羊の群れが見上げる先に
生きもののあつまりのかたちの曇
黒い太陽は白くなり
鉛のように口をつぐむ
平たい国に咲く花が
丸い虹や風へと傾き
水を覆い揺れている
夜を ....
文庫本の
薄いところが好きだ
パラパラとめくる
音も素敵だ
ブラスバンドの
演奏に合わせて
いちょうの葉っぱが
上から落ちる
青春という
栞は一枚だ
言葉に振り回されているので
振り回してやろうじゃないかと思って
リズムを作り出すと
足を取られて転び
ねころびころがって
よろこびおかしがって
伸ばした腕の先にあった
イネ科の植物を鳴ら ....
反旗を翻すと
狼にごみが付く
子連れ狼は去って行くが
最近眼鏡の洗浄液を
けちって居て
少し汚れた視界に映る
子連れ狼も反旗を翻す
子連れ狼の
二回の轟音
カラオケで少し目が潤んでい ....
結びつけること
束縛であろうとちいさなゆびきりであろうと
いつもばらばらになろうとしているものを
とどめようとするきもちがすきなのだ
水引って結んであるでしょ
封印でもありたんなる飾 ....
愛をもたない人形のように
冷淡で詰まらない男
観念世界の海を漂い
非現実をいきる
ぬくもりを抱きしめることもなく
暮れてゆく日々
ザクロのように割れた心から
赤い血が噴き出し ....
ある日突然に これまで理解できなかったものが
素晴らしい事に気づく
それはドビュッシーのクァルテット
FMで聞き その不気味ともいえる世界に驚く
こんなに素晴らしいものがあったのか ....
階段の踊り場で
私は立ち止まる
私は
自分の中途半端が嫌い
7階と8階の
どこにも馴染めない
おはようって
ツイート
感謝のために生きたいのに
サヨナラを聞くばかり
いつだ ....
薔薇園を見に行って
大事なイヤリングを落としてしまった
いつか落とすと思ってはいたけれど
いつ落としたのかわからない
歩いた跡を
再び
たどってみたけれど
ない
ひょっとし ....
自称詩人にならないように
日頃から細心の注意を
払う必要があるが
もし万が一
自分の家族が
自称詩人になってしまった場合は
家族の問題で片付けることなく
自治体や保健所、警察
医者また ....
片思いには質量がある。
だから 好き という気持ちは
不変/普遍 なんです
と酔っ払いの男に云われました。
好きという気持ちを冷凍保存して
必要なときにとりだしてレンジで
チンするので ....
ことばに小さなドリルで穴を開けていく。覗くとことばの裏側が見えるので試しにやってみて欲しい。小学生や中学生の夏休みの自主課題に合っているかもしれない。ことばを選ぶのが難しかったら、分厚い辞 ....
性別おとこに生まれていたらと熱心にお祈りしていた頃があった
いつでも家から逃げ出してホームレスになれるじゃない
くれないのベルベットのシュシュで三つ編みを飾るほどの
何すらもなくってだからかなえ ....
空から夏がやって来て パワー全開の太陽が燃える
海も山も川も街も 汗でクタクタの人の群れ
ギンギンギラギラまぶしくて
サングラスがほしくなる
麦わら帽子がほしくなる
音楽は
タ ....
紫色した小さな幸せ
どこにでも咲いている可憐な幸せ
嫉妬に狂わされるのは
あなたが娘のように可愛過ぎたから
花びらがいくつも咲いて
あなたはブーケとなるでしょう
すみれは
....
朝起きて顔を洗うとすぐに
台所へと向かう
目覚めのいい朝も、悪い朝も
遅刻しそうなほどぎりぎりでも
必ず台所へ向かう
....
宙に 浮かんだまま 漂っている
意識
が
ふらふら
ふわふわ
流れ続ける時のなか
痛みながら呻きながら
肉と繋がり
引き留められ
わたしの在り処を
探してい ....
樹 の 緑 が
空 の 青 と 一体化して
眩しく、
やけに
眩しく。
桜の頃は
どんなだったかなぁ
と
思い出しながら 歩く。
わたし 以外に誰もいない
桜道。
....
ぼくたちは知ってゆく
ありのままではいられないのかもしれないと
人生でたったいちど編んでもらったマフラー
誰もほんとうのレストランを知らない
バイク乗りであまり街歩きもしなかったし
....
死んだらどうなるのだろうと
私は考えていたが
わたしは私の体を見ていたから
既に死んでいたわけで
なのに考えているのだから
生きているのか
と思ったが
ひょっとして
思うことは
生き ....
先夜廊下の隅を観たら
ムカデがいた!
僕はその瞬間に驚くほど
素早く冷静に頭が働いた
そうだ、台所にあるホウキで
叩こう!
そっとさっとホウキを持って来て
思い切り叩いた!
一回二回三 ....
落ちてゆく
ゆっくりひたすら落ちてゆく
何物もない何か在る
青い天蓋の底の底
炸裂する世界に
裏返る在るへ
落ちてゆく落ちてゆく
ひたすらゆっくり遡りながら
旋律響きの奥にすむ
....
くるみの内側を
走り続けていたよ
放物線を描いて
世界を広げようとしたよ
僕は
一人ではなかった
君の姿は、
見えなかったけど
くるみのにおいが
していたんだ
僕が目を覚ますときも ....
わざわざうみにまで行かなくたって、近所をぶらぶら散歩しているだけで案外救われたりする。
道をさえぎるほどに伸びきった雑草、ハエのたかる犬の糞、
でかい音を立てて走り去るトラック、落書きのされた ....
友だちが欲しい
強烈に欲しい
家族でも
恋人でもなく
距離がつかめない
触れるのはよしとしたい
力は込めない
触れるだけの
確認できない
みんなさみしさをどう処理するんだろう ....
いつからだろう
熱病に侵される
戦う南風、こがらし
叶わない。
世間様に顔向け出来ない
恋煩いとかナントカ
ないとめあ
立夏すぎ汗が滲む
上がる躰の体温 ....
....
君が泣き始めてしばらくすると、雨が降ってきた。
空が君にもらい泣きしているみたいだ。
空も、君を見守ってくれている。
だから君と離れているとき、空が晴れていると安心する。
きっと君もど ....
神 と神
の闘い の現場
に、いつも鏡 があったように、
僕 ....
あたらしい方法
をさがすようにして、さまよい
さがしあてたように、一つの碗を手にする
テーブル
しずかに碗を置く
そそいでも崩壊しない強度なら
わたし自身も ....
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