夜の静けさ深みに
肉の激痛伴い
響く声 祈るように
[アナタナシ には生きられない]
[アナタトトモ には生きられない]
裏返っていく夜の深みに
独り人 祈るように
繰り返す ....
「どうしていますか」
あの人にLINEを送りました
いやなわたしです
最低なわたしです
やめようと何度も思ったのに
わかっているのに
死ぬほどみっともないと
わかっているのに
....
あなたは蝶みたいに喋る。
わたしも蝶みたいに喋る。
「喋れない」とも喋れない蝶たちは、ひらひらと舞って、お花畑を自由に飛んでいる。
結局、わたしもあなたも喋りかけられるのを待っていた。今 ....
雨降りの停車場を訪ねる
あなたを
鈍く光る雨降りの停車場
仰向けの自転車
あなたの指先の雨だれ
写真のように話しかけてください
雨降りの停車場
の人影
遠くから遠くを
ポケッ ....
ふたりなら楽しいことも倍だけど少し寂しいふたりぼっち
ふたりは語らい歩む紅葉のもえる色を頬に射しながら
雨の日はおおきめの傘一本で街を歩こう濡れるふたり
ふたりは眠る終電 ....
カーテンは 夜、
ゴムに似た苦笑に変わって
弧状の痺れに変わって……私たち、
ポットから熱いお茶を注いで飲んだ
点けていたテレビと電灯を消し
歓びのような虚し ....
歌をたたむ。{ルビ耳輪=じりん}がひとつ、
骨いろの水面をもがいて、
ひしゃげた三日月になりそうな夜
まだ多すぎた言葉を忙しく折りたたむ
明日の晩 静けさのおもてに ....
二日前
胃の違和感がして
嫁に病院まで送ってもらい
検査をして
盲腸といわれ
緊急入院をした
あまりの急な展開は
まるで父さんのようだなと
思い返して携帯を眺めた
ただの風邪 ....
それは恋文でしたか
長く綴られた美しい文字でも
過去形になると
住所も名前も内容も
要らなくなってしまうのですね
中古屋で買ったシュレッダーに
「アパート」という文字を半分消されて
....
街なかで魚を見かけた
夕暮れの人混みをスイスイとすり抜けて
駅の方角に泳いでいった
海中でもないのに魚が生息しているなんて
奇妙なことだと思ったけれど
通行人は気に留める様子もない
私がこ ....
雨が降ったあとの空は真っ白で、何事も起きていないかのようだった
しなくちゃいけないことを
「ぼんやりと思う」の引き出しにしまってく
そして冷蔵庫から夢を取り出して有難くいただく 美味い。
これだから夢はやめられない、と遠くをみながら
眠り羊のラムネをさ ....
どうしたい?
どうされたい?
こども言葉の
たいたいは
私の街では
さかなの意味で
愛したい?
逃げ出したい?
私は
小さな水槽で
いつでも
空を見上げてる
貴 ....
料理をつくる
今日の分をつくって
昨日の分を捨てる
だれかと食べる
ひとりで食べる
料理をつくる
今日の分をつくるが
明日の分はつくらない
今日のためにつくる
わたしの今 ....
青いってくちにして街は海になる花びら泳ぐ彼方の岸を
まぶた濡らす緑雨は君に降りやまず海の果てに飛ぶ鳥を探す日
永遠に待ちぼうけです目を閉じて探して君の赤い夕焼け
いくたび ....
運慶作とほぼ確定されている鎌倉期の大日如来像は、ころっとしていて小さくて、剛健でありながら赤子のような柔らかさが匂うようだった。
目に見えない宇宙の真理を、エネルギーを、擬人化ならぬ擬仏化したら、こ ....
ATMに寄って
壮絶な家計状況に直面して
コンビニで東電に電気代を支払い
クリスマスプレゼントもあるしなあと
曇り空なんて見ないふりしてバス停へ
あたしの仕事って、いつ人口知能に取って代 ....
赤いチュチュをはいた
白い花たちが
寄り添って踊る
小さなバレリーナ
踊ることは
生きていることだと
無邪気に笑う
顔を寄せたわたしの目の前で
おさなごのやわらかな手に触れ ....
家はたくさんあるのに
その家の屋根にはたくさんの鳥が集まっていた
一列に並んで
まるで会議中のようであった
それぞれが首をかしげ
うなづきながら会議をしていた
ついと一羽がとびたつと
い ....
それをやめる捨てるそして
夜空を想う
お月さまは三日月 腰掛けてみる
見下ろすと海 きらきらと
たくさんの星の棲む
ダイブする どこまで行っても
きらきらと瞬くさやか
ばかりのなかをお散 ....
(こういうときに)
いつも見得てくるのは
石っころばかりが転がってる原野
曇っていて 夜ではなくて
怖さやさびしさは ない
色彩の灰色な単調さのなかに唯一
そよぐ一輪のあおい花があって
....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形で
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている
大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
君がめいっぱいタバコを吸って煙を吐いた
だけど、吐き出されたのは煙ではなく砂煙だった
僕は運動会でつむじ風が起きたときのことを思い出した
空は一瞬で濁って
口や目に砂が飛び込んできて、服の ....
161119
目覚ましを買いにゆく
半球形の鉦が角みたいに
2つ頭に付いている
クロームメッキが美しく
音も煩そうだ
目覚ましの典型的なのが
目に付いた
....
シュルレアリストの洒落たエア・リアルのレアなリズムで
アリスのあられもない素足が水を蹴りあげる
哀れなミズスマシは見た!
静まる死の間際の未詩
冷たいリリシズム
....
落ち葉が濡れて
汚れが流され
綺麗な気持ち
光りの雨が降っている
いろいろいろ
いろいろいろ
一枚一枚違う
拾って眺めてみれば
私のような姿かたち色もよう
身体はしとしとと濡れて
....
竹林に佇む己
夜の静けさ折り畳みながら
竹林に佇む己
折り畳まれた静けさに脳水押し戻され
ぴくりとも揺れぬ竹林に
脳水震え不可聴の響き蘇る
脳髄を道具とし血潮の温もりに含まれるも ....
ことしも
庭の柿の葉が
一枚 一枚と散ってゆき
やがて 冬の裸木になるだろう
まるで 俺の老体のように
でも やがて 春には
芽を吹き 葉をつけるだろう
お ....
未来では僕の一生は黒歴史だ
墨汁で真っ黒に染めた問題用紙ぐらい黒い
でもその黒さが誰かに伝わればいいな 今のあなたや、未来のあなたに
僕に「生きていけ」って言ってくれたひとたちのように、あなたに ....
魚焼きグリルってさ
ホント後始末が大変なのよね
それでもね
面倒臭くても
秋にはサンマを焼くの
炎で焼くの
フライパンはNGだよ
滴る脂を見てると
つくづく
秋らしくない
秋の風物 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333