ちりちりと
肌刺す冷気に
包まれて
詩を書く、詩を打つ
この夜陰
街には霧雨
降り続け
終わることない
哀しみが
記憶の糸を
濡らしてゆく
(糸はすぐに冷え切って
逗留すべ ....
世の中は日々変化します。
私が長年愛用してきたガラケー(ガラパゴス化したケイタイ電話)も、
あと二年ほどで使えなくなるそうです。それで、「早く買い換えてくだ
さい」という催促が、ケイタイ会社 ....
小さなものたちを紹介をしよう
かれらはずっと昔からそこにいたようにも見えるし、つい今しがた、現出したようにも見える
目が触った瞬間に彼らは魂を宿すことだろう
目を逸らしたとたん跡形もなくなる ....
意識の表面に 皮膜のように貼りついた
夢を剥がす 淡哀しく雪が降る ログイン
ログアウト 扉の向こうに 景色をしまい込んだまま
日々は眠る ログイン ログアウト 小さな痛みが
星のように瞬く ....
この世には弱い理性と、強い理性とがあるように思うことがふんだんにあるけれど、じつは理性に優劣はないと思う。というか、ない。あるのは人間の判断だけだ。判断というものに理性はなんら関係を持たない。理性はそ ....
豪雨の窓辺で蝋細工の悪魔が猛り嗤っている気がしたハリケーンの夜、あれはいくつの時の記憶だったのか、脳の片隅で日付を失くしていた、スマートフォンのお前のデータをダイヤルしていた、深い眠りも覚ますほどコー ....
人生を全うしたとき、命は何層のパイ生地に仕上がっているかな。
僕、死ぬのは怖いけど、棺の中で美しいパイに焼き上がりたいな。
暮れの空に 巨きな曇が
ひとつ浮かんで動かない
街を隔てる径のむこうに
家より高い鉄の樹がある
街へ 光へ
到くもの 到かぬもの
降りそそぐ 機械の星
花の星
....
星の残骸を
ひろってきて
テーブルに載せ
みしょー
と書く
みしょーの絵
ってどんな絵か
よく知らないけど
なんにもなくて
おひさまがある
そんなのが
みしょーな ....
月見草
銀に揺れている
透明な水流になびき
引き寄せられ
傷んだ身体
俺は引きずっていく
引きずられていく
寒風吹き荒ぶなか
青、蒼、碧
陽光余りに眩しいこの真昼
俺の ....
街中に溢れている
気だるさや
やるせなさや
無関心や
私には名付けられない誰かの表情
変わらないようにみえても
変わりつつあるのだ
忘れかけていた
足りないもの
オールドノーマルな
....
{引用=銀杏一葉}
フロントガラスのワイパーの圏外
張り付いた銀杏一葉
冬の薄幸な日差しに葉脈を透かして
用途を終えて捨てられた
ひとひらの末端 美しい標本
飛び立つことはないはずなの ....
黄金の虫
炎に包まれ
檻の中から
飛び立った
見学していた
子供達の間から
歓声が上がった
黄金の虫
ドーム状の
天井近くまで
炎に包まれ
舞い上がり
ふらふら堪え揺れ ....
私の詩もまた
消費される一方なのか
思い出しては心に響く
悲しみや苦しみも
消費される一方なのか
それでもいいのです
永遠の中の一瞬のように
あなたの一念に収まれば
それでいいので ....
誰にともなく
プレゼントを贈りたい
できればシロツメクサの首飾りと
夏の朝の匂いを添えて
箱の中には
あなたの希望に一番近い
停車駅を入れておく
中が空っぽなら
それもまた ....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右に掻き混ぜる
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように ....
11月の今頃になって
ハムスターが死にかけている
妻が巣箱の入り口に芋を置いても
出てくる様子がない
ペットショップで買って1年半
秋から急に痩せてきて
数日前から餌を食べなくなった
廻 ....
お空
お空を見る
透き通った青
僕の心
ほんとうにほしいもの
夜明け
澄み切った青
終わらない世
もらった命
大切なんだ
だってさ
こんなにも
愛おしいんだ
ほんとうに
ほ ....
オートバイを倒し込み
交差点を駆け曲がる
ボクの優雅なライディング
信号待ちの彼女らが
憧れ抱いたかもしれない
となりに並んだワゴン車の
彼女と目と目が合ちゃった
それも三回合っちゃ ....
切通しを歩いていった
母と二人で
縁切り寺もあった
夢の鎌倉で
屋台では
地球駒が不思議な同心円を描き廻っていた
眠り駒……
わたしはその時、
じぶんが自分であることに ....
倶知安厚生病院に
入院中だった母親が
意識を失い
ドクターヘリで
札幌の病院に運ばれた
知らせを聞いて
病院に駆け付けた時
点滴や酸素マスクや
ベッドサイドモニタで
管だらけにな ....
麻の半袖ワンピースを
さっぱりと洗い
捨てる時を伸ばし伸ばしにしていた
サンダルに永遠の別れを一方的に告げる
風鈴は日曜日の新聞紙でくるみ
青いペディキュアを消す
扇風機の薄い羽根 ....
張り込みには、つぶあんよりも、こしあんのあんパンで!
こしてある分、きめ細やかに、些細な動向をも見逃さぬ!
うなずくたびに
プライド削って
削り屑
風に吹かれて塵と消え
最小の自分で
立ち向かう
この世の闇は泣いていて
怒りに震えて冷たい
指が凍るほどの冷気
凍傷を癒やしながら
それでも ....
今。
今火葬場なんですよね。母が亡くなりました。
コロナ禍での入院なので、あんまり会ってない。6月のあの夜、急いで実家に帰った時から、ぼんやりわかってた。緊急入院。カテーテル治療。でも、あ ....
何もできないので
何かをやっていたら
何かでいられた
ような気がしていた
でも本当は
ほっとかれただけ
いてもいなくても
どちらでもいい
そういうふうなものとして
満足にヒモも結 ....
月の灯り陽の光り
誰もいない銀の馬車
不幸など誰が予測できるだろう
誰も予測できないから不幸ではないのか
あの人たちも
傍らで見覚えのない家族が啜り泣いている
....
西大路五条のロームのイルミネーションが
クリスマスを飾る季節が来ると
僕らはいつも冷たい空気に
羽を震わせながら巣籠もりして
ローソンの食糧を買い貯めて
ぷるぷる震えながら
やがて来る春を ....
晩秋の古道を上り
辿り着いたのは
兵火で埋もれた廃寺近く
青い池がひっそりと
木立に囲まれて
残された伝説は
池の竜神さまから
祝いの膳椀を借りた者が
ある時 規範を怠り
きちん ....
20アールほどある畑に散らばった
枯草やら枯れ木やらを一輪車で集めて焚いた
すごい勢いで燃え上がり気付くと眉毛が焦げていた
全身の水分がみんな抜けてしまい
時々期外収縮をおぼえすごくくたびれた ....
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