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階段は夜よりも昼のほうが暗かった、上下左
右に伸びた立体駐車場が、がりがりと音を立
て始めている、埃のかたちをした日差しは鉄
柵で刻まれて、誰もが忍者かシマウマのよう
なシルエットになっていた ....
大きな鳥の声がうるさい
顔を向けても曇り空しか見えずに
また声がして雲が増える
辺りが暗いから誰も上を向かない

ディスプレイに珍しい生き物の写真
赤黄色、そして青、

寒いときは
 ....
二本目に火をつけても咽せなくなった。
屋上は広い部屋に過ぎず、
大きく見える飛行機も壁紙のようなものだ。
カッターシャツが二枚、
影を落としている。

(羽虫がまったく入ってこない。
四 ....
北東の風が、強い。
雲は千切れ、崩れていく。
思ったより遠く、ずっと遠くまで、
走っていた。

(誰もいないグラウンドに立ち、空の箱を投げる。誰もいない。投げられた衝撃で箱が開
き、そこか ....
定刻より早く到着いたしましたので
当駅で十分ほど
時間調整をいたします と
車掌は言った
ドアは開け放され
流れ出てゆく九月と
老婆のふかした煙草のけむり

列車と町を
隔てているさ ....
続きだけの道を歩く 方角は二十七個ある

なだらかな草原の坂 みんな自由になった
緑の夕日を待つだけ 幻燈機に集う少年達

何も見えないままだ 足音が聞こえてくる
大人はいなくなった 一つ ....
/水膜現象

 ざざあ、と音を立てて降る雨の中を走っていた。暗い。フロントガラスにぶつかり続ける雨は視界を著しく遮り、ライトの届くその先を見通すことはできない。ワイパーがぞんざいに動き、僅かな間だ ....
猛禽がゆく
絞めつけるように羽ばたいて
海を捨て
空を切り分けた
陸に住めなかった
みずからのつばさこそが病

うしなった爪で
満ちるうつろを掴み
嗚、と
ひとこえを残して
猛禽 ....
でんしゃだった
ぼう、ぼう、と
隊列つくって
歩く目があわれと
気づいてしまった、
僕は

時よ止まれ、と
つぶやいて映すガラスのうすぐらい
鏡像が
伸ばした手/

 /こちら ....
 走らなくて良い。そう言った男は走っていた。雪の少ない地域であるということは、気
温の高い地域であるということとイコールではなく、早い日没を経てすっかり宇宙が透け
ている。星々の吸熱を、誰も止める ....
ちいさな頃書いた、日記のように
空を何度もみた
いそがしいんだ、私

匂ってくる
なにもない、があるよ
との言葉に
泣きたくなる
こんな、ありきたりで、

罵ってください
むかし ....
あおばさんの月見里司さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
十二月の階段- 月見里司自由詩508-3-17
キロトンまたはメガジュール(ショートムービー)- 月見里司自由詩208-3-13
遠景- 月見里司自由詩307-11-12
中空- 月見里司自由詩307-10-12
並列- 月見里司自由詩207-9-19
粗末な笛- 月見里司自由詩207-8-29
あるいは、あめからの呼びごえ- 月見里司自由詩507-7-30
自戒の鳥- 月見里司自由詩707-7-28
みんなを呼ぶ雨雲のこえ- 月見里司自由詩407-7-26
げんとう- 月見里司自由詩207-7-25
さかさま電柱の海- 月見里司自由詩907-7-24

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