残夏のあと
高瀬
うつくしき日に
さざ波のカーテン
それは薄緑の夏のレースで
さらりとした朝の風に似合う
早朝のまどろみに
漂うきみと白いへやは
まるで溶け合っている 調和して
、きみのせかいを垣間見る
幾日前の残像は
疑いようもなく夏であった
ひびは去りつつあって
いまは追いつけないまますでにいま
ふたたび蓋をしたせかいに還る
遮断率に欠けた
からっぽのへやのなか
どこまでも浸りたかった
真夜中のアンビエント
、三秒前の余韻
手繰り寄せたらば人差し指と小指とで
いまはいま
まぎれもない残夏のあとをたどる