教壇から頭ごなしに説教をするタイプでもないので
例によって教室を歩き回りながら僕は話す
半年、あるいは一年ほどの付き合いで学生について
何ほどのことが分かるかと問われれば返す言葉もない

も ....
今日も聞こえる。
あの声が…「人なんてくだらない。騙せ。裏切れ。嘘をつけ。」
今日もうなされ、
声が出る…「うるさい。黙れ。ほっとけよ。」

僕は、声の主を探す旅に出た。
行く先々で出会い ....
放課後の訓練室で
暇をつぶしていた僕たちを
待ち受けていたものは
熱放射だった
侮ってはいけない
強い熱は人を焦がす
ほら、僕の腕にはシミがついている



なす術もなく暮れなず ....
良かった、と呟いて
それからまた手を離すんだろう

そしたら宇宙の端から呼んでくれよ

必ず応えるさ、

まだ本当にそこにいればね



ニルヴァーナ、

そこにたどり着こう ....
そうさ
ぼくらはキスをした
みんながもう寝た頃に
電車の終わった線路を歩いて
手をつないで
歩いた道を振り返って
ふたりを遮る
理由のすべてを振り切って
思えばそれが
ぼくらのささや ....
パステルブルーのまあるいボールが目の前を
ぼんっ
と跳ねてった

あなたが待っているのがボールの向こうに見えたけれど
私はボールを追いかけた
追いかけた

ぼんぼんボールは跳ねていく
 ....
金属が
金属の腹をこする
わたしが生れ落ち
さみしく 生きてゆく
ただいま おかえり
今日は給食おかわりしたよ
そう言いながらニコニコ笑う
愛しい笑顔を抱きしめた

ただいま おかえり
今日はクジラ山に登ったよ
そう言いながらニコニコ笑う
 ....
これだけなだらかな
流線型の谷を下るあいだに
私はすっかりと忘れてしまっていたのだ
これが谷であるということを
私は視覚的な美しさを楽しみ
そこにはすべてがこめられていると思い込んでいた
 ....
 京浜東北線に乗ったら、隣に乗り合わせた男がガムテープを鞄から取り出した。黒い生地の埃っぽく薄白く汚れたビジネス鞄。黒い繊維で側面の汚れたガムテープ。

 ビリビリ、ビリビリ。

 引っぱがし ....
歴史的なエピソードにこと欠かないこの地で

芦田川について語られることはあまりない

芦田川の河口はもちろん海とまじりあうのだが

見つめていると

この川が本質的には海であることがよくわかる

芦田 ....
気絶しそうな海が春の鼻先で
壊れたり生まれたり寝返りを打ったりしていた
レイン・ツリーと何度も口にしながら
飛行機雲を保存する方法を考えた

音が消えると振動がなくなるので
悲しみは無意味 ....
耳元で囁く I love you
貴方が少し照れたように微笑むから
私はとても幸せで
泣きたくなる


微かな機会音が貴方の命を繋ぐ
誕生日まであとふた月
指折り数えているけれど
病 ....
消極的に一晩中
消去していたが
どうにもこの方法では
心の皮膚が元に戻らない
いっそ
千切ってしまおうか
柘榴、また実がなるかな?
とか思ったが
それも夢のまた夢だろう
僕は
あわ ....
 左手が塞がっていたので手袋を噛んで引っ張ると一緒に伸びすぎた中指の爪も引っ張った。手を抜くときに歯の合わさる、ガチン、という音が頭蓋骨の内側に響く。
携帯電話を右手でいじりながら電車を乗り継いだ ....
車にのっていこう

途中の緩やかな景色の流れも

沢の水の冷たさも

いろいろな情報を過ぎて 車で行こう


目的地こそ意味があるから

あのお店に行きたいから

あれが見た ....
起きたてよりも
身体を少し動かした時に
命が整うように思う

偶然開いたページに
誠実に伸びている轍を見つけると
命が整うように思う

なんでもない日
みそ汁をのんでいると
命が整 ....
台風の季節は
内川の水かさが増えて
びゅんびゅん橋が流されていく
毎年流されていく

助手席に深く座って
国道11号線のヘッドライトを目で追う
期待や倦怠で満ちた車内を
MJQ ....
真夜中の暗闇
携帯電話・光る・・・
小さなディスプレイ・光る・・・
浮かび上がる顔
ボタンを押すのを少しサボると・弱まる・・・


そっと握って・片手で・・・
ぼやけた塗料がぎしぎしと ....
僕は今
不思議な場所にいる
ここはどこなんだろう
どうしてこうなっちゃったんだろう
涙が止まらないよ
涙が……
きのう僕は一日かけて
古い歌ばかり聴いていたんだ
古い歌は純粋で純情だっ ....
自分からてばなしてしまったので
しかたのないことなのですが
胸がすこしいたむのです

不安をてばなすための孤独に
たえかねているのです
どうでもいいだれかとメールして安心しました

で ....
終わらない轍を抱えながら

時への妄想を考古していた

時は迷路に曳かれている

命や命の周辺を発掘する

それらは無機物になって

感性や知性に弄ばれていた

終わらない轍を ....
古い鉄の欄干と、煉瓦倉庫と、にび色の水面
イースト・リバーに遺灰を撒いてほしい
ローワー・イーストサイドの
薄暗いアパートの1室での最後

(自由な精神は漂う)

過剰に言葉を組み立てる ....
くちびるから風を運んで
気がつくとそこにハルがいる
粒子の波が雲の切れ間から
美しいオルゴールのように

血を流したりはしないけれど
人はみなそれぞれの戦場を抱え
ふと息をついたときにど ....
君の警句
僕の警句
絶望をとりなし
軽蔑を含みながら
展覧会は実行された
釘付けにされた赤茶けたタイルに
君は憧憬を隠し通すだろうか

大切な行はしっかりと隠せ
その前後だけを記すが ....
もう香りがのこる
残り香が横断する道路の

道路の
広すぎる
歩幅を足がちぎれるほど
振り出し
わたる
わたったあの環状道路
青く雲がたなびくあの
勾配ある町の向こうには
排気 ....
たぶん私たちは恐れを忘れてしまった

チェスの駒で現実を語り、物語は日々陳腐になる

弾幕で煙たくなった目は配分する力を失っている

大声で吠えるものたちだけが跋扈して

誇りと情緒不 ....
胎内回帰するということは
生まれる前に
だから
死ぬということだ

焼け野原に相応しい
焼死体になって

あの

焦げ付いた口授に
相応しい

呼吸すらしていない
未熟な身 ....
ピンク色のサラマンダー
ウーパールーパーのライフサイクルは
いろいろです

おとな、こども、おとなこども

おとなこどものこども
おとなこどものこどものおとな
おとなこどものこどものお ....
藤沢周平の小説に殺すなというのがある
中二のとき国語の先生が授業で朗読してくれた
先生はいまの私より十歳下だった

先生の野太くて明るい朗読は
鹿児島なまりの抑揚で歌うようだった
不埒な中 ....
鵜飼千代子さんのおすすめリスト(9835)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
それでは試験を配ります- 瀬崎 虎 ...自由詩5*10-1-29
声の主- 逆鱗社長自由詩1*10-1-29
電解質イエロー、あるいは触媒世界- 真島正人自由詩3*10-1-29
三千世界- 自由詩4*10-1-28
ぼくらはキスをした- ふくだわ ...自由詩310-1-28
- なき自由詩5*10-1-28
ノート(金属)- 木立 悟自由詩210-1-27
おかえり- 仁惰国堕 ...自由詩4*10-1-27
憧憬- 真島正人自由詩4*10-1-27
皮膚の境目- なき自由詩1*10-1-27
芦田川にて- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...8*10-1-27
飛行機雲を保存する方法- 瀬崎 虎 ...自由詩510-1-26
I_love_you- まさたか自由詩310-1-26
君にキッス- 真島正人自由詩3*10-1-26
スライム- なき散文(批評 ...1*10-1-25
車にのって- 短角牛自由詩110-1-25
みそ汁- 昼寝ヒル ...自由詩710-1-25
牛乳特選帯(仮)- 手乗川文 ...自由詩13+*10-1-25
蛍光灯より薄い白- なき自由詩3*10-1-25
思ったよりも明るいですよ- 真島正人自由詩2*10-1-25
てばなす- 水中原動 ...自由詩210-1-24
終わらない轍- 吉岡ペペ ...自由詩810-1-24
ギンズバーグが教えてくれた- ……とあ ...自由詩17+*10-1-24
今そこにないものを確実に意識しながら- 瀬崎 虎 ...自由詩510-1-24
警句- 真島正人自由詩2*10-1-24
道をわたらなかった声- 水町綜助自由詩510-1-24
単純な物語に回収されてはならない_1- 真島正人自由詩2*10-1-24
胎内回帰- アキヨシ自由詩210-1-24
たくさんの海の色を知っている- 海里自由詩210-1-24
殺すな- 吉岡ペペ ...自由詩810-1-23

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