食うか食われるか
朧月

道の駅で白菜を買う

むいた白菜から虫がでてきた
さすがに新鮮なのはちがうねと
そうおもわなかったのは私のだめなところ

水に浮かぶ虫の姿を
ぼんやりみながら畑を想う
命のやりとりはあまりにリアルで
白菜からしばし逃げる

からの鍋から
時間が逃げてゆく
テレビだけが正確にときをうたい
私と虫は取り残される

えいと水を注ぐ
ざくざくと切りながら
今日のときもざくざく ざくざくと
切り刻む 明日になれよと


自由詩 食うか食われるか Copyright 朧月 2012-10-23 22:03:28
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