早朝だ やがて陽が登るだろう
記憶に 登る記憶があるのだが
それは 過去で何処かで起きる
未来だ 過去と未来は出会うか
やがて 冷たい冬が来るだろう
かつて 訪れた様に静 ....
いくらおしは(か)らいしたら、狂ってくれる?
ただでゆらしてさしあげますって
ただよってるだけじゃん
はくくらい、して
いけないことなんか、あるわけないから。
ごろつきとにらめっ ....
いつまでも吊りさがっている
きみたちの残像はかたどられて
切り揃えられた爪も
ほどけてしまう
蹴りあげた砂さえ、
不確かならば
つながれない点と線
結べないまま
いまを問いつづけ ....
世界が終わるその日には
いつもどおりの朝が来た
世界が終わるその日には
ありきたりな言葉だけど さよなら としたためた
世界が終わるその日には
ニュースだって ....
なでられて
ほおずりされて
よるはおなじふとんのなかでだきしめられて
ときには はらだちまぎれにほおりなげられて
なみだやよだれをつけられて
それでも
きみはいつもわらっていた
きみ ....
物語の主人公で終わるのは当然わたしなのだが
思いもよらず次から次へと脇役に死なれてしまうとは
脚本はやはり書き直すべきだったのだろう。
肉体的に屈強な男だったり
あるいは繊細で我慢強 ....
月が欠けたら
雲におおわれて
まっくろな魚で
どこまでも
うみとそらの
境いを
今夜はなにと
呼べばいい
詩がこぼれたら
昨日につかまれて
おんなじ夜明けを
どこまで ....
あかいまるが、縄跳びで遊んでたら
みどりのまるが、あかいまるを飲んだ
あかいまるは、みどりのまるの中で安らかに沈黙を食べていて
みどりのまるは、あかのまるを飲んだまま、からだを横たえてそばに ....
人の爪の根元に、白い浮島があることを知ったのは小学生の頃。
「これね、大きいほど元気な証拠なんだって。病気になると薄くなったり、小さくなったりするらしいよ」
友達から教えてもらったなんの根 ....
悲しみの
怒りの
境界線
を踏み越えず
誰に訴えることもなく
押し黙って生きる人
生きることの
ぎりぎりの場所で
踏みとどまっている人
見知らぬそ ....
速すぎて悲しめない
速すぎて見えない
速すぎて寂しいから
速すぎていなくなった
ひとりとひとりとふたり
ふたりはふたりのひとり
あの丘に花がいっぱいになったら
どっかあそびに ....
タマンキは売春宿を焼け出された弟子たちと
カナリヴァのほど近くにある
ヌレヌーレ山に登り明朝の日の出に
彼らの最後の迷いをペミンテしようとお考えになられた
ヌレヌーレ山は草木一本生えぬはげ山だ ....
暖簾をくぐり、席に着く。
「もり大盛り」
静かに言う。
店員が厚手の湯飲みをことりと置く。
その半分を飲んでいるうちに蕎麦が運ばれてくる。
どんな蕎麦がくるのだろうか、初めて会う人を待つ ....
秋の
おだやかなひだまりを選んで
猫が
優しいけものの形で眠っている
堅いボンネットの上で
その寝顔はとても気安く
しばし駐車場で私もうたたねをする
ほんとの君の正体は
西方白虎だ ....
自分が
無から有へ
遠くからここへ
暗がりから
まばゆい場所へ
運ばれてくる
冷気を浴び
染みわたる
熱い珈琲
おはよう
おはよ
「お母さん、コンデンスト・ミルクっておいしいね!
明日もまたこれ作ってね!」
娘達が練乳をお湯で溶いた飲み物を啜りながら言う
「いいよ。
お母さんも子供の頃 これが大好きだったんだ ....
僕は逃げてきたのだ
目の前に 消えそうな夢を 見ていた
色々なことから そして
僕は いつも 逃げ続けていた
いつもの投げやりな顔で
僕は支払わされたばかりの罰則金を噛みしめ ....
うつくしき日に
さざ波のカーテン
それは薄緑の夏のレースで
さらりとした朝の風に似合う
早朝のまどろみに
漂うきみと白いへやは
まるで溶け合っている 調和して
、きみのせかいを垣間見 ....
誰かが悪い訳じゃないが
行き違う人達の
手が
ささくれていただけの事。
俺が責められた訳じゃないが
少し哀しくて
すぼめた唇から
息を吐いたけど
口笛は鳴らない
歯並 ....
道の駅で白菜を買う
むいた白菜から虫がでてきた
さすがに新鮮なのはちがうねと
そうおもわなかったのは私のだめなところ
水に浮かぶ虫の姿を
ぼんやりみながら畑を想う
命のやりとりはあ ....
きょうレインボーブリッジを2度とおった
ゴールデンゲイトブリッジは世界有数の橋だが
カリフォルニアの海風は太平洋を渡ってきっと
お台場の空を見ているにちがいない
つかの間サンフランシス ....
テレビは 肉感で溢れ
リアルも迫ってくる声やアピール ハイヒール
ルージュに ネイルに フレグランス
もう視線は逃げ場が無いくらいだよ
汚い空気で 息を吸う場も見つからないから
指定 ....
何も 考えてはいない
見ているものは美しい気がする
夢を そして 見るだろう
故郷の土を脳裏に感じさせられながら
霧の中に
忍び込ませる
スプレイ
たいせつなもの
傷つけないように
そっとひかる
薬指
夜は遠く
行き来する
吐息のような
それでいて
濡れたような
....
真夜中に降る
明るい雨
君のいのちを引き継ぐもの
真夜中に降る
明るい雨
君が育む 小さな鼓動
帰れない
という
幸せがある
夜のとばりが
光に変わる
....
回転扉 押せば良い
入れるだろう
多くの忙しい人々が
私に続いて 押す
入った私は
ガラスの煌きと共に
ある一点の中心の
虜になり
こちら側からあちらへ ....
ゆっくりと昇る、長い長いエスカレーターに
静閑と座すドーベルマン
傍らの階段を
人間は忙しなく駆けていく
考える獣よ
お前は顎をあげ、頭上を見据え
エスカレーターの流れるままに
どこ ....
やさぐれた町に、カップ酒の男がひとり
あまりにしっくりしていて、存在すらわからない
そのポケットに色あせた息子の写真があるなんて誰も知らないし、興味もないことだ
「ねぇ、ねぇ、ケンちゃん
知ってるかな?
男が喜ぶさしすせそ」
「あぁ、なんか、聞いたことがある
さ、酒
し、下ネタ
す、寿司
せ、世界一
そ、尊敬してる、かな?」
....
期待しないように
どうせだめだって想っていれば
傷つかない
そんな壁づくりにいそがしい
なんにもしない夜
できないわけじゃない
のも いいわけ
明日にゆけないと
それはそれで困 ....
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