学問ではなく
経験でもなく
喉の渇きをただ癒すためでもなく
僕は君の元へいそぐ
言い訳したくはなくて
君はたぶん泣いている
それはそれで困るのだけど
君が笑っていると僕 ....
「今日は死ぬにはとてもいい日だ」
風が吹く
ヒマラヤスギが黙然と口を閉ざす草原で
空気に重さがあること
シルバーアロワナの鱗に始点も終点もないとして
明日が普遍してもいい ....
苦しい
痛い
怖い
生きることが
世界は悪しき者達の為の住処
肉体の苦しみ
臓腑を灼く耐えがたい苦痛
精神の苦しみ
魂が傷つき損ない
悲鳴をあげる
「助けて」
助けを求め ....
しもた屋の二階の窓から眺める世間は
霧雨にすべてが濡れている。
少し前囁かれた
ちょっと起きておくれよ
という女の声に 後ろ髪引かれ
そのまま昼まで 居付いたが
この雨で世間に戻 ....
小学校の体育の時間に
逆上がりができなかった
隣りの席の女の子が休み時間に
鉄棒をしにいこうと誘ってくれた
ぼくらは二人で
校庭の隅に立つ鉄棒に向う
鉄棒は低いのから
順番に高くなってい ....
そんなことしたら
また再会することになっちまうじゃない
愛より弱いこと
ひとりひとり続けようか
大好きだった
いつもそばにいた
いまも影や轍
気にして生き ....
やたらに愛を歌ったりするやつになりたくない
やたらに夢を語ったりするやつになりたくない
やたらにフェバリッツを吹聴するやつになりたくない
やたらに周りに当たり散らすやつなん ....
あたし一生、結婚なんてしないわ。
三日月に乗って夜を旅する
風の冷たさ温かさ
満月なんかじゃダメなのさ
10円玉99枚を用意して
告白の為にボクは
電話ボックスを探してた
....
白紙の畑がひろがっている
一本道をゆく
と、ポツンと
巨大なショッピングセンターがある
集合住宅のコンクリート塊が墓標のように、山塊のように建っている
そんな
....
探しものはナンですか
普通のパンではないですか
カバンの中も
タンドールの中も
探してもないってことは
もうカレーと一緒に食ったってことじゃないですか
これから粉から作るんですか
今は夜 ....
じめじめとした六月が去って
じりじりとした七月が私を包み込む
天の川が二人を繋ぐ頃
私は静かに、夏の夜のどこか懐かしい空気に身を任せた
夏の大三角形を指で結んでみる
今年も織姫は ....
広大な宇宙は光に満ちてても君がいなけりゃただの闇だね
だだっ広い雨上がりの空に
僕にはない言葉がさ迷う
地上の、揺れの、草の、言葉
湿気、温度、雲の距離
僕の言葉は枯渇して
君の言葉を吸い上げる
地球、亀、象、
天文学的な、 ....
泣きたいから泣く
を繰り返していた私に
届いた 一通の手紙
そう あなたからの手紙
私の細く縮んだ目は
ひらいて
手紙をみて想う
ああ やっとあなただと
あけられない とおもう ....
リアルの始まりはいつだって白濁に過ぎない、毛髪の根本に仕込まれた飛び道具がわずかに余計な色を添え、36度あたりの赤い水力がタービンを回し始める…ハロゲンライトの灯りはまるで、ちょっとくらい ....
思い出作りでもしましょうと
お気に入りの友達と
おばばばかりのバスに乗り
思い出話に花を咲かせ
温泉地へ着けば
湧いた温泉を
その地のおばばが湯もみしていて
おばばにもまれた湯につかり
....
「落ちてるよ」
「あ、ありがと……」
どうして私はこうなんだろう。落ちていた消しゴムを拾ってくれた
男子にろくにお礼を言うこともできない。もうちょっと社交性持ちた
いよ。
そう落ち込んで ....
俺は祈る
君が可愛い笑顔を浮かべる日々が
ずっと続くことを
俺は祈る
君と友達の楽しき青春の数々が
溢れるようにあることを
俺は祈る
君の前途が気高き祝福に
満ちたものとなるこ ....
懐かしさがほしい
喉から手がでるほどに
だが賛同は得られず
君はしなやかに回る
....
私が愛する娘さん
私が愛する娘の髪は茶色
栗毛の髪のニンフェット
私が愛する娘さん
私が愛する娘の瞳は透き通る黒の色
彼女の瞳は朝焼けに映える海の宝石
私が愛する娘さん
私が愛す ....
しゃがみこみサンダルのひも編み直す少女見つめた恥ずい感情
話せば判る
夫婦喧嘩した際、父が母に言い放ったような
パパとママ、どちらが好きなの
そんな母の発した答えようもない問いかけに弟と私
布団のなか、ひたすら息を潜めるばかりで
話せば ....
殺してほしいと
見知らぬ奴が言った
俺は面倒なことに
関わりたくないから
目を合わさないよう通り過ぎた
そうすると奴は
俺の足を引っ掛けて
転ばせた
殺してほしいと ....
「疼き」
わたしは女吸血鬼
逞しくばしっと叩くような男が好き
やるかやられるか
そのスリルがわたしを余計興奮させるのよ
でもね最近
草食系とか言って
わたしを見ただけ ....
君に憂鬱が訪れるたび
向日葵が深紅に染まる
太陽に背を向けて
哀しげに項垂れながら
闇を一身に背負った向日葵は
自らを切りつけ
地面へと倒れ込む
ひとつ
ふたつ
みっつ
....
母さん、ねぇ、お願いがあるんだ。どうしても欲しい本があるんだ。もう僕は、他には何もいらないから、その一冊だけ、ね、いいでしょ。その本は図書館には置いてないし、発行部数も少なくて、でもそんな事はどうで ....
数人の人が
現れて退き
出会った白髪の老人
何か言い残して
消えたが
印象に残って
束の間の老人よ
また来ておくれ
かーん
こーん
き〜ん
ポタポタ
ぽた
真っ暗だ
でも在る
見えないのにわかる
キ〜ン
かーん
カーン
掘られている
掘られている
打ち捨てられた
横倒しのトロッコ
こー ....
混沌の渦が、芯に落ちて
花びらは、瞬き
カオスは、一つの流れを示した。
示された約束は、熱を帯びて青く
一筋の光りを仰ぐ
あまりに短い時間を惜しむかのように ....
いつしか 夢みたいな甘い言葉は厭きてしまった
だって 嘘ばっか
だから 幻として楽しんであげることにした
男はいつも自分に甘いから
赦してあげないとね
時々厳しく鞭でぶ ....
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