いまだ世界には 無いね ....
あなたの肩越しには
そっと燃やされた虫のひとみ
氷点下のやさしい冬の陽
夕闇すきとおる薄紫も
青白いミルクにできた膜が
弟だと教えられたまるい小さな手足さえ
やがてすっかり被い隠してしまう ....
フォーカシング、そして放した
私のものじゃない
から 、別に失くしたりもしなかった
分厚い衛星の空には
不思議と温かな穴が開いていて
その向こう側に 掌を衝き出してみても
何にも触れない
 ....
柔順にふくらんだ あわい苔むす
葉肉の厚みに散らばっている
雨降りの薄い頬
私の 望んだように
生まれる心がくりかえしてゆく
振り切って
でも、またここへおいで
円らかなヒトのかたちに
 ....
あおばさんの梶谷あや子さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
彷徨する春- 梶谷あや ...自由詩610-9-15
トロワ_(ii)- 梶谷あや ...自由詩510-9-12
卵とざくろ- 梶谷あや ...自由詩1209-11-14
柊の夏- 梶谷あや ...自由詩909-7-19
震う再生- 梶谷あや ...自由詩509-6-6
化身- 梶谷あや ...自由詩709-4-27
シンシア- 梶谷あや ...自由詩609-3-20
ゆめで、時計をなおした話- 梶谷あや ...自由詩308-11-27
ぶどう石拾い(ホーム)- 梶谷あや ...自由詩408-11-16
太陽路- 梶谷あや ...自由詩508-11-3
ばら石拾い- 梶谷あや ...自由詩608-10-6

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