牛車の旅
Souko

凍った夜にキラキラと光る
もう空は融けかけた銀の花
凍った頬に揺らめく色は
闇に見えず咲く薔薇の花

倒れそうで倒れることの無い
たくましくも辛き牛車の旅
星が美しき涙を流していた
だから見上げた
全てが美しかった

湿った夜に手薬煉引いている
もう夜は止められぬスミレの花
わたしの手に握るものは
決意と意思に染まる牛の耳

あきらめるか、いやあきらめるはずも無い
逞しくも哀しき牛車の旅
夜の煙がどこまでも追いかけてきた
わがままだと分かっていた
勝手といわれても甘えていたかった
だから走らせた
ただ走った




自由詩 牛車の旅 Copyright Souko 2007-10-08 01:06:17
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