すべてのおすすめ
大人になっても
有刺鉄線をひよっと越える
無法者がいるくらいなんだから
子供が「駄目」って言葉を
ぴよっと乗り越えるのは
掃いて捨てるほどある
当たり前の話なんだよ
そう それこそ自 ....
しょっぱくて
小さな海みたいな
空からはらりと
やってきた雨みたいな
あの一滴は
海ほど大きくて
空ほど広い
かなしみや
よろこびの物語が
瞳の奥で
やさしい手のひらに
ぎゅっ ....
一粒が生み出す
万粒のめぐみに
くらり と
軽いめまいを感じ
くはあ と
空を見上げたら
しっしっし と
うろこ雲に笑われた
生きてゆくために
捕まえたり
耕したりするすべを
忘れ去ってしまった両手で
強いようで弱い
硬いようで脆い
そんな
不安定なものたちを繰って
日々の歯車を回していますが
畑や田ん ....
空と海の青は
ときどき入れ替わっているのですよ
見下ろすのに疲れたときや
見上げるのに飽きたときに
日が落ちて
水平線がなくなったら
つるん
空の青は滑り台を滑るような
楽しさと一 ....
まるで子供の喧嘩の延長
でも
今も昔も
子供も大人も
喧嘩両成敗が道理でしょう
誰もハッピーになんか
なれっこない
みんなで死んだら
わかるかな?
エコバッグがエロバッグだったら
今いそいそとエコバッグを持ってる人は
誰もエロバッグを持ってなくて
エコバッグなんかまるで知らない人が
いそいそとエロバッグを持ってるかもしんない
で、
....
ブリキのバケツに
小石が落ちた音がした
ずいぶん長い間
水を入れていなかったな
そう思い出したけれど
バケツに水を入れてやるのが
考えるだけでも億劫だったから
背中を向けたまんま黙っ ....
ジ ジジジ ジジ と
壊れた発条のような音が聞こえる
ああ 夏を謳歌した者
命をくしけずる風に中てられたのだろう
もう次の時間は
始まってしまった
それぞれの季節
その節目に ....
まったくもって
さみしく
一人ぼっちの道程ですので
こうして
毎日 毎日
つー てん
つー てんてん と
ヘンゼルが石を置いたように
言葉を書き置いておるのですよ
いつでもそこへ戻れ ....
命の回転速度が速くなりすぎた夏
季節はわたしだけを残して行き過ぎ
熱を持て余した歯車は少し空回り気味で
もう いいんだよ って
誰かに肩を叩いてもらえるのを待っている
秋の入り口
育ちすぎた入道雲と
肌を突き破る陽射し
それに
一向に降り止まない雨になった蝉の声
それらに押しつぶされた脆弱な身体は
不揃いなアスファルト
その隙間を這うように
とろけて流れてゆく夏の ....
腕力と脚力
今はそんなに必要ないかもしれないけれど
地震が起きたり
雷が落ちたり
火事が起きたり
親父が死んだりしたときに
大事な家族を守るため
ちょこっとだけ鍛えておこうと思う母
真っ直ぐに
うつむいてしまえる時はいいのです
泣き出しそうな顔を見られずにすみますから
だけど
斜め下を向くしかない時
これは哀しくて切なくて
切なくて 仕方がありません
あなた ....
満ち足りた水盆から
たっぷりと
手のひらのうつわに水を汲み
満足しても つかの間
した した と
水は指のすき間から逃げてゆく
目の前を行き過ぎる
季節もまた
水盆から汲み上げた水 ....
生きるために
命をいただく とは
こういうことか
無心で
はらぼての小魚に食らいつく
わが子の風景を眺めながら
しみじみ 思った
かえるがなくから かーえろ
夕暮れあぜ道 帰り道
日なたのにおいと土のにおい
からだにまとって
家路を走る
きょうはたのしかったね
あっという間の
夢みたいな一日は
ま ....
空ばかり見上げている君の足元はおぼつかない
足元ばかり見つめているわたしの空はさびしい
だから
一緒に歩こう
そしたらまあるくなれるから
体温が交じり合って
境界線がなくなって
二人が一つになって
古い輪郭線がほどけてゆく
まっすぐに
まっすぐ に
だから「それ」は
わたしになりました
*
選ばれなかったから残った
と 言うのは
選ばれた
と 言うよりも
5センチほど
ほんのりさみしくて かなしい
だけど
選ば ....
ペールオレンジ って
言い換えてみても
結局
肝心なところは置いてけぼりでしょ
そんなの
ちゃんちゃらおかしくって
反吐が出そう。
どこまでも続くかのような
朱に覆われた道を歩み進むうち
母の胎内から生まれいずるような
新しく生まれ直せるような
そんな心持ちになりましたが
かあさん
一度 生まれたわたし は
....
誰かが言った
「世界は蜜でみたされる」
私は夢見た
「世界がレモン水に沈んでる」
世界は今
一体何で満たされているの?
私は蜜より レモン水の方がいい
満たされるよりも
沈 ....
しゅらららん しゅらららん
晴れた気持ちのいい天気の日には
自転車も気持ちのいい音を響かせる
しゅらららん しゅららららん
その音を聞いていると
私もとてもいい気持ちになる
ゆっくり自転車 ....
6月が
綺麗に敷き詰めた玉石を
7月は
蹴散らして突き進んで
8月が
全て壊すから
6月は
悲しみに身を投げて
9月に
生まれ変わって
また
繰り返して
....
試行錯誤とか
暗中模索とか
迷うことを
許してくれない
割り切った季節は
無慈悲に背中を
押すから
わたしは怖くて
怖くて
雨傘を
握り締めたまま
もと来た季節へと
駆け出して ....
波打つ
赤茶けた
トタン屋根の上で
夏 以前の
曖昧なものが
溶け 溶けて
滴り落ちてくるのを
南京錠
鍵穴で受け止め
夏 開く
{引用=
2005. ....
友達は精神活性剤
どんな栄養ドリンクよりも
確実に着実に
私の心を元気づけてくれる
友達は精神活性剤
好きな人は精神安定剤
ホットミルクよりも
あったかくて安心できて
私の心を休ま ....
幼い頃、年明けには凧上げ。
冷たい北風の中、
小さな手で一生懸命糸にしがみついていた。
その手からざぁっと凧を連れ去ったあの風は、
友達がほしかったのでしょうか。
桜咲く春の日。
鬼ご ....
所狭しと立ち並ぶ家々を見ると
さながら箱庭のよう
走りゆく電車をみれば
そこは鉄道模型の世界
久しぶりに感じた鳥の視点
僕の心は夕焼け空に溶けてった
{引用=
1997
....