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たやすく割れてしまうのに
壊れてしまうのに
やわらかく、脆い目で手を伸ばし

薄く平滑な胸が空気でいっぱいになると
子どものつまさきは
もうすでに、地を離れている

街が息継ぎを忘れて ....
夜中にそっと冷蔵庫を閉める
あたまのおくで
クリプトン球のあかりが消滅する
少しだけ、息がとまる

コーラ瓶の栓を抜く
ひとの内側は暗くて渇きやすい
炭酸のおとがきめ細やかに変容してゆく ....
期待はずれ。
面白くもなんともない映画を観た
その帰りに目的もなくコンビニに立ち寄り
週刊誌を気ままにめくっていたら
偶然、店内の有線放送から流れてきた音楽に
耳を傾けてしまうと
その音楽 ....
去年の夏、シャボン玉を買った。
きいろい麦わら帽をかぶった
ピンク色の象のかたちをした容器。
旅先の雑貨屋で見つけて
近くの河原であそぼうと思ったけれど
その日は、あいにくの雨で
バッグに ....
たしかに生えそろった、指
蟻は、盲目だから
横断する、じぶんの影を知らない

青い電球、とかげ、数字の9
コップの底に、沈んだトランプ
薔薇が、刺さる

円卓に、砂
図鑑から切り抜か ....
冬のショーウィンドウ
ドレスを脱ぎ捨てたトルソ
首の断面
剥き出しの木肌に上塗りされた塗料が
照明の光を湛えている

展示替えの前夜
殺風景なガラスの舞台
控えめなネックレスだけを身に ....
時計の針が熱を出し
飴のように変形する文字盤
使い古された木製の乳母車が
らせん階段をひとりでに
転がり落ちてゆく

それを追いかけ飛び跳ねる
古びたフランス人形
音の鳴らないトイピア ....
B・A・N・!
銃口からアルファベットが
弾けて、飛んだ。
はためく万国旗のあいだを突き抜けて
BとNは、きれぎれの雲、そのすきまに挟まり
Aは鋭い先端で、空を直進していた一羽の鳥を
グラ ....
素顔を布で覆った、恋人たち
鳥には雲がうかび、空が飛んでいる、鳥
これはパイプではない、とパイプを描く、イメージの裏切り
それらに題名を与えた、マグリットの顔は
青い果実に、隠されている

 ....
あおばさんのsampleさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
車窓から見える赤い風船は、まるで祝福のしるしみたいに- sample自由詩4*13-12-2
コーラの泡が弾けてる- sample自由詩7*13-3-4
涙の落ちるところ- sample自由詩2*13-2-16
冬のシャボン玉- sample自由詩5*13-2-13
幸せのゲーム- sample自由詩2*12-12-11
樹木のセミヌード- sample自由詩5*12-12-6
時間と光- sample自由詩6*12-11-4
事件とウイスキー- sample自由詩4+*12-10-26
(仮)- sample自由詩6*12-10-19

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