私は自由です
とわざわざ言ってしまうのは
自由になりたがっている時
ほんとうの自由はなんだろう
探している
そのために生きている
それは言い過ぎている
でもそれでもいい
冬にねむる ....
ベン・シャーンは線の魔術師
展覧会のフライヤーを見ながら
頷いていた僕は浅はかだった
企画展の最後のセクション
彼の最晩年の連作版画
そこに並ぶのは線の魔術師に相応しい
震えるよう ....
忘れずにふってきた雪の
冷たさ身にしみて
憧れや
理想がすっととけてった
雪もまた
これが現実と
おもう白 真っ白な雪
晴れわたっていなさいね
かなうのならば、
かなう限りは
おまえの空を
喜びなさいね
馳せてゆきなさいね
どこまでも
どこまでも
たやすく
他人を切り捨てぬ ....
それは見覚えのある匂いだった
忘れてしまったわけではない
ただ興味が失せてしまっただけ
冷ややかな笑み、その後味は甘酸っぱく
放課後に校則違反をした君のように
柔らかく、透き通っていた
....
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか
昨夜から
今朝へ
光が溢れ
新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
....
「なんとなくそこが正しい」
なんて流れに適当に乗っかって
楽なところで生きたくないだけです
一瞬生まれた疑問符を無視したら
自分の一番嫌いな人間に自分が近付く気がして
....
あっちゃむいて、ほい! あっちゃむいて、ほい!
たまには向きおうてもええんちゃうん?
こっちゃむいて、ほい!
暇だし、日曜だし、外出するのも億劫なので、趣味について書いてみようかと思う。
゛お前の趣味なんて、誰が知りたがるんだ? ゛と思ったそこのあなた。侮ってはいけない。僕にだって興味を持ってくれる第三 ....
雪が降るね
私の中に
あなたの窓に
世界に
信じるのは簡単
みんな私を
通り抜けて
世界は
雪が
地表に舞い降りて
アスファルト
地下に抜ける
もう
キミは雪では ....
河の岸辺の柔らかき
柳の枝で縛り留め
貴女と私の幸せを
永遠にしたい
ただの一時さえ
繋ぎ止められはしないと
河は歌う
早瀬の石を撫でながら
おお
....
人気の無い埠頭から望んだ街はただ灯ばかりが無機の光を放ち
まるで人間の営みとは無関係な顔をしているみたいで
かすかな海の匂いを抱いてそれでもふと
人を遠い空間にいざなって行く
僕に ....
手のひらを
空が ざわざわしている
手袋の上に舞い降りて
うっ、雪達は しまった まずいと むずむず
気が付いた
この肌に触れれば 飛べない水滴
水っぽい冷汗ならいいのですが
....
彼はどちらかといえば
常識的な犬であった
子犬の時代には無邪気さがそのまま
天衣無縫な彼らしさとして愛された
けれど訓練士によって人間の基準を
与えられた代わりに彼は常識的な成犬にな ....
ほら、風だよ
君のやわらかなほっぺをなでていったのは
みえないものは優しい友達
ほら、風だよ
みえないものは みえなくていい
みえないものは みえないからいい
ほら、風だよ
いつ ....
見えない赤い糸
すれ違う運命
報われぬ想い
それがあなたと私の出会いだったら
それがあなたと私の愛だったなら
それさえもあなたと私の全てだったのなら
闇を切り裂くような叫びも ....
冷たい潮の香りが怖い
{ルビ蚕=かいこ}のように丸くなって
意識を沈めよう
聴こえるは 船の汽笛
朝には赤道近くまで 行くのだろう
こんな寒い夜は 誰かの温もりに
{ルビ抱=いだ ....
書物を読んだ
それはそれは ぼくの言葉では
この拙い言語の引き出しが悔やまれるくらい
静かで激しく吸い込まれる並ぶ言葉であった
ページをタタンデ
改札から向かう家路
毎夜 左上 ....
正しいもの同士が
ぶつかり合ってしまうのは
両方ともが間違っている訳ではなくて
両方ともが正しい訳でもなくて
答えがあると信じている者同士だから
だからぶつかり合ってしま ....
つぶやきでなくささやき
誰かがいるなら
みんなそうだったはずだ
この街の山並みになれて
朝に照らされて
涙も流せずに果てていた
愛はぼくに練習させる
その ....
炬燵から家族の頭生えている
かかとを鳴らして歩きたい
早くしないと夜が来ちゃうよ
ピアノの前でうつむいた
包帯まみれの正直者も
ハサミになって帰っていくよ
暗いところの過ごし方を
人より詳しく ....
カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る
苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく
どこかに月が隠れて ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう
君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
タバコを一本吸う夢を見た
しけた不味いタバコだった
そういやわたしはあれを一度も吸ったことがない
「一本目は不味いもんだ」
「二本目で上手いと思ったら中毒だ もうお終いだ」
と予備校の歴 ....
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稲荷寿司と太巻きが
如何に御馳走であった事か
材料は安価であるが
手間は恐ろしくかかる
ハレとケの区別があった時代
日々 ....
生きていたって悔しさに、潰され死に体だ
圧迫されて整形された
俺らは皆同じだ
にげろにげろ、
校舎の隙間を
プレス機にかけらる前に
走っていたって陽光に、照らされ立ちくらみ
汗す ....
君のことがいやだって
嫌いなんじゃないよ?
嫌いなんて面倒な事は
いわない
ただ、なんとなくいやで
一緒にいたくないんだ
鏡の向こう側で
わたしの顔が
わたしに囁く
君は ....
振り返ってみるとそこまででもない道に
たくさんの足音が降っている
身を切るような寂しさは僕を離さないように
痩せた木に大きな目印をずっとつけてまわる
ねぼけながら真ん中のイスに深く腰掛 ....
不幸だって?
幸福だって?
そんなみわけのつかないものに
騙されるなよ
夕陽がしみこんでゆくよ
私のからだに
今日もがんばった
私はがんばった
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