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私よ、
手のひらにはなにもない。
そのなにもないからだから、
何をうみだせるのか、
常に問いかけよ、
まっすぐに、
大きく目を開いて。
*
どこにいるのかも、
わからない場所 ....
空腹を満たすようにあなたは水を飲む。
水はその身体に浸透し血と混じりあい血の赤い色素を超えていく。あなたのなかの色という色を溶かしこんで、水により透明になったその身体のなかの水は、あなたの毛穴や瞳や ....
追われる、追われる、追われる、
ピストンのなかの液体のなかの私が、
押される、押される、押される、
外へと弾き出される。
なにも持たないはずなのに、
何かがいつもゆれている。
私には見 ....
唇に針を刺して、
ぐるぐるとかき混ぜる。
歪んだ赤い月が、
いくつもうまれる。
その月のなかに、
あなたが映っている。
人形を抱いた幼いあなた。
小さなあなたは泣いていた。
唇をかみし ....
筆絶した空に浮かぶ星は、
迷路をつくるかのように、
地に落ちていった。
私はその落ちた星たちを、
拾い集めてことばをつくった。
死にながら生きていたことばたちは、
息をしながら低く輝いてい ....
気がつくと、
一面真っ白な部屋のなかにいる。
部屋には窓一つない。
空気がこもっている。
部屋中に白い音がする。
天井に向かって手を伸ばすと、
目には見えない皮膜に触れる。
シャボン玉の ....
ふと、考える。
もしも私が、
あなたと同じように、
目がみえなくなってしまったら、
私は詩が書けなくなるのだろうか。
幼い頃は、
目がみえなくなることが、
とても怖かった。
怖くて怖く ....
夏が近づくと、
青空が目に染みる。
遠いはずのあなたを、
こんなにも近く感じる。
あなたは、
私の手首に突き刺さった、
血にまみれた硝子の破片を、
一枚ずつ抜いてくれました。
私は、
....
冷たい壁の前で、
私は人形をにぎり立っている。
人形は、
いくら圧力をくわえても、
宙をおよぐ目をして
星のない空をみている。
私は昔から、
そんな目が嫌いだった。
何かを問われる度に ....
出口のない迷路を、
指でなぞっていく。
なぞるほどに指は増えて、
鉛のかたまりになる。
そんな道を、
幾度辿っただろうか。
いつも行き止まりがあった。
越えようとするほどに、
高くなる ....
視界にはたくさんの目がある。
開いた画面に浮かぶ目玉は、
口になって牙を剥き出している。
口になった牙を生やした目玉が
私の目を喰らおうとする。
瞬きひとつでページをかえると、
今度は ....
朝の胎動が谺する、
夜のなかで、
私はゆっくりお湯を飲む。
私のなかだけにしか、
あてはまらない鍵をゆっくりと
舌で転がしながら。
朝を待ちながら、
カプセルに入る。
光の囁きに目をあ ....
あなたが描いた絵を見た瞬間私は気がついた。
私は確かに、
あなたの側にいると。
緑や黄や、青や白で描かれた、
あなたの景色は、
私をいつかいた懐かしいあの場所に
連れていってくれる。
....
覚えている。
私がまだ幼かった頃の、
あなたはいつも、
降り続く雨と闘っていた。
雨は黒い石を含みながら、
あなたの肩を濡らした。
まだ幼かった私はただ、
呆然とその姿を眺 ....
冷えた夜に冴えた月を眺めながら、
あなたを思い浮かべる。
私は窓の鏡のなかで、
薄皮を剥いでいく。
あなたの鼓動が私の身体に触れる。
私は刹那に哀しくなる。
歓喜に触れて哀しくなる。
....
木枯らしが吹くビルの下で
私は一人佇む。
北風が、
繊維の隙間をすり抜けて、
肌に差し込む。
私は皮膚という皮膚の
口を大きく開けて、
舌に降り注ぐ血のぬくもりを抱きしめる。
あ ....
真夜中に映し出された、
渇ききった林の奥の瞳は知っている。
ほんとうは、
誰にも何にも、
降る雨などないということを。
それは与える愛ではなく、
誰の胸の奥に必ず咲いてしまう
甘ったる ....
私の耳は雑踏を歩く。
歩きながら無数の罵倒を食べている。
ある声は街中でぶつかりあった肩に
舌打ちし、
ある声は、休日の電話に悪態をつき、
ある声は、暖かな午後に寒いと言って愚痴を吐き、
....
あなたは今、
いろいろなことばの海を
旅したいと思っている。
そこには淡い色の薔薇の花束のブーケだったり、
あたたかな木のぬくもりの漂うキッチンだったり、
そんな風景が香ることばを探している ....
(あれは、何だったか)
火竜になって飛んでいった私の分身が見たものは。
食いちぎられた街、
灰になった街路樹、
口の中が埃臭い。 ....
私はあらゆるものを切り裂く。
カッターを片手に、
自分の顔が描かれたダンボールを切り裂く。
ダンボールから血が流れる。
....
手のひらに、
とぎれとぎれの物語がまじわるように、
とぎれとぎれの時間のなかを旅している。
風は、
私にまとわりつく
薄い襞を食んでいく。
一衣も纏わぬ身体になった私の心は、 ....
私はさかなをかく。
私はさかなはかかない。
さかなのなかを私はかく。
さかなを支える骨の内部を流れる
熱い海の流れを。
*
塩焼きにされた秋刀魚にかぶりつく、
がり ....
(さびしいと思うこと)
それももうなくなった。
皆、鏡の向こうにいってしまった。
だから、
....
刑務所で子供を生んだ。
その子に「あかり」と名付けた。
闇ばかりだったあたしの人生に
あかりが灯るようにと。
あたしには、
殺人未遂経験がある。
14歳の中2の夏の日、
....
(世界は、針の骨を隠して生きている)
その身にさくり、
前歯を立てる。
雪のような淡白な
甘味のある肉の味が
春の風を呼んでくる。
けれどもその下で
支えている鋭い骨は ....
空になった孔の底から、
風が吹き抜ける声が聴こえる。
喉の奥が苦しくて、手を伸ばす。
(届かない、でも感じる) ....
何かを書こうと考えるとき、私は大概「過去」を思う。記憶の片隅に置いてきた大きなものや小さなものの過去という時間。光が闇から生まれるように、私も過去から生まれてきたのだ。未来を見つめるにも過去の目が必要 ....
ししゅう、
死臭を漂わせることばを、
書いてみたいと、
手を伸ばしたそこは
暗闇が続いていた。
私たちは一列になって、 ....
忘れられない、大切な人との出逢いや別れはなにか、と問われると、いつも思い出す人がいる。S姉さん。私より4つ年上のアルバイターだった。S姉さんは、アパレル関係の仕事をしていたせいか服のセンスもよく、ス ....
あおばさんのあおい満月さんおすすめリスト
(100)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
与える
-
あおい満 ...
自由詩
1
16-11-23
地と水
-
あおい満 ...
自由詩
4
16-11-21
ピストン
-
あおい満 ...
自由詩
3
16-11-10
かざぐるま
-
あおい満 ...
自由詩
7
16-10-29
筆絶した空
-
あおい満 ...
自由詩
13
16-10-26
木槿
-
あおい満 ...
自由詩
4
16-9-10
未知の種
-
あおい満 ...
自由詩
4
16-6-7
文月
-
あおい満 ...
自由詩
3
16-5-29
そらをおよぐ
-
あおい満 ...
自由詩
5
16-5-28
水無月
-
あおい満 ...
自由詩
3*
16-5-26
缶詰
-
あおい満 ...
自由詩
11*
16-4-15
警告
-
あおい満 ...
自由詩
10
16-1-24
巡礼
-
あおい満 ...
自由詩
9
16-1-17
傘
-
あおい満 ...
自由詩
6+*
16-1-17
カンヴァス
-
あおい満 ...
自由詩
10*
16-1-14
崖の上
-
あおい満 ...
自由詩
9
16-1-9
薔薇
-
あおい満 ...
自由詩
7
15-12-30
歩く耳
-
あおい満 ...
自由詩
6
15-12-26
大樹
-
あおい満 ...
自由詩
14*
15-12-16
フロント硝子
-
あおい満 ...
自由詩
8*
15-11-11
火竜
-
あおい満 ...
自由詩
3*
15-11-11
体温
-
あおい満 ...
自由詩
7
15-11-3
もえるうみ
-
あおい満 ...
自由詩
19*
15-10-20
蜜柑
-
あおい満 ...
自由詩
7*
15-10-18
光
-
あおい満 ...
自由詩
6*
15-10-10
さわら
-
あおい満 ...
自由詩
7*
15-10-10
青空
-
あおい満 ...
自由詩
8
15-10-7
過去
-
あおい満 ...
散文(批評 ...
3*
15-9-15
雪原
-
あおい満 ...
自由詩
6
15-9-9
S姉さん
-
あおい満 ...
散文(批評 ...
5*
15-9-2
1
2
3
4
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