本日のお品書き~チャンポン~
チャンポンの具に秩序失せ世の乱れ
いまはもう思い出でしかないが、下関という町は食い物のうまいところだった。その背景には永く大陸への玄関口だったことが ....
学生のときは
教育がおかしいと
思ったから
学校をやめた
社会人になって
組織がおかしいと
思ったから
会社をやめた
旅人になって
国家がおかしいと
思ったから
主張をや ....
夜景色の鉛筆が書いた電燈
違う宇宙にタンポポは手をふった
短歌より歌詞が少ない長い歌
未来みたく希望になった昨日たち
夜の景色は夜景の色なんだね ....
昨日、冬季休暇の残っていた1日を、
2月までに取らないと消えてしまうということだから、
本当はもっと後にしたかったけれど、取ることにして、取った
貴重な、自由な日だから、やりたいことを、
....
椀に触れたことのないくちびる
樹液のにおいのくちびる
人を知らないくちびる
ひとりを生きてゆく手のひら
人の姿をした冬の
はじまりと終わりが並んで立ち
木々が途 ....
一富士二鷹三茄子
一富士二鷹三茄子
親の意見と茄子の花は
千に一つの仇もない
春新月
花爛漫と
曇天の夜
昔フランスの小さなドミトリーに泊まったあの日。朝、そこで食べたパン。街並みはイギリスとよく似ているけれど、少しだけ違うのは、人々だった。ちょっとだけ、愛嬌はあったのかもしれない。まだ、あの頃は若かった ....
さびしい場所はきっとお互い似合わないよ
端っこに腰掛けたふたりは口を開けない
不幸せに倒れ込んだ先
マッチを擦る音がして振り向いた
傷をかばってできた傷がここにはあるんだぜ
いやしい光が ....
本日のお品書き~マグロのづけ丼~
ピカソの鮃のごと中落ちの骨残る
逗子の駅前にスズキヤという食品スーパーがあり、ものがいい。実にいい。その分高い。特に魚は群を抜いて鮮度がよく ....
(歌という文字から可と欠を引くと可なので)不可欠な歌は、可だ。
何かへとお支払いしてるみたいな動作の入るお祓いだった
両片思いって現実で起こる可能性のある現象なのか?
....
赤ちゃんを引っ張りだすように大根を抜いていくかあちゃん
タオルを風に飛ばされても大根の泥をはらいしなやかに太陽にかざすかあちゃん
袋売りの切り干し大根にしか興味のないあたしは中立を気取る麦 ....
いつまでも忘れられない恋がある何年経っても年を取っても
叶わない想いだからすがりつく幸せなんかに用はないから
どうしたら伝わるかしらこの想い言葉にしても届かないのに
恋よりも愛よりも ....
太陽が煮崩れてゆくよ
刻一刻と、取り返しがつかない程に
肉じゃがには男爵ではなくメークインだと
そう母は教えてくれたのに
きっと僕が買い間違えてしまったせいだ
だから ....
個人の貧困は妄想なのだろうでも
あるいはこの国が貧困なのだろうか
いずれにせよもう描かないだろう
ベランダで洗濯物を干すwifeみたいな詩
僕的にだけれどね
アンチテーゼがつきるころ ....
恋心
ハンドメイド
チョコレート
カバンの中
自食
涙味
君と初めて出会ったとき
ひとすじの命の流れが
恥じらいながら軽やかに跳躍した
君と一緒に旅行に行くたび
ひとすじの命の流れが
その深い色を一層深めていった
君と結婚したとき ....
中華街で食う
春節の肉団子は旨い
肉をこねて
揚げて
煮込んで
茶色の大きなかたまりに
春の息吹が押し込まれてる
たっぷりとした汁の中で
白菜やら
....
掌編
ハーマンさんのお店に野菜をに買いに行ったら、遠くからわたしを呼ぶ声を聞いた。うるさい音を立てる自転車を漕いで埃っぽい道を、兄の友人(だった)、オーガストが近づいてきた ....
時々思う
いつか故郷に帰ることを
ホームの 静かな駅の 電車に乗って
かつてと同じホームに立つことを
僕は時々思っている
聞いていいんだよ
私は寂しかったよ
先の平たいアイス用のスプーン
最後まで綺麗に掬えるからって
あの頃のあなたって
そんなだったね
そんなだったよ
懐かしい路地裏のカフェ
ティース ....
訪れる
時はじんわり
湧き出づる
そうして私は橙の
脳裡の懐かしい光に包まれ
生きている、生きている
くっきり浮き立つ輪郭と
物という物が発散する
確かな響きに包まれて
活きている、 ....
本日のお品書き~おでん~
まっすぐに串逆立てて関東煮
昭和三十年代に地方の子どもだった男子(とくに大阪から西)が、放課後に直行するのは春夏であれば駄菓子屋。五円のみかん水というガジ ....
ひたすら壁にむかって投げ続けた
ひとりだった
みんな学校へ行っていた
じぶんのふるさとをこうして
時々
思い出す事がある
電車が通ると夏草がゆれた
およそ色んなものが
おもえば ....
昔 NYCの日の沈まない通りのどこかで
ぼんやりとイラン人の売るチョコレートを買い込んだ
そして まだドアの向こうの薄明るい外に出ると
僕は通りの上を歩いていった
少しだけ不安なホテルに向かう ....
春が来るらしい
誰かが
わたしの肩を
抱きしめているような温みがあり
天と大地の鼓動が聞こえる
アスファルトが選ぶ雨は
どうしてこんなに優しいのだろう?
遠い昔に私が持っていたものを
まるで知っているかのようだ
まだ誰も数えたことのない数字が
見つかってしまうかもしれない今夜
....
赤でも
黒でも
茶色でも
青でも
水色でも
水色の体験
から だった
前進しようと思えば未だできたが
から だった
寝ても覚めても
あんまりカラカラと鳴るばかりで
もう嫌気がさしちまった
(なのに夢の空はまた
淡い淡い紅に染まり
何 ....
沈黙の間を
星が瞬いてゆく
切り裂いた闇に
さよならの文字を浮かべて
明日が来るのを待っていた
このままふたりで
砂時計になれたら
3分だけを永遠に繰り返して
生き続けるのに
やっぱ ....
靴の甲のあたりの高さにもなれない、小さく目立たない花が板塀の脚に沿って群生している、昨夜遅くの雨でそいつらはテレビコマーシャルのように粒の小さい光を跳ねている、板塀はところどころ破れていて、それは ....
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