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夜
美しい言葉が沈む
星と大地に包まれ風が息を潜める
人は時間を持たない光になる
あると言うことは生きていると言うことだ
風も大地も水も
いのちは時間を持たない光になる
いつまでも
どこまでも
離れてゆく
その手と
この手
遠い
そのふたつのへだたりに
風が流れる
水に
浸されたゆびに
からむ水草
きらめく陽射し
ふたつのへだたりに ....
夕暮れよ 夕暮れよ
成層を疾け肌をよろこび
倒れ込む木々の力で風を呼ぶ 果てしなく
どこまでも墜ちてゆく静けさよ
力と
波
それら水のよろこびにうつり翳りの海を
満ちたよろこび
夕 ....
声がする
そこに
手をささげる
声がする
うつくしい声
うつくしい瞳
うつくしい日
どうして風はやむのだろう 静かに
(怒りに満ちた夜)
並木がささやく
──どうして風はやむのだろう
……あの星に
あの昼に
落ちてゆく
人も車も
岩もビルも雲も
平衡 ....
その目
口
息
そのひそやかな
かなしみ よろこび
土のように
草のように
這うゆめ
翼は
灰色の空へ
海へ
(失うもの)
忘れる力
忘れぬ力
(沈 ....
風に舞い散るはなの
向こうに
海が見える
(ゆらぎ、
湛え
しめやかに
能を舞う
海
謡い
舞う
ころも
舞う
いのち) ....
木々
いくつもの いくつもの
あかるさと
ささやきに満ちて
水 と
雲
眠り
よりそう風
はな と
こぼれ
触れる
空に
消える 影 ....
夏、わたしのさみしさへ
はぐれた雲がひとつその影をおとしてゆきました。
青い空はわたしのものではなく
雲はしずかにながれてゆきます。
そのあわいかげにいつか はなの
しろいひとひらがあらわれ ....
ごらん
あれはとても雨ににている
夾竹桃
その下に小さな蜘蛛がいて
そこにもやはり雨はしとしとと
濡れて
いるのだろうか
いい
匂いがする
砂浜
と
そこに咲いた白い花 少女は
けれどどこにもいない
青空に溶ける
風
たくさんの涙を数えた そっと
生まれ
離れる うた
空を流れる月日
水のように冷た ....
朝 起きてくると
窓越しに
遅く咲いた百合の花があって、
君はガラス越しにそれを見ていた
こちらを振り向くこともなく
台所では
しじみが口をあけてことりと音をたてる
僕は煙草 ....
花がさいたよ
どこか 風の中で
そんな声を聞いた
五月
娘はぼくの手を引いて
お歌をうたう
元気よく帰ろうね
その手は
私のために生まれた
私のために
私のために生き
私のために寄り添い
ねむり
私を愛した
その手は
私を愛した
(私を愛した)
夜がある
そこ ....