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おもい鉄の扉を
押した
瞬間にまなざしが交差する
待ち合わせには慣れている

ここはもう寒くないよ

暗がりにふさわしく目を開いて
ひとびとの騒めきを聞いている
楽しいのは
誰もい ....
 一人の旅人が、小さな舟で、川をくだり、終には海へとやってきた。

 舟の上には、本と、万年筆とノート、わずかな食糧、そして旅人に似つかわしくない、毛足の長いつやつやとした毛布がのっている。時計は ....
浅い眠りから覚めて
声を聞いた
ようやく橋を渡りきったんだ
そしてあなたが待っていた

片手には宝石を
もう片手には駐車券を
その瞳にはあふれんばかりの
頑なな愛をたずさえて

溶 ....
海であったかもしれない、その水たまりを、誰かは容易
に跳び越えてしまう。とめどなく溢れながらこぼれなが
ら変遷していく歴史だったかもしれない、それが映す風
景の色味について、語ることもなく。
 ....
身体に金具を埋めてしまって
途方に暮れる
ある 冬

舗道の敷石には
ねそべる猫が鳴きもせず
渇いている
とじられた傘の花模様は賑やか
そこを過ぎていく

胃には十分にあたたかな言 ....
ついに漂着した朝は
まっしろくて水浸しでカーテンは透ける
明るいな
きみのよわい視力
それに傷つけられたわたしの背を
すこしぴんとさせるようだよ

ねむり
に、かたちをあたえようとする ....
地図上の大部分はおだやかな晴れ
真ん中に私のこどもが立っている
雪が降って嬉しい、と言う

もやしを育てる
かびくさいキッチンは粘土のようにつめたい
つまり
息はしていなかったとおもう
 ....
光が運ばれている。

進行方向の反対側から、ふつふつと泡のように
ほどけて流れてくるものがあった。あれが街灯。
ひとびとは円く集い、なくした星のかたちを思
い出そうとしている。(それはあくま ....
わたし
というのは
ようするに泡だったようにおもいます


電波塔を模した指先には
噛まれた跡があって
手紙を書くたびにそれを思い出すけど
……だって、きずがあるのです

信号は青 ....
季節は私に従属する

冬になれば言葉をわすれ
ぬくみをさがす動物になる
あなたが安全な場所で
ただろうそくを見守っている間に
私の四肢はもげ落ちて
まるく
にぶくなるんだろう

あ ....
タイプライターを壊した
夢見がちな小説家が
歩道に絵を描く

野良犬を蹴り殺した
隣の家の長男は
私に硬いキスをする

地球を手に入れたことのある
世界で一番不幸なひとが
尊く笑う ....
群青がおりてくると
土は冷たくなる
それにふれると
からだじゅうが嘘のように固くなった
すると、ひとりの子が
私はおんなのこです
と言って
すこし笑った
私にはよくわからなかったけど
 ....
真昼になると
饒舌になる空の色
僕は嫌いだ
昔から夜のほうがすき
もっと細やかに
動いている光の粒子を
眺めたい
窓越しにでも

ほら
手足がしびれても
誰が呼んでもふりむかない ....
日比谷線のホームに
きみと立つのは初めて
一人で会いにきたよって言って
褒めて欲しかったんだよ
大好きだから名前を呼ばない
そんないじわるだって流して欲しかったんだよ

流線型の街が私と ....
らせんのような共鳴を感じる
ピアノをたたくゆびの柔さに似た
無邪気さの中で吸う空気

どこまでも青くひろがる
世界の端っこで
どうしようもなくうばいあっては
求めあう
わたしと君のすが ....
ほどけてしまいそうな
女の子のからだから
春をとり出してならべる

つみぶかい瞳が
まだそこにおよいでいる
名前の知らない五月の旗
活字から顔をあげて
だれをみる
外をみた
窓 ....
梅のにおいだ



がらんとした空洞のせかいに
手をひたす
わたしがさわれて
感じられるものを
おもいきり吸い込むために


あざといまなざしに 
淋しくかかげた
いたみの芽 ....
ひとつひとつに
名前なんてなかった
きみだけが知っていた
美しい世界
神さま
ねえだから
きみは神さま
みんながうまれたときに
さいしょに泣いてくれたのは
きみだったな
あわくする ....
橙のかげ
古い写真みたいにかすむ

あの煙突からたちのぼる
霧のような灰が眩しい
太陽はしずみかけで
手のひらの大きさの池に浮かんでいる

死んでみたいとくちにした
動脈血のながれる ....
白い手首から
あかいなみだが滴りおちて
砂に染みた
日をしるたびに乾かされる
ざらついた海の響きが
耳に刺さる

あらゆる事象が眩しい

それまでも花の咲く過程だときみはいう
半信 ....
産まれたのは透明な冬
冥王星のなまえをもらった



彼女は海に飛び込む
後姿は蝶の背骨
白い指で息を止めても
朝はきっと来ない
細い髪がやわらかくゆれる
スローモー ....
いらないものがおおすぎるんだ
ねえ私たちは


両手でそらをはかろうとする
出来ないよ
できないよできないよ
わかってるのに希望をすてない
あしをとられて倒れこむ
砂地 ....
きみの肌は何度たべても不味い
そのことを告げたらきみはさみしそうに
笑った
汗をかいた君のよるが
わたしだけのものになるから
それはそれで幸せなんだよと
いいたかったけどい ....
あおばさんのアオゾラ誤爆さんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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