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僕は立とうとする
三十年前の川べりに
もう一度 何者かに
出会うために

何者かになろうとする
男とか 女に
正義とか 悲劇に
ということに

中年とか 公務員とか
右寄りの左翼 ....
天皇陛下が
なんか
自分の考えを(生前退位とか)
言っていた
すげえな
天皇陛下は
天皇陛下っていう
日本の今の
役職を
やっているんだけど
その役職をやっていて
ああいう発言を ....
雨が降るような降らないような
少し 降る ような
降らないような
雨が
砂丘の砂が乾いているような
すこしは
変わっていない ような (そうか)

祭りの陰で
トイレで
しゃがみこ ....
ポケットに
なまりでできたどんぐりをひとつ入れて
川沿いの道を歩いた
地表が
ルーレットみたいにぐるぐる回る朝
僕は ポケットに
色の褪めた赤いどんぐりをひとつ入れて
長い川沿いの道を歩 ....
近所にスーパーができたので
ひとりぼっちで買い物に行った
自動扉を中に入ると
アナキストとすれ違った
笑ってやれ アナキストを

さあ 渡ろうじゃないか
どこへ
どこへともなく
いつ ....
わたしたちは小さな生き物です
(小さな生き物)
どの程度かというと
気にさわるほどの

空き缶の下 おっと
踏まないように ちょっと
たたらを踏む 
あなたのつま先にさしさわるほどの
 ....
ゴムまりみたいに跳ねる少女
丸くて
黒くて
そして
薄いドアの深い溝の内側に住んで
朝の下駄箱の重い軋りを軽く弾いて
ゴムまりみたいに跳ねる少女

歯ブラシを銜えて笑う
マスクをつま ....
時は忍び足で通りすぎる
それを知ったのは
先週の水曜日

ぼくは疲れて
回転する部屋の椅子に座った
それから
頬に手を当てて眠った

ひたひたと階段を下りる足音
屋根裏の空を
飛 ....
たいがいが
こずるいうそやごまかしで
その手つきがばれそうになったときの神頼みです
目を瞑って
神に頼んで突っ込む
無責任極まりないお願いです

子供は神頼みなんてしないのです
腹が減 ....
昼下がりの雨の中で
ザクロが割れる
唇に指を立てて
ぼくは泥を踏んで歩く
それから 傘を振る

とても暑かった(その部屋は)
死にゆくものも
生き行くものも
ひどく暑い
後ろの席で ....
かあさんの右腕にぶら下がって
見上げるのは好きだな
両足
なんかもう 引きずっちゃって
かあさんも笑うから
お前は泣くけど
そんときは後ろ足で こっそり
蹴とばしてやるから

かあさ ....
向こうの林の梢の上に
三角からすを止まらせて

昨日のぼくの ろくでなし
あしたに恃む すべもなし

雲にまかれた梢の陰に
三角からすを潜ませて

(三角からすっていうのがいるんです ....
春。白い陽が田んぼを巡る
  水を濁らす影の下を
  小さな蛇が逃げる

夏。雑草が炎のように燃え上がる
  草草を分けてゆく胸のあたり
  葉先より高く虫が跳ねる

秋。抜き取られた ....
投票が終わって家に帰った
家に帰って
冷めた朝の味噌汁に火をつけた
火のついたように連呼される
統一地方選挙の候補者の名がもう聞こえなくなったので
冷たくなった朝の味噌汁に火をつけた

 ....
特定秘密保護法が歩く
どかどか歩く
大股に足を上げて歩く
何かまたいだらひっかかった
よろめいて見下ろすと
人間だ
ミズゴケみたいに擦れてつぶれてる

 イ いい? これは、ひ・み・つ ....
玄関に靴を並べて
朝日を当てる

猫に餌をやって
ミルクをやる
顎の先を少しなでて
それから座る
座って朝日を顔に当てる
それから この身の全てに

夜の間に
オニがやって来て
 ....
玄関を出ると黒い靴ひもがほどけて
夕暮れの空が広がった
垂れ落ちた靴ひもの先に
老婆がつかまっていた
ぼくはほどけたひもを結び終えて
伸びをする
高く 大きく

今日の夕焼けの売れ行き ....
「ぶっとび市」というのがあって
白地に赤の幟旗が何本も
雪の壁に並んでいる
二〇一一年二月十一日
町は風が吹いて
人は四方にかしいで
青空が小さな冬の森を翳らせている
何がいやと言って  ....
ゆく道の車の窓に
雲を光らせ 幟旗を押し立てて
見知らぬ男たちが手を振る
起きぬけの笑顔で

すぼめて垂らした傘の先を
水たまりに映して
参議院選挙の投票に行く

昨日死んだ紺の背広 ....
玄関の戸がふうっと開いて
そのままなので
誰かが閉めに行く

みんな たくさん泣いたけれど
泣き足りないと思って

二階の
薄い空箱の
暗がりから
なんとなく降りてきてしまう
妙 ....
「にいちゃん、まって!」
 青い公園と名づけた近所の小さな公園から、兄が走り去る。
「おおい。」
「にいちゃん!」
呼ぶ声は聞こえているはずだが、兄は走る。腕を振ってどんどん走る。あっという間 ....
「ただいまァ。」
 八月。
 庭の潅木が、白い地面に真っ黒な影をいくつも落としています。
 暑い盛りです。
 四月から通い始めた保育園から帰った娘は、日焼けの顔で畳に膝を落とし、さっそくブロッ ....
車のドアを開けて
アスファルトに降り立ち
ゆっくりと
夕焼けを踏む

夕焼けについて書こうと思う
古びて傾いた夕焼けについて
それは人通りのなくなった街道の
傍らに立つ廃屋の壁に
擦 ....
花垣線に乗った。
駅長さんを呼んでみたが、
もうずいぶん前から、この駅は無人だった。

乗り換えの駅に到着した。
次の電車が来ないので、
改札を通って、待合室で待った。

強風のため、 ....
東の山でテロルがあった
火のないところに煙がたった
晩秋の寒さの中ですぐに鎮火したが
不審火は続く
人気のないところからも自然発火する

空は雲を重ねて黒く笑った
風は目を光らせて時を伺 ....
 おい
 イタル
 たかこぎするべ
 といったら
 うん
 というので
 チヨオ
 しんぱんしろ
 といったら
 うん
 おすなよ、うしろから
 ぜったいに
 うん

陽に ....
庭に日の差す縁側で
かげろうにゆらりと手をかざす
つかめないな
銀のコップが透き通って
細く光る指先の丸み

着られなかった
紺の制服をまとって
うっすらとたなびくおまえ

好きだ ....
祭壇の遺影の陰で
その人がまんじゅうを食べている
もぐもぐ
甘いものは好きじゃなかったんだけど
ずっと食べていなかったからねと
老いた未亡人の言葉が涙を誘う
導師の読経は熱を帯び
喪主の ....
霜が降りた
歩道の黒い縁石に
雲まで忍び寄る電柱の背中に
今朝のしるしが重なる

雲ひとつない冬空の下を
花嫁が歩いていく
黒地に赤い花を揺らして
うなじに笑顔の雫を落として
半月前 ....
あおばさんのオイタルさんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
再発- オイタル自由詩216-10-30
ええと2- オイタル自由詩216-8-15
雨が最近_降りません- オイタル自由詩216-8-14
ポケットに- オイタル自由詩116-5-5
近所にスーパーができたので- オイタル自由詩316-4-10
わたしたちは小さな- オイタル自由詩13*16-3-21
恋する少女- オイタル自由詩3*16-3-13
時は- オイタル自由詩515-12-29
神頼み- オイタル自由詩215-12-19
ザクロのように- オイタル自由詩7*15-12-4
かあさんの- オイタル自由詩5*15-11-30
三角からす- オイタル自由詩9*15-11-28
とおくなる- オイタル自由詩7*15-5-17
投票が終わって- オイタル自由詩2*15-4-28
政治的に詩を書く3- オイタル自由詩2*13-12-14
起床- オイタル自由詩3*12-11-9
夕暮れ_へ- オイタル自由詩5*12-8-8
ぶっとび市- オイタル自由詩511-3-26
参議院選挙へ_みんなと行く- オイタル自由詩9*10-7-11
閉めに行く- オイタル自由詩2*09-12-12
地面かみなり- オイタル散文(批評 ...3*09-10-11
夕暮れ- オイタル散文(批評 ...3*09-10-3
夕焼けについて- オイタル自由詩12*09-9-19
小説『花垣線』- オイタル自由詩5*09-8-23
小説『石川少女』- オイタル自由詩4*09-7-20
おい_イタル- オイタル自由詩9*09-6-22
庭に日の差す縁側で- オイタル自由詩9*09-4-15
遺影- オイタル自由詩3*09-3-20
花嫁のうた- オイタル自由詩4*09-2-8

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