気の利いた
短歌ひとつも
ひねれずに
よくもまぁ君
明日も生きるね
....
私の
白い爪の先を
撫でる
あなたの大きな
親指
電車の隅に座って
人目を避けて
生きてきたのに
手鏡を見つめる
自分の顔と
その向こうに流れる
車窓の景色
懐かし ....
ふたりで眠り込んだベッドの窓辺には
二週間まえ満月と金星がいてくれた
急斜面に生えた常緑樹たちの縁どりが
この五年かんおまえに微笑んでくれていたんだね
みどりになりたいよ
....
ハスの花は
決して幸せではありえない
どれ程の穢れと
どれ程の辱と
どれ程の悔しさの中で
生きながらえて
どれ程 他人が怨めしいことか
凍った心は石化して
永遠に解けることはない
死 ....
船着場で紫の
アメフラシのひだひだが素敵
こいきに落下してくる小さい音
左舷右舷
手がヤニで光っている
かざす指の間に夜空
羽虫が落ちたり飛び上がったり
ひだひだの
包帯の隙間から何か ....
スタンドは
一人一体
さぁ抜きな
どっちが速い?
試すとしよう
....
うすら寒い夜にはホットジュピター
地球人はずっと宇宙人を探していたので
まず宇宙人のいそうな星を探すことにしました
ぼんぼこ燃えてる恒星よりは
生命体には惑星だろうと
まずはカニ座の55 ....
愛してるを
生きているうちに
どのくらい
伝えられるんだろう。
愛してるって
伝えられることの
素敵さや
大切さに
どのくらい気づけるんだろう。
....
薄くめくってゆけば出口があると
思うのだろ
決めてるのだろ
片手を壁につけて
ゆくんだよと教えた
両手を水平に保って
おぼつかない足取りで
リズムにあわせてすすめば
ほらついた ....
もう解約したはずの
父のメールアドレスに
メールを送る
すぐに返事がくる
なんだ
やっぱり生きていたのだ
Delivery Status Notification (Fai ....
誘惑に楔を打ち込んで
眠る時間まで起きていると
耳元で死に際を忘れた
昆虫が床に爪を研いでいる
仕事の量で計るものでは
ないのかもしれない人の生に
僕はまだ何も成し遂げていない
長い ....
君に愛されなくなったら
あたしの心臓も
止まってしまえばいい
君の目が 声が 手のひらが
あたし以外を愛おしそうに触れたら
その瞬間
まるでオーバーヒートするみたい
体中 ....
リクルートスーツとかマジありえねぇんだけどーきゃははははぁははは、とか言って左手で膝叩いて右手で指さしてたら、その女が奈津子だったから俺のちんこは死んだ。
マジ勘弁なんだけど、このブサイク、死ね ....
電話がかかってきて
行ってしまった
幸せになるんだ
といって
コケリンドウの
花をみつけた
ちいさな青
の付け根のあたり
淡く
消えそうなものに
私はいつも憧れる
たくさ ....
骨のコツコツ鳴ります
糸の編むように眠ります
サバ缶とサケ缶の区別はつきます
お尻から椅子に座ります
迷路の続きにまた迷います
....
プロポーズは
提案なのだ
コンフェス
告白でも
意を決した
まなざしでもない
明日
映画は何にする?
って
当たり前の
昨日と今日の
あわいに
そこに咲いている
....
安っぽいパフェのような
ありふれたクリームの
ことばなら
いらない
たとえば
リンゴ
歯ごたえと
その甘さ
いずれをも味わえる
絶妙のスライスを
私は
常に意識する
....
運び出された棺は小さかったので
担ぎ手は四人で足りた
会長は、喜寿を過ぎても出勤していた
迎えの車がリムジンだったのは
会社の沽券に関わるだけの事で
カーヴに技術を要するサイズだったのは
....
向日葵と背比べをして眺めてる庭の借景南アルプス
あとで何も思い出せないくらいの人生を生きたい
あの時あそこで何をどんだけ食べたとか
そのあと誰かと湖の閉鎖中のボート乗り場で
かなりきわどいところまで乳繰り合ったとか
そんなことど ....
早朝に雨が
鳴いている
目覚めもままならない夢現の耳元を騒ぐ
水の弾きと滴り
薄暗い窓辺は濡れたまま空を映す
うなだれ余した昨日までの日照りが
一清されるように流れる中で
肌を掠める ....
一定、一定の過去を創りだす
わたしの
しんぞうのうらがわの、
思想力と安楽死を求めてる、
わかく
やわらかく
なまぬるいそんざいかん
…
宇宙葬に関わっては、
いまだ周囲 ....
私の小さな声が聞こえますか?
この小さな息づきが聞こえますか
心臓を
守って
眠っている
今にも落ちそうに
大きく揺れている 鈴の音は
広すぎる世界の隅々まで
響き渡らせるには ....
キュンと鳴くこの胸の音聞かせたい
遠くからでも想っています
切り立った断崖の道を
あなたは独り 駆けていく
何物にも動ぜぬ 意思を以て
もしも その先に待つ
あなたの夢が
輝き放ち続けるなら
私もあなたの背中を押そう
あなたの手を取っ ....
{引用=
中途半端な気持ちで
ハウ・ドゥー・ユー・フィール?
と問えば
こぶしがかえってきた
夏
涙が流れ出る夏
涙があふれる夏
みんなからだがおかしい
脳のどこかもおかしい
....
誰でも良かった、しかし誰であっても駄目だった。特別なんて無い、ただの世界だ。
むしゃくしゃしたからといって無差別に人を殺す事は許されないし、退屈だからといって無差別に人を愛する事もまた許されない ....
○登場人物の紹介
竹田雷電(たけだ・らいでん) ………… チンピラ。火曜日に落雷の超能力が使える。
月谷守(つきたに・まもる) ………… 職業不詳。現在世界放浪中。月曜日の夜 ....
「水没した都市」の駅でアクアバイクを借りて
ハシケを曳きながらとろとろと岬沿いを走っていく
俺とあんちゃんは
一宿一飯の恩義で仕事をおおせつかった
沖合に座礁した小船の積荷を採ってきて ....
凍える体を暖めてくれる
そんな 一杯のコーヒーにもなれない僕は
冷え切った君の手をさする
どうにかして
暖めてあげられないかと
癒されない痛みがあることを知る
閉じては開く 傷跡がある ....
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