昼も夜もない屋敷に独りの老人が住んでいる。
彼は日めくりカレンダーと唯一の会話をする。
愛くるしい動物や癒しの風景が語りかけてくる。
そんな彼が穏やかに息絶えていた。
今日見つかった時はもう腐 ....
家に帰ったら

つぼみが

いくつか咲いていた

とてもさみしい
影を、焚べてしまいたい、なんて思いながら、
森で、火を囲んで、物語を聴いた。
そのとき、焚べられた影が今、街をうろついている。
私を火刑に処そうとして。
あの焚木はとっくにない。語部もいない。 ....
銀輪の
跳ね返る
光の束
眩しくて
ガクンと揺れた
視界の先
道行く人の
後ろ背に
未知悠久の
時、踊る

あゝ何もかも
渦巻いて
異郷となって
迫り来る
この懐かしい
 ....
~本日のお品書き 河豚さし~


  とほたふみてふ虚実皮膜や河豚の皮


たっぷりの氷水を用意して、虎フグの皮を湯引く。
背中の黒い部分は二十秒。とうとおみは十秒。すぐさま氷水に入れ十 ....
僕の空腹はぼくのものだ
ときどきカップ麺を要求するけど

必要は最良の教官ではあるが
不必要はより甘美な憩いなのかもしれない

罵り言葉でもないが
地獄に行こうぜ

僕みたいな人間の ....
甘い甘いリンゴのケーキの

そのリンゴは

遠い遠い青森県から来たという

北の地べたに

大切に植えられた木のたくさんの時間と

作り手の方の人生と経験と

この年にかけた手 ....
本を読み知れば楽しい世界ある何も知らない世界山積み

カレンダー捲り時間の流れ知るあっと言う間の一年だった

映画見てラストを想像してばかりがっかり感が漂う映画

散歩道季節で変わる花の種 ....
のみこんだ言葉が僕の夜になる



壊れかけのゲーム機懐かしい形



夜に降る欠片をいつも見てた人



実在しなかった日々に暮らす手紙



墓のなか きみは後悔し ....
「蝿」

打ち沈んだ脳梁の遺跡群に一匹の蝿が迷い込む
神経質な迷路は死相を
その顔にふたたび浮かび上がらせる
魘されたアルトーの夢のように朝が来て
朝はまだ夜を殺しきれない
閉ざされたカ ....
新聞配達の音で目が覚める

豆乳バナナとカロリーメイトで朝食

リモート出勤をしてから車で出勤する

内外の打ち合わせが2本と面接

姿も声も筆跡も違ってた。あなただと思ったのに

 ....
二十度の酒を呑むと苦しいだけだが
五十度の酒を呑むと爆発できるらしい
でもそれはあまり売れない

じゃあ炸裂が怖いの
と聞くと炸裂したい人はたくさんいるのにだ
僕はブルックリンで昔
気の知れた 友人と二人で
気持ちを口にしあいながら曇り空の下を歩いた 
クラブパーティーを見た 夏の午後
水売りが立っていたあの日
実際、地球は本当によく回っていると思う。
朝日が差し込む部屋で歯を磨きながら
酔っ払って泣き続けた昨夜を思い出し、ふとそう思った。
床に転がった酒瓶に目を向ける。
中国出張帰りの同僚にいつか土 ....
夜、

暗緑色の

霧に覆われた

小さな凍った湖に、

静かに霧を割って

一羽の

羽の弱った小鳥が

落ちてきました。

すると湖は音もなく割れ

やさしく
 ....
星の砂巻き上げて海沿いの駅走り過ぎる
2つに折ったトレイルバー、大きい方を黙って差し出す
肩先にまだ残る燐光、振り払いもしないで
先頭車両はまだ寝てるみたい
窓を開け風を誘い込む
飛ばされな ....
~本日のお品書き『海鼠』~



 関東は青関西は赤海鼠

「もうそれくらいにしていただけませんか」
店主が柔和な顔で怒っている。
ここは京都北白川「ん」。学生時代に通いつめたおでんの ....
大きくなった君のおなかに
毎晩クリームを塗って
赤ん坊に声をかける
人間の果実は君のおなかに実る
この果実の中では赤ん坊が
手足を動かし呼吸していて
少しずつ人の形として熟していく
 ....
ここは、森であることを、許されてはいない。
しかし、森でなかったことはない。

森について、何も知らない。
しかし、森のすべては、予め知らされている。

森を、思いだすことは、できない。
 ....
近所の婆さんから焼き芋をもらう
紅はるかって種類を初めて作ったとか
太い焼き芋だ
齢八十余年の初めてをいま喰っている
時々忘れていく でも
時々 思い出すのは あの日
街灯の下で僕の見ていた橋の光景
自転車で 長い通りでペダルを踏んだ
曲がって駅の 駐輪場を 僕は目指した
剥いた蜜柑の爪跡が地球の裏側に勃っている
朝と見間違うかのような崩落
焔は零れる砂となり
紐を抱くとも数式の最後尾に綴じられる

消えそうな会釈で靴を脱ぐ
前室は輪郭に満たず、水没した鏡に ....
見ろよとうとう列車がやってきた
あれは取り残された者だけが
最後に乗り込める列車なんだ

何も請け負ったつもりはないが
この国に生まれたからには責任をとれと
指を突きつけてくる連中がいる
 ....
{引用=内から喰われる}
くちびるから離れる熱い器
つかもうとして膨らんだ白い手は光にとけ
網膜にしみる青さをかもめが掻っ切った
上澄みだけ日差しに毛羽だった 
時のよどみ底なしの 泥夢―― ....
職場でお寺の話になって
昔あなたと行ったお寺のことを思い出した
名前も場所も憶えていなくて
ネットで調べていたら
手が滑ってあなたの家を見てしまった
恐ろしいことに十数年の移り変わり写真 ....
{引用=ふしあわせという名の猫がいる  寺山修司}


印象という名の椅子


音楽という名のハンモック


概念という名の少年


恐怖という名のカクテル


経済学と ....
たくさんの記憶がある

嫌な記憶が邪魔して
前に進めないこともある

気持ちは前を向いていても
何故か途中で進めなくなる

嫌な記憶が
徐々に薄まっていく
夢を観ていた

良い ....
荒野に一つ
かがやくそれは
ぼくの悩み事をぶちやぶって
窓に張り付く次の夜から
マカロニはしるしになる

やってきては不幸をなげき
とばりの隅に隠れている

宇宙にひとつ
かがやく ....
けだるい夏のサンセット
若いヘルパーがカミングホーム
お前のママの素敵なディナーを
作ってくれるぜナウイッツタイム
その時を狙ってさらいに行くぜ
その時ママが元気だといいな
それならお前も ....
段ボール、衣類、びん、缶、ペットボトル
段ボール、衣類、びん、缶、ペットボトル
月曜の夜に呪文のように唱える
明日は段ボールの日だから
古新聞と雑誌とチラシは来週ね
そう決まってるの残念なが ....
鵜飼千代子さんのおすすめリスト(9835)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死めくり- 宣井龍人自由詩9*21-2-9
つぼみ- 黒田康之自由詩321-2-9
- かとり自由詩5*21-2-9
異郷に揺れて- ひだかた ...自由詩521-2-9
料理で俳句②河豚- SDGs俳句1*21-2-9
二胡- 梅昆布茶自由詩1321-2-9
リンゴのケーキ- 黒田康之自由詩221-2-9
散歩道- 夏川ゆう短歌521-2-9
のみこむこのみ- 水宮うみ川柳2*21-2-8
にごり水もみず- 道草次郎自由詩3*21-2-8
turn_off_your_devices- mizunomadoka自由詩221-2-8
炸裂- 黒田康之自由詩121-2-8
ブルックリンの空- 番田 自由詩221-2-8
地球が回り続ける原動力- ごまたれ ...自由詩8*21-2-8
ある凍てつく湖の話- 由比良 ...自由詩5*21-2-7
ジョバンニの朝- 妻咲邦香自由詩521-2-7
料理で俳句①海鼠- SDGs俳句121-2-7
果実と花- 葉leaf自由詩221-2-7
生物- かとり自由詩5*21-2-7
- 黒田康之自由詩321-2-7
2005年頃の厚木で- 番田 自由詩121-2-7
カーネーション- 妻咲邦香自由詩321-2-6
夢のファンキートレイン- 紀ノ川つ ...自由詩121-2-6
眼のない光- ただのみ ...自由詩5*21-2-6
運命の分岐- mizunomadoka自由詩721-2-6
Die_Alone- 墨晶自由詩6*21-2-6
記憶- 夏川ゆう自由詩421-2-6
まかろに- カマキリ自由詩321-2-5
One_Hour_Dream- 紀ノ川つ ...自由詩1*21-2-5
火曜日- ひかわゆ ...自由詩1*21-2-5

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