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プラタナスの高い梢の先で
まるい種子が揺れている
風の匂いが蒼くあるのは冬しるし
澄み渡る空気に月は銀色に光る
耳をすませば
眠る者たちの息づかいまでもが
聞こえてきそうな静寂
まだ ....
哀しみのあなたの窓辺に秋桜いちりん
――凹
灰色に覆われた低い空に
押しつぶされて
想いと呼ぶには小さな
いくつもの欠片が
重たくなって
沈んでゆくだけ
雨ならなお一層
....
夕暮れ間近に
降りだした雨は
氷のように
冷たくて
見る間にそれは
視線の先を
白く染め変えた
あなたのと
わたしのと
それぞれの窓から
同じ雪を見て
初雪だねって
文字を ....
蝉時雨も止んだというのに
真昼の喧騒が
じりりと
耳に焼き付いたのを
両手で塞いだ
鳥の群れが西をめざし
灯火色した空に
消えていくのを
門口に焚いた火とともに
静かに見ている
....
つまさき立ちで
小鳥を真似て
高い空に知らしめす
両手を広げ
澄んだ少年の瞳で
まだ、透明でありたい
と願う
それでも底は見えない
私にも
小さな器に
海を夢見る私は
包まれているのか
包んでいるのか
穏やかな声
温かな手
優しい目
その名を叫べずに
二重にも三重にも
....
春の種をまいたら
水をあげよう
すきまなく潤してゆく
ぎんいろの雨が
わたしの窓にも
あなたの窓にも
芽吹いた想いも
大きく育ちますように
春に
桜花ほころぶように
夏に
青葉の目映いように
聞こえる
声なき声に
心はおどる
あなたにそっと
触れたくて
秋の
時雨に濡れるように
冬に
....
のんちゃんの
さんりんしゃは まっかかで
はんどるのとこに
いろんないろの
フサフサが ついていた
あか あお きいろ みどり しろ
いつつも ついてて きれいだった
あしでけって さか ....
むせるよな
甘い薫りに
蘇る
しまった記憶
輪郭を映す
秋風は
空の彼方で
昼寝中
雷鳴にさめる
午睡の汗