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隣部屋から漏れる電話の呼び鈴に
ふと現実に立ち返る瞬間を感じる
さっきまでホテルの窓から見えた
電光掲示板の宣伝文句を
眺めてばかりいただけだった

月が見えるほど暗くなく
星が瞬くほど ....
システムを開発する
一言で生業を説明すれば
それで済むのは分っている

予算は幾らか
工数はどれほどか
テストと納期と
自分の人生

どうする事で生活を得ているか
何をする事で報酬 ....
仕様が無い

そうやって誤魔化していれば
納得してもらえるなんて
思っているわけじゃない

作り上げた構造に
己の意思が介在する要素が
1パーセントに満たなくったって
目の前にある現 ....
灰色を塗りこんだ
空しい心の底に
降れよ 積もれよ

与えてくれた言葉
忘れたわけじゃない
閉ざしていた扉
少しだけ開いてみせたのは
君だったのだから

問うてくれ
責めてくれ
 ....
遠い遠い視線の先に
キラキラと煌いている
風の瞬きが視界を掠める

正体を掴み取ろうと
近づいて行くたびに
彼方へ彼方へ遠ざかっていく
形而上の産物を目にして
それをアルシュレッタと名 ....
ほらごらんよ
世間の片隅で小さく震え
聞こえない声で愚痴る子供が居て

ほらごらんよ
世界の中心で大げさに振る舞い
我侭を押し通す大人が居て

涙を流す術は無くしたなら
理想主義者が ....
レモン果汁のチューハイを
ちびちびとやりながら
溜息をつくのはもはや日課だ

鏡に映る容貌はどうみても
二十代後半には見えないほど
未来を思うには老けていて
過去を振り返るには青臭い
 ....
螺旋階段の天辺で
摘んだ小石を力無く
放り投げてみたのです

放物線もそこそこに
乾いた音を立てながら
コロコロコロリと転がります

地上などとうに見えぬのです
勢い増した小石はやが ....
あおばさんの松本 卓也さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無機質な夜- 松本 卓 ...自由詩608-4-16
システムエンジニア- 松本 卓 ...自由詩307-4-30
仕様- 松本 卓 ...自由詩307-2-6
雪よ_舞え- 松本 卓 ...自由詩206-12-27
アルシュレッタ- 松本 卓 ...自由詩506-12-11
全ては現実(ここ)にある- 松本 卓 ...自由詩106-11-16
労働者の哀歌-仙台編-- 松本 卓 ...自由詩3*06-6-10
螺旋階段の天辺で- 松本 卓 ...自由詩4*05-11-2

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