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あじさいの花びらがもうどんな雨がやって来ても
救いようもないほど傷んでしまう7月にもなると
電線に無数の皺が浮き出して
これも手のつけようのないくらいに撚(よ)れて撚れて
ほんとうの姿が剥き出 ....
あなたに贈りものがあります
送り主のなまえのない
誰に宛てたか 相手のなまえも書かれていない
不思議なプレゼント でもそれは
たしかにあ ....
長く 細い
透き通った階段を
降りていった

さっきまで
長く 長く 昇ってきたのに
 ....
空が生クリームをあわだてたようだから
もうすぐ雨がおちてくるころ

ぼくの足もとは
草原の小径にかわり
土のにおいが 近づいてきた

傘をひらくと傘のなかに
しずかな足音がひびいた
 ....
きみはぼくの知らない
とおくを見つめて
あの道を
背すじのばして
進んで ....
学校には開けることのできない
扉がありました
旧校舎の階段の裏のあたり
七つの南京錠のかけられた扉でした
錠のひとつひとつに一匹の蜘蛛が巣をかけていて
人の手を遠ざけて 日曜日になると
し ....
毎日 雨の七月は
すずしくなるのはともかくとして
どことなく 鬱々として
なんだか 人生の遠景みたいです 煙っていますし

そんな気もしてくるんですけれど でも七月だから
庭に道に花は咲き ....
あたたかい雨の季節にこがれて
梅の実は ほそ枝に寄り添い
みどりいろの葉陰を肌にうつして
いっそう深い みどりに染まりながら
かぜに ゆれていた

「あたたかい雨は いつになるだろね」
 ....
あわあわ ぶくぶく
かには おでこが ひろいぞ
ひろい ひたいが なやんでるみたい
あおさめてるのは
柿の木のせい なんだろか

ぶつぶつ 言ってるのは
ひろい おでこが
ちょうどいい ....
エレヴェータ に乗っている
ねても さめても いつでも
エレヴェータ の透明なガラスは
都市の骨を映し出して
エレヴェータ は昇る
いき あっても いきたえていても
エレヴェータ は香りに ....
また生きている

いまはもうないぼくのうちの
おもい雨戸をごとごといわせて
ようやくに閉めていると
ガラス窓がひび割れた音を立てる
夜の闇に音が駆け出す
入れ替わりに隙間から
夜気が静 ....
あおばさんの刑部憲暁さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
7月- 刑部憲暁自由詩312-2-11
プレゼント- 刑部憲暁自由詩112-2-11
青い薔薇- 刑部憲暁自由詩307-11-9
- 刑部憲暁自由詩407-8-31
ぼくはさ- 刑部憲暁自由詩106-3-11
学校- 刑部憲暁自由詩206-1-15
雨が好きなの- 刑部憲暁自由詩205-11-12
「梅の実」- 刑部憲暁自由詩905-7-20
あわあわ_ぶくぶく- 刑部憲暁自由詩105-5-15
エレヴェータ_- 刑部憲暁自由詩604-9-28
また生きている- 刑部憲暁自由詩504-8-30

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