白雲が流れていき
青い青い空が広がった

異国は遠いけれど
宇宙は此処だ

僕はそう思った
瓦が白く光っている

烏が一羽とまっている

広がる秋の光の中を

烏と瓦が交わっている

互いの輪郭守りながら

光の海を泳いでいる


)この蒼穹は何処まても高く
)光 ....
歩きながら
いなくなった人を想う時
金木犀の匂いが
引き金になった
違う場所にいるのに
同じ記憶を持てるとしたら
僕等は甘くて眠い
昼間に出会えるね
こっちの意識が
向こうへと溶け出 ....
職業訓練に向かう車中
手嶌葵の『明日への手紙』を聴きていると
ふっと秋の童が降りてきた
きゃっきゃと笑いながら
ダッシュボードをはしゃいで走っていた

ぼくは
しずかに考えながら
考え ....
言ってはいけないことはないけれど
言えないことはある
言えないことなんて無いというのは暴論です
われわれに与えられた自由は
無限の宇宙の中でこのように制限されていて
しかし制限というのも言葉 ....
そうあるように
あるものが
あるだけなのに

なにかの切り屑のせいで首までが埋まってしまっている
上昇が原理ならよかったのに
鱗のはがれたものだけが天へゆけるのならよかったのに
人の望み ....
互いにスパークする宇宙で起きた出来事があり
誰も入り込めない花園の君がいていつか僕は叙情になる

面倒くさい真実ばかりがまかり通って
優しい嘘はにぎりつぶされて疑問ばかりが生き残る

レノ ....
たとえば
並び歩く二人が
気を置かずに話している
一方が振り向くとき
他方も同時に振り向いている

たとえば
双子が同じ夢を見る
電話でその話をするとき
互いの脳裏にはありありと
 ....
この部屋は狭くて
一人用のベッドだから
一人分の夢を見て
落ちてゆけば良い

明日という言葉が
魚の骨のように
引っ掛かる

ここはどこだろうと
足の指で毛布を探るとき

寒さ ....
夜、寝る前になって
やっと止まる原因不明の嘔吐感
医者はばんばん薬を処方し
私はばんばんそれを飲み
そうして実は気付いている

吐き出したいのはこの魂だ
上手く吐き出せない現状に
吐き ....
「かけない手紙を」

かけない手紙を
くもにしたためたい
くもはながれながれてあの街へ

読めない本で
眠りたい
夢見の国はほろんで咲いて

さみしい人と
さかなになりたい
海 ....
風にたむろした 光を
手掴みしたら 雪になる
今年の正月は 暮れやすかった
そんな 冬でした

秋が落とした 請求書は
来春払えたら と傷口へ手紙します
離散したのです
笑 ....
痛みを持たない笑顔から
毒も疫病もない広場へと
脈打つ雫が落ちて来て
紙の上には無い言葉を晒す


今は誰からも忘れ去られた
早死にの国から群れは来て
陽に焼けた影の落 ....
きみの影で星がしずかに暮らしてる ときどきそっと光ってみせる



ないということには無という名があって あるものみたいに名前を呼べた



「覚えてる? 降水確率0%の日に0粒の雨が ....
音楽を聴く分析学的な時間が好き
きみと過ごす解析学的な時間

深く沈潜してゆく愛情にも似た雪のよう
罵られる騾馬のように時間が過ぎていっても

愛撫する隙もないきみと暮らしているぼくは
 ....
中秋の名月に照らされて
天空の階段が
音もなく
月へと動いている

それが見えるのは

今となっては
限られた者だけ


遺伝子に隠された
遠い過去の記憶が

宇宙に浮かぶ ....
澄んだ眼の秋刀魚を
団扇で煙を飛ばしながら
七輪の炭で焼く
一文字のまま
黄金色に

皿にのる
香ばしい皮の下には
柔らかな身を支え
小骨をたくさんつけた
背骨が真横に走っている
 ....
人波に飲まれたら、人塵に流れ着く

首都東京
その四文字に魅入られて最寄りの駅からJR線の電車に乗った

地方に産まれて、地方に育ち、最終学歴は地方だった

卒業すると地元に居場所を失っ ....
テーブルにこっそりと封筒が届いた
茶色い養生テープがしかつめらしく巻き付けてあった
テープを剥がしてねちゃねちゃ丸めたが
丸めるべきは封筒であったかもしれない
危険なものは遠ざけておくように
 ....
台所のテーブルに黒い種をまいた
筋蒔きして切藁を掛けた
指先から種は漏れ出す
ガラス窓から陽は透ける

私の昨日にも種を蒔いた
明日に蒔くには残り僅かで
忘れるに手ごろな古い種の
いく ....
正直なところ、たしかに生活することは悪くない。湯を沸かし、布を洗い、床を磨き、花を飾る。娘の髪を梳き、夫の靴をそろえ、ときどき、外で花を売ることは。
どうしても今日死ななければいけないのに。とい ....
とても間違った言いまわしが
ひとに伝わってしまったとしても

とてもお気に入りの財布が
型崩れしていくように
しょうがないことだ

人はエンジンのまわる間は
やすみなく動き廻って

 ....
眉毛は太くて下がってて 
一重瞼の団子鼻 
唇厚くて しもぶくれ
良いトコ一つも無いけれど
語り口調は可笑しくて 
さっぱり分からぬ話でも
話下手でも どもっても 
心の綺麗な人だから ....
きみがちいさな黒点につまづいて
細く伸びてみたりさらに縮んでみたり
右手の過去と左手の未来を見比べているころ
困り顔で時間を凍らせたきみによりかかりながら
星たちが残していった虹を見ていたよ
無音の夜
また到来し
月はない
月光だけある
白々と
辺り、白々と
浮き上がり
寸断された記憶の
恐怖、また襲い来る

私は私の実感を保てず
意識の外郭だけが生き残り
やがて蠢 ....
肉屋のコロッケ
ラードが踊るパチパチと
手書きのメニューと
いいカメラでとらえた自然に生きる
魚や鳥たちが額に入れられている
それとは別にスナップドアップ孫が
二列に並んでおじいちゃんって ....
過ぎた昔を思い出して
くよくよするのは止めようよ

苛められたり
辛く当たられたり
差別されたり

そのせいで鬱になったり
そのせいで手首に剃刀あてたりした

過ぎた昔を思い出して ....
家の財布からお金が出払ってしまった

家を買ったら
すっかりお金に余裕が無くなってしまったのだ

なのに嫁さんは家計簿つけてなかった
俺はそれなりに稼いでいたけれど
嫁さんは事情があって ....
自転車を押す君が単線を渡ると
図ったかのように踏切が鳴り出した
いつものようにぼくは何もつかめないから
警戒色みたいな棒に文字通り遮断された
蜃気楼の中から電車が見えてきた
向こうの君は張り ....
梶原一騎の
相当なファンで
尊敬する人と訊かれれば
梶原一騎です!と堂々と
答えていた中学時代
編集者の片腕折ろうが
それは変わらなかった

一番好きなのは
タイガーマスク

飛 ....
鵜飼千代子さんのおすすめリスト(9835)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
想念- ひだかた ...自由詩420-10-20
秋の光景- ひだかた ...自由詩520-10-20
- ミナト ...自由詩2*20-10-20
秋の童- 道草次郎自由詩320-10-20
紙っぺらに殴り書き- 道草次郎自由詩3*20-10-19
ほんの紙片- 道草次郎自由詩5*20-10-19
スパーク- 梅昆布茶自由詩1420-10-18
我らの言語はいつも爆発している- につき自由詩3+*20-10-18
深海- ミナト ...自由詩6*20-10-14
詩の言葉で魂を- ひだかた ...自由詩1020-10-12
かけない手紙を__他- 道草次郎自由詩4*20-10-11
春へつづく季節- 道草次郎自由詩320-10-9
はじまり_はじまる- 木立 悟自由詩320-10-8
送る日々- 水宮うみ短歌3*20-10-7
秋の詩片- 梅昆布茶自由詩1420-10-5
月への階段- st自由詩420-10-2
一本芯- もちはる自由詩3*20-9-29
喪失- こたきひ ...自由詩420-9-26
封筒- オイタル自由詩6*20-9-24
種を蒔く- オイタル自由詩2*20-9-23
メモ(正直なところ)- はるな散文(批評 ...1420-9-21
むき甘栗食べながら書いているのでごめんなさい- 梅昆布茶自由詩1120-9-6
びびんちょの唄- 板谷みき ...自由詩3*20-9-5
星虹艦隊より- カマキリ自由詩320-9-3
月光- ひだかた ...自由詩520-9-1
バンザイ人間- 灰泥軽茶自由詩220-8-24
未熟と完熟- こたきひ ...自由詩320-8-24
お金が無いのは何も無いに等しい- こたきひ ...自由詩4*20-8-22
ゆうやけのくに- カマキリ自由詩620-8-21
タイガーマスク- 花形新次自由詩220-8-18

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328