桜並木のその先にある病院で大事な人は死んじまった。
二年も前の出来事で、
桜並木のその先で大事な人が死んじまった
最後に見つめる瞳は
俺に一言
助けて だった。
....
40過ぎのババアの
男女関係の話を
夕飯時に聞かされる
こっちの身にもなってみろ
得意気に
「男女の関係はありません」
って、アホか!
あります=相手の男はちょい変態
じゃねえか! ....
庭の柿の木は ざらりとしたぬくい腕で
小さなころからずっと わたしを抱きしめてくれました
おばあちゃんがわたしを
だっこもおんぶもできなくなったころから
わたしはランドセルを放り出して
....
好意の正体を
私は知りたい
最近は
持ったことすらない
一緒にいたいと思う気持ち
寄り添いたいと思う気持ち
かなわないなあと思う気持ち
まあ
それもいいかなって
何も教えてく ....
男女の関係はありませんが
オーラルの関係にはありました
えっ?それを男女の関係と言う?
いやいや(苦笑)
オーラルの関係は
男と男、女と女の組み合わせでも
成り立つ訳ですから
それを男女 ....
断捨離中に父の写真を見つけた
捨てようと思ったが
写真の笑顔が余りにも清々しいので
躊躇してしまった
生きていた時は色々あったが
こんな風に笑う人だったのかと
今頃気がついて 少し胸が ....
月までは案外近い
いつか行き来できる日もくるかも、と
あなたはいうけれど
それが明日ではないことくらい
知っている
人は間に合わない時間が在ることを知っていて
間に合う時間だけを生きてゆく ....
虫の音が聞こえてくる
身も心もおちつく。
闇におちるように
なにもかも預ける。
夢は覚めてゆく・・・
「気持ちがいい
ひといき入れようか」
「お茶をいれてくれ
おちつい ....
唐揚げにレモンをかけていいですか
唐揚げに醤油をかけていいですか
唐揚げにポン酢をかけていいですか
唐揚げにソースをかけていいですか
唐揚げに辛子をかけていいですか
唐揚げに山葵をかけていい ....
光とともに影が伸びて
大いなる光に包まれながら
影が大きくなっていくのを恐れていた
光には目に見えない強さも含んでいたが
目に見えない影の部分も連れてくる
影におびえ、光に憧れ
一体ど ....
テーブルの上に置かれた瓶は
水滴を纏っていて
中身の冷たさを誇張している
だから触れてやる気にはならない
陽に照らされて温くなるがいい
酸味も消失し
不味くなったらいい
それ ....
月の見えない夜に川岸にいる
水面にはさかさまの空が微かに映っていて
まるで鏡の世界にいるみたい
水の音に耳をすませば
鏡の向こうから声が聞こえた気がした
月は、地上から見えなくたって雲の ....
わたしが
単に私で在る
時、
わたしは世界の一点
世界を占有せんと世界に挑み
わたしは限られた一点に住み込み
限られた一点から世界を眺める
(どけ、そこは俺様の場所だ!)
わたしが ....
追いかけるから逃げるんだって
わかっているけれど
見ているだけの自分にも
あきてしまったからしょうがない
太陽がまっかで
ずっとあなたがみているからだまって
私もなんにもいえないよ
....
ただ深い青空を見ていた
ある哲学者が言っていた
「私とは、私と私の環境である」
ただ赤い夕焼けを見ていた
人を愛する勇気が欲しいと
思った
秋の空はひたすらに高くて
吸い込まれそ ....
いろいろ怒っていたから
夕焼け雲も眉間のしわに見えました
優しくなんかないよ
夕焼け空も
あたしも
自転車をこぐこぐこぐ
このままどこかへ行きたい気持ちで
熱を嫌う午睡の肌に
蜘蛛は幾度も近づいてゆく
夏も冬も 獲物はいない
巣だけが 巣だけが増えてゆく
時の網目に掛かる埃
壁を覆う飾りの埃
彩りの無い彩りに
霞ん ....
逆さまになって
ぶっ倒れ
気付くと
天を仰いでいた
青
濃密な青
漆黒の宇宙空間に
そのまま接続していく
濃密な青
標高三千メートルのアイスバーン
アイゼンの爪先が食い込ん ....
しらないうちに
ふくらんでいた
さよならの風船が
やぶれて
きみはとつぜん
さよならをいった
夏のあいだじゅう
さがしても
おいかけても
たどり着け ....
充血した虚無
断層に突き刺さった骨
陽は傾き
死者達の視線が
白壁に乱舞する
茜の色を
遠い目で見ている
俺の傷みは血を噴き
空に灰色の煙が立ち込め
干してある洗濯物を汚してゆく
Jアラートに掴まされた夢が
輪郭をなぞらなくて良かったと
テレビの前でスープを飲んでいる
前触れもなく飛んで来るのはきっと
虫 ....
酒を飲みいつしか憂い消えていく魔法の液体副作用あり
深海の静寂想像する夜更け洋書に書かれたサメの生態
吐く息が真っ白になる時期が来た素っ気ない街に飾る電飾
好きだなぁフェリーから見る ....
あした召されてみりゃそれは正夢
ひとりぼっちにでもなりゃそれは逆夢
認証団体に世間話と説教をたれられる
背中をかちこちにして貧乏ゆすり
悲しみよついてこい
慈しんでや ....
おやすなさい
きっと見ようね。
ずっと居ようね。
夢に堕ちても
あなたをみよう
夢の中2人きり。
降り積もった
ましろのケサランパサラン
ふわっと、
さらっと。
....
廃線になった駅のベンチに行ってください
コスモスが揺れているのがみえますか
だれもこない駅の伝言板に
「おかえりなさい」とだけ 書いておきました
ベンチの下に 海の紙でできた封筒を隠し ....
牢であり城である街を浪が洗い
壁から瀧があふれている
奴隷の子と皇女は手を結び
錆びた真昼の水たまりを踏む
呼吸が
忙しく他者を連れ去る
水の底の 舌のようなもの
....
苦しくて苦しくて
もうここにはいられないと思った時
見あげた空に、火の鳥が飛んでいた
あの鳥は私に見せたのです
すべてをまばゆい光で 照らし
この世こそが 天国だということを ....
白い人が立っていた
水辺の道に立っていた
水面に浮かび立っていた
(青と白の絡まり合い
ゆっくりと渦を巻き
奥へ奥へと繋がる水流)
白い人が立っていた
水辺と水面、
....
何故だろう君と一緒に居るだけで曇っているのに街が輝く
遊園地テンション上がりすぎた君地球にはない言葉を叫ぶ
「教科書を食べれば賢くなれる」と言う君はバカだなほんとに好きだ
寺めぐり 庭めぐりして 自転車で ペダルが向かう 古都の秋
手にとれば いろあざやかな こけの寺 おおいつくして 木漏れ日のなか
晴れた日に 朝起きた時 さて今日は 奈良か京都か ....
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