石地蔵と夏
ゆうだち

金木犀のこぼれる石畳
空に続いてゆく秋

ちゅーはい飲みながら豆を摘んでおもった
僕をつまんでくれたきみを摘んだ僕
こんな日に君を思う意味はある
こんな日に君を思う意味、
もう会えない確率の方が高く
嫌われてしまっている現実を差し引いても
好きな人が居たことの記憶に
すがれるなら
こんな日に君を思う意味 ....
光有れと叫んだとき
光は此処に有った
言葉有れと叫んだとき
言葉は此処に有った
行為有れと叫んだとき
行為は此処に有った
何としても生きようと
悲しがる君の横顔を見てそう思った
いつで ....
樹間から
覗く秋晴れの青、
ふるふる震え
金木犀の香が舞う夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶の余韻が響く

)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ ....
君の翅を食べた
君がそうすることを望んだから
君の翅はよくできたお菓子のように
心地よい甘さで
もろくあわく溶けていった
最後に君の背に残る
翅のついていた痕をそっとなぞると
それも夢の ....
送電線のカラスたちは
つぎつぎと不協和音を課題とした合唱隊となってゆく
さよなら、と言われて
西のお寺で鐘が鳴った
こめかみの血管のように青ざめてゆく
夕暮の空
ぎおんしょうじゃのかねのお ....
言葉が追いつかない街で笑おうか


室内

無駄に

行される



壊れたあの秋は何色だったろう


グロテスクな水槽のそこに在った声


夜の真ん中に座って ....
5月の連休に韓国岳に登った
山頂はいつもの10倍ぐらいのにぎわいであった
山頂では若者たちが
あちこちでいろんなポーズで
自撮りしていた
僕も今春初めて自撮りというものをやってみた
発電所 ....
自らを裁く法廷では花火が上がり始める
どどーん
おれは負けまいと声を張り上げる
被告は! ドーン、パ!
自分をいい人間だと思っているド、ドーンパ、
パンパンパン
他人の心臓を移植された人間 ....
網戸の外は青い空
網戸の内は灰の心

青はあくまで深さ増し
鬱はどうにもどん底で

世界と私は無関係
私が無くとも世界は続く

ああ、全くそれなのに
涼風が肌を不意に撫でる
その ....
人生の走行距離はもう僅かかもしれないが
スーパーカブ程好きな乗り物は無いと思っている

角栄大臣の日本列島改造論で大陸との現実の橋ができていたら
スーパーカブに跨って日本のあるはずもない誇りな ....
ひっきりなしにしゃべっている
ひっきりなしにしゃべっている

沈黙の間が恐いのか
それは確実にやって来る

それは傍らに忍び寄り
それは傍らに息づいて
沈黙の間を押し広げ
未知なる問 ....
自分と誰かを比べて
育たない森の中で
迷った日々は暗かった

腕を組んだり
足を曲げたり

時間の逆へと
進みたくなる

ピカソに会えたら
僕の心は
ルーブル美術館にあるはずだ ....
あすへ かえりたい

         。

 明けの星
 大きな鳥が舞う 静かな街
 ぼくは飛び乗ったのだ
 
 正しいものを、正しい答えを、正しい何者かを、
 真実を探して、 ....
何もかも全てを
忘れられたらいいけれど
そういうわけにもいかない

リセットしたつもりになれば
意外とすっきりするから不思議

様々な出来事
良いことも悪いことも
自分自身を通過して ....
言葉から言葉へ向かう紙と声


たくさんの背景がある背中たち


存在が宿るのを待つチョコレート


きみの目の先には雪が降っている
なけなしの金でコーラの大瓶、一本と
インスタントコーヒーと三温糖を買って
あっという間にコーラは空になり
インスタントコーヒーと三温糖で
アイスコーヒーを作って
スーパーから貰ってきた氷を入 ....
その日私は急いでいた。
14時に目的地に付かなくてはいけないのに
家を出たのは13時50分だった。
とはいえ5分弱で到着する場所だったから
車を発進させるまでは
余裕の私が少し顔を出していた ....
 『この春に』
私十九のこの春に命を捨てに参ります
積丹半島神威岬念仏トンネルくぐって行きます
私の好きなあの人は関係無いと行ったけど
耳の聞こえぬその事であの人の親が反対しています
都会じ ....
秋は仏頂面のヒゲ男を察知してイヌやネコも傍らに近づいては来ない

積み石で寝仕度を整えているのは巣を閉じた青蛇の一団だろう

まあるくそれでいて刈り取られた雑草の刺々しさがのこる畦道
 ....
愛の言葉を探しながら
一晩かけて手紙を書いて
十四日の朝お菓子屋さんで
高そうに見えるチョコ買って

手紙を添えて綺麗に包んで
そっと鞄の中に入れ

授業中も上の空
早く放課後と待ち ....
熊笹の獣道を誰かが歩く
うっかりと穴を踏み抜く
ガサ
滝つぼに落ちたあと爆発音がして
誰かの身体はもう粉々
自分のなかにはそんな穴があって
胸に手をあてたとき
大きくもないその手はすでに ....
ポケットがあれば
朝と夜を
別々に愛せる

例えば
擦り減らないように
休ませてあげること

だけどいつかは
片方だけの重さを
支えるために
両手を使う日が来るなら

こんな ....
雨降る夜に
孤独を曝し
けぶる地平へと
走っていく
滾る思いを
冷雨に濡らし 

救われないと分かっていながら
逃れられないと分かっていながら
夜闇のなかを走っていく
ひたすらに、 ....
誰何する声のさなかのスイカ割り


数式といっしょになったお葬式


お惣菜コーナーにある物心


思い出す泥の匂いと冷たい火
「あぁあ、こんな地方の駅前で
 テレビ局ですが
 家ついて行っていいですか?
 なんて言われない限り
 うちらの世界は変わんないよね」
「でも、見せるものもないよね」
「そうだよね
 全 ....
からっぽの心を手土産に家へ向かって歩く
雪がふわぁっていっぱい降って
皆と一緒に居たかった
ふと降っていたのが
ちぎれた雲なのに気がついた


日の当たる場所に座って
帽子を深く被って ....
お爺さんから聞いた
松茸がたくさん採れる場所

少ない年もあるけれど
たくさん採れる場所だと知った
迷いながらも辿り着いた

その場所までは距離があり
結構疲れてしまう身体

毎年 ....
本日のお品書き~ラタトゥイユ


 夏野菜の押しあひ圧しあふラタトゥイユ

 
 この夏もラタトゥイユを喰いに食った。作り方が簡単、というかないようなものというかそこがいい。火を使いたくな ....
詩人の肖像は
誰にもわからない

あるときは
長く執拗な夏
異教徒の祈り

暮色の岸辺の苫屋の
清貧という夕餉

園遊会での貴婦人の
緊密なコルセットの誘惑

屋根裏の経済 ....
鵜飼千代子さんのおすすめリスト(9859)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゆうだち- 梅昆布茶自由詩1121-10-6
こんな日に君を思う意味について- 杏っ子自由詩221-10-5
此処に有れ- 渡辺亘自由詩121-10-5
残響- ひだかた ...自由詩621-10-5
君の翅- 塔野夏子自由詩13*21-10-5
西の鐘- 本田憲嵩自由詩321-10-5
空き箱に秋空- 水宮うみ川柳2*21-10-4
ジドリ- ホカチャ ...自由詩2*21-10-4
決着をつけない勝負をしている- ゼッケン自由詩221-10-3
鬱と青- ひだかた ...自由詩12*21-10-3
スーパーカブ讃歌- 梅昆布茶自由詩1721-10-3
TVピープル- ひだかた ...自由詩421-10-2
僕の色- ミナト ...自由詩121-10-2
夢明列車より- 津煙保存自由詩7*21-10-2
リセット- 夏川ゆう自由詩221-10-1
雪の結晶- 水宮うみ川柳2*21-9-28
令和の闇2- ジム・プ ...自由詩2*21-9-28
それは猫だった_1- RAVE散文(批評 ...3*21-9-27
二十歳に書いた歌詞_- 板谷みき ...自由詩3*21-9-27
善師アキの空- アラガイ ...自由詩15*21-9-27
バレンタインデー- 板谷みき ...自由詩1*21-9-26
_攻撃性- 松岡宮自由詩10*21-9-25
無題- ミナト ...自由詩121-9-25
DNA- ひだかた ...自由詩821-9-25
物心- 水宮うみ川柳5*21-9-25
家ついて行っていいですが…- イオン自由詩3*21-9-25
十六歳の呟き- 板谷みき ...自由詩2*21-9-25
松茸狩り- 夏川ゆう自由詩321-9-24
料理で俳句㉕ラタトゥイユ- SDGs俳句121-9-24
詩人の肖像- 梅昆布茶自由詩2121-9-23

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