羊の顔をした王様が
宝の山に
背を向けて
ばたりと
雪崩れ込む。
なんでこんな顔になったんだっけかなぁ
背中にエメラルドが、金塊が
ちくちくと主張する
壁画にはこの ....
ゆりかもめに乗っていたら
富士山の白がくっきりと見えた
忙しくそれを見つめながら
誰に伝えたいのかを考えていた
寂しくもないのに寂しかった
ガキのころちょうどこの季節
ベランダから見えてい ....
どこにもいけないなら
外に出た振りをして
あなたの脳内
*
かなしいって
なんだっけ
スカートが
くるくる
まわるので
*
言葉がきらい
だから
わたし
....
夜風がやさしく舐めていた
心たちがそよそよと泣いていた
工事現場のような剥き出しの鉄骨
それがライトアップされてオレンジの夜
引きずる車輪の音がする
闇の中に緑のシルエット
ひかりが時間 ....
雨など降っていないのに
どしゃ降りみたいな夜だ
冷えた心が苛立って
手元に割れた息を吐く
あなたの心まで
届くはずだったベル
今は部屋の隅で
小さくなって転がっている
いく ....
「花のように開き
ナメクジのようにヌメる」
笛吹きクレイと呼ばれた女
カリスマデリヘル嬢みゆきは
横須賀のホテル街を
軽快なステップで
ヒットアンドアウェイしていく
俺はあいつの ....
雨が降っていた。
秋晴れがさんざ続いたのをかき消すかのような、どしゃぶりだった。
わたしの住む地区には、いわゆる障がい者の人たちが通う学校が沢山ある。
聾学校・盲学校・養護学校…最近では、盲 ....
思い出の中に君の顔を探してみるよ。
それは遠い日の記憶
君はいつも笑っていた。
くだらない冗談でふざけあって
些細なことでもおかしくて
君から僕が目をそ ....
ひとりずつちがう場所から始まり
ひとりひとり同じ場所で歩いて行く
みんなが持っている決まった何かを持たないで
みんなが持てない不要なものを 抱えていた
子供のように怖がって
いつも私をこ ....
誰が知っただろう
わたしがあの日 おふろ場で
声をころして 泣いたこと
誰が知っただろう
わたしがあの日 公園で
宙ぶらりんに なったこと
誰が知っただ ....
カレンダーひらり
後 二枚
やっとやっとすぎる
一日の重なりがたった二枚に記されて
明日はどんな日なんだろう
後悔もちょっぴり
それ以前に
思い出せないときの流れがせつない
....
嘘ついた
まったくどうでもいい嘘ついた
どってことない嘘なのに
君はなぜだか傷ついた
鉄骨の隣に愛
裏っ返しのフードに夢
嘘ついた
あたしなら 泣 ....
学校指定のカバンとエナメルを横に置くと、どうしてもふたり分の座席を占領してしまう。日が落ちきって、人も疎らなバスの車内がありがたい。いくら荷物が多いと言えど、ふたり分を占領することはなかなか勇気がいる ....
こんなに広い道だもの
迷ったって当たり前
たくさんある方向に
目移りしたって当たり前
プライドだって大事です
だけどね
それすら切り売りしないと生きられない
ぴりっと冷たい秋 ....
見上げれば
漆黒の闇におわす 孤高なる者は
こうごうしくも おごそかに
今、クラウンの輝きを戴いている。
美しきものを美しいと思うのは
美しくあってほしいという願いか
もしくは勝手 ....
切ない色の画用紙に 白い絵の具で 君を描く
絵の中だけに 輪郭が 薄らぼんやり していてね
色と色との その際に 刻み付けるに 似た線だ
やあやあ これが強調と 同じ意味持つ 紙巻の ....
僕は今日も
来てしまった
街を見渡せる
坂道のフェンス越し
君のこと
想い浮かべながら
眺める夕日は
ロマンチック
誰もがまだ
本当のサヨナラをしてないから
この赤くひかる ....
かさかさの唇
リップを塗りなさいと母に言われた
冬になるとどうしても割れるから
めんどくさくって塗らなくなった
君の髪はぐるぐる
ごつい リファンレスヘッドフォンと
....
昨日大好きな大好きなドナルドに初めて会った。
びっくりした。
僕は34歳だけど、
写真撮影の順番待ちをしている50分で
みるみる子どもになっていった。
ドナルドとハイタッチし、
ハグを ....
白い沙漠にころがる 8つのパーツをみたとき
なかなかいい出来だ、と思った
罪悪感に駆られて食べた中指が
胃の中でじんわり溶ける
よく考えれば
一昨日のきつねう ....
闇の底にいた時間が他の人よりもほんの少し長かったせいか、
私には本当に少し、かすかな光でも、
太陽の光をすべて集めたくらいの希望に感じたものです。
すがるものが、何ひとつなかったですから。
....
寒いとき
辛いときほど
月がきれいで悔しい
満たされているときほど
見えなくなるものがあるのかも
着込んでも寒くて
君とのことや
明日のことを思うと不安で
....
遠い星を見つめて
丘のうえ爪先だちで
手を伸ばしてみる
遠い
遠いんだと実感する
掴めるものは何もない
墨色の空/新月の空
星はこんなにも
たくさん瞬いている
風が吹いて ....
あなたの
向い側で
点滅するような表情を
じっと見つめていた
愛しいのか
悲しいのか
ずいぶん前に
わからなくなってしまった
触れたいのか
こわいのか
わからなくな ....
数えることばかりで
月はすっかり濁ってしまった
いとしいものばかりで
夜は明るくなりすぎた
これからは
もっとたくさん
ひとを傷つけよう
もう
それでしか
眠ることさ ....
宇宙という、漆黒の永遠に向けて
夜しかない、音もない、無に向けて
いるのかいないのかもわからない異星人に
黙々とモールス信号を打ち続ける。
或る日、
一つの誓いをたててみた。
....
寝過ごして秩序を失う。
旧いシトロエンのタイヤがハズレている。
君は身体を失った。
キャンディーを食べながら木綿のワンピースが揺らめいてた。
僕はバス停で来ない誰かを待っている。
....
僕は 忘れていた
詩を 書くことを
わからないと思うからこそ忘れていた
イメージを ノートに 感じたかった
大きな山を見た
確かめられなかったのは紙の内側にある青い海だ
苦しん ....
ようちえんのころは、
どうぶつえんでみたぱんだとか、くまとかそんなとくべつなものをたからばこにしまうように
なぞめいたことばでじゆうちょうにかきのこす
そんなこどもだったのだ
小学校に入っ ....
いぼがえるの背中のいぼいぼ
全部あかで塗ってドットにしたい
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