近所の人はおじいさんとおばあさんが
一緒にいるところを見たことがない
どっちがどっちにくっついて
おもちのようにふっくらまっしろ
のびていくしわしわ
仏のように柔らかな如 ....
理性と狂気
意思決定において
必要な情報
正しい目標は何か
それぞれの個人において
モデルは、ない
システムは
自らが自らのかがみとなり
うつし出されたものを
自らで ....
順調に河をくだっていたはずだが
気がつけばこの船は
豪華絢爛な泥船で
狸顔したチワワ数匹
キャンキャン喚きながら
不安定な船の中で走り回り
客の老若男女たち
口々 ....
{引用=
御控えなすって
御控えなすって くださいませ
さっそく御控えくださり ありがとさんで ございます
軒下三寸 液晶一面 借り受けまして
失礼さんに ございます ....
つばめの親は
とぼうとする子供を助けない
少し離れた場所で
おとうさん
おかあさんはとまっている
何事か話しながら
たまに外へいく
こどもはうんしょとのりだして
どたばたと ....
信号を渡る時
音楽もなく思いついた言葉
色彩の間をはね回る人間たちのシルエット
恋愛は駆け引きなのか
しかし誰もが心の底では純粋でありたいから
一夜限りの朝を過ごすのだろう
僕も衝動に ....
「ガチで」と言うのは
玄関先で
火打石を打ち鳴らす音に似ている。
大事な事をかくして
二番目の事をやりはじめた
それからは すべてが言い訳になった
ひとひのあいだ
にはうたかたのひび
うたかたの中庭にはたかいさが
さかいめがえがいたえがたいゑ
ひらがなのなかには、♪らがうたい
ゑのなかには
し(たた)る
あ(まだ)れ
う(たた)ね
ふ(た ....
古時計の長針みたいな君の睫毛
まばたきをする度、刻まれる時間が脳裏に浮かぶ
今日も本当に言いたいことは何も言えない
そのまま時間は我が侭に流れて
もうお別れの時間なの
夕日のストロボ ....
とても古くて大きな樹木
人がすっぽり入れるほどの
祠があり神様を祀っている
樹木に近づくと
その清らかさに心を打たれ
身体を樹木の中へと入れると
ひんやりと冷たいけれど
太陽の光が染 ....
美しいものは
遠い所にいる時
一番美しく見えるみたいだ
飛ぶなら飛んでいって
だけども 線路なら
ホーム下に潜り込めば
誰にも見られずにキスできるよ?
なんて、
大丈夫。
あなたを閉じ込める権利なんかないし
闇をこじらせるつも ....
{引用=―M・T君に―}
「てんぎゅうをとりにいこう」
きみがそう言った夏休みに
ぼくらは残忍なハンターになる
もくもくと青空に湧く入道雲
稚魚の群れが回遊する島の海を
ぼくら ....
死に逝く間際
人は自らの人生を 遠く
心象風景として眺めると言う
ある者は石くれの丘に広がるぶどう畑を見た
長年の労苦のまだ見ぬ結実を眺望し
その芳香と甘さを味わうかのように
微笑みな ....
何か
何かある
それぞれに
おもうことがありわたしを
通りすぎていったそれも
いまはどこかで何かを
している
何か
ある
何事も糧にするのであります
たとえば ....
岬の突端に立ち
両手を広げたとき
長い髪が風にそよいだ
色は草の緑
影も同じ
名を呼ぶと
振り向いた頬は
今吸ったばかりの
塩混じりの空気で
薄ピンクに膨らんだまま
「なあ〜にい? ....
割れた橋から
差し出される手
何も映さない
水たまり
指の上
冬の川
霧のゆく先
池を伝う陽
外灯の裏の夜を歩き
晒されつづけるはらわたと骨
水 ....
ある日
猫に似た尿意が告げた
(あなたはけして)
(あなたではない)
だからわたしは
めざめて最初に見たものへ
放った
....
西麻布の人気のない通りで
朝がくるまで踊っていた若者たち
死んだような不況の街でも
僕らは探すことを恐れない
それとも悲しみの現れなのか
わからないけれど感覚は
七色の照明の中をのたうって ....
神社の脇に湧き出ている水を
手をかざして一口飲むと
喉をコロコロ撫でる
境内に生える大木から
風が気持ち良く流れており緑が眩しい
少しずつ身体中の細胞に広がる湧き水は
....
苦しかったら
ここにおいでと
空が囁いてくれた
でも私には
翼がなかった
辛くなったら
ここにおいでと
海が囁いてくれた
でも私には
鰓がなかった
....
負けるもんか
って思ったけど
勝ち負けじゃない気がする
わかってよ
風がふきつける
わかってよ
わかってよ
いろんなものをとばしてゆく
私は
とばないよ
ふんばっている ....
甘えていた
甘えているとは
自己本位だということだ
あたまで考えたこと
こころで感じること
バランスではなくて
優位性でもなくて
甘えずにいるには
沈黙 ....
本日をもって閉店させていただきます
うちから徒歩一分の
スーパーマーケットが何十年かの幕を閉じた
棚はがらがら
生鮮食品とお惣菜ぐらいがあるだけなのに
人が溢れてうねりうねって彷徨っ ....
希望と文学の関係を知ろうと思った。そして、漠然と、ユーチューブで映画の批評を見てみた。単純に映画という作品のほうがたとえば文学的なものと比べて圧倒的に反応が多い。それ以上の理由は特にない。
漠然 ....
口笛が苦手だった
草笛はもっとダメだった
シロツメクサの冠も
首飾りも夢で終わった
風がみてたそんな時代
いまは遠くわたしが望む
たぶん背丈は六歳の頃
レンゲソウが頷いていた
....
思われニシキヘビ
意地をはったら息がつまる
背中がぴりぴり痛くなる
いったん意地をはると
ひきかえせなくなる
はらなければよかったけど
吐いた言葉をどうにもできなくて
残った意地とだきあって
折れ ....
うつ伏せはろくでもない夢をくれる
瓦礫の下の手を掴んで目が覚める
マントを引きちぎって
黒のペンキをぶちまけた
それを誰かがみていた
無二に焦がれて詩を贈る
ちぎれた紙切れ ....
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